本記事では、AIファーストの意味やAIファーストによってできるようになること、国内企業における事例を解説します。
AIが急速に進化する中で、AIを導入することを前提として、業務プロセスを組み立てることが求められています。
AIファーストによってどのように業務が変わっていくのか、具体的な事例を通して見ていきましょう。
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目次
AIファーストとは

AIファーストとは、AIを中心にビジネスモデルや製品・サービスを設計する取り組みです。
それまで人間が行っていた業務の一部にAIを組み込み、部分的に効率化することを「+AI(プラスエーアイ)」と言いますが、この「+AI」からもう一歩踏み込んだアプローチとして注目されています。
AIファーストの考え方が登場したことによって、主に業務効率化・コスト削減ツールとして扱われてきたAIが、ビジネスにおける競争優位性を生み出すものとして再認識されることが期待されています。
参照:
・ビジネス変革のためのAI:プラスAIからAIファーストへ IBM
・AIファーストの行動原理:ビジネスでのAIとの向き合い方 本郷喜千
・最新技術で変わる未来のビジネス AIファースト時代を勝ち抜くために 日経XTECH
・AIファースト。デジタルワーカーが変える「金融機関の新しい仕事の進め方」 digital FIT
AIファーストが台頭する背景
少子化による人手不足や働き方改革が進む中で、業務効率化だけでなく、AIを前提に業務を再構築する必要性が高まっていることから、AIファーストが注目されています。
AIは、定型的な作業や量をこなすだけの単純作業を担い、これらを高速かつ自動的に処理することで人間の業務をサポートします。
AIにできないクリエイティブな業務など、人間が本来集中すべき業務に注力できるようになるため、新たな付加価値を生み出すことが可能になり、DX推進にもつながるでしょう。
参照:
・動き始めたAIファースト 日本経済新聞
・AIファースト。デジタルワーカーが変える「金融機関の新しい仕事の進め方」 digital FIT
AIファーストでできるようになること

次にAIファーストが取り入れられると、どのようなことができるようになるかを解説します。
これまでの業務と何が変わるのか、知りたい方は参考にしてみてください。
● 文書作成の効率化
● デジタルワーカーの活用
それぞれ順番に見ていきましょう。
顧客対応の自動化
自社の商品情報やカスタマーサポートなどに関する学習データを読み込んだチャットボットによって、顧客対応を自動化できるようになります。
AIが搭載されたチャットボットやボイスボットによって、テキストや音声による自然なやり取りが可能になりました。
よくある質問内容などはチャットボットに対応してもらうことで、人間が対応する件数を削減できるため、業務量の削減につながります。
AIでは対応が難しい内容のみ人間が対応すればよくなるため、空いた時間を本来集中すべき業務に充てることが可能です。
参照:
・AIファースト。デジタルワーカーが変える「金融機関の新しい仕事の進め方」 digital FIT
文書作成の効率化
議事録や提案文書のたたき台作成、数値を分析するためのシートや関数作成、取引先へのメールのひな形作成など、業務で使用する文書を一から人間が作らなくてよくなるため、本来ブラッシュアップすべき中身に時間を掛けられるようになります。
また、文書作成は簡単な指示でAIが作成してくれるため、導入ハードルが低いです。
そのため、これからAIを取り入れようとする企業にも始めやすいでしょう。
参照:
・ 「AIファースト」が企業価値創造の鍵持続的成長やSDGs貢献の基盤にも 日経ビジネス
デジタルワーカーの活用
少し導入ハードルは高くなりますが、汎用性の高い活用方法として、業務プロセスを正しく学習させ、適切にトレーニングを行ったAIをデジタルワーカーとして活用する方法があります。
業務プロセスの中にAIを組み込むことで、人間が行う業務のキャパシティを拡張することが可能です。大まかな手順としては、業務プロセスを言語化し、このうちデジタルワーカーに担わせる業務を特定したら、業務フローを文書にしてAIに学習させます。
その後、タスクを実際に処理させながらトレーニングを行っていきます。
これによって、業務の一次処理をデジタルワーカーに任せられるようになり、チーム全体で処理できる業務量を増やすことが可能です。
参照:
・AIファースト。デジタルワーカーが変える「金融機関の新しい仕事の進め方」 digital FIT
・デジタルワーカーとは IBM
AIファーストを取り入れた企業の事例

実際にAIファーストを取り入れた国内企業の事例を4つ紹介します。業務の中にAIをどのように調和させているのか、具体的にどの程度の効果が得られたのかを知りたい方は参考にしてみてください。
● 佐川急便
● パナソニックコネクト
● 西松建設
それぞれ順番に見ていきましょう。
セブン&アイ・ホールディングス
セブン&アイ・ホールディングスでは、生成AIファーストを大前提として業務を進めることを目標としています。
その取り組みの一つとして、開封率の高いメールマガジンの文章を作成することに生成AIを導入し、外部委託費の84%削減に成功しました。
今後もマーケティングやカスタマーサービスなど、様々な分野において生成AIの活用を検討しており、2024年には新卒社員を対象とした「生成AI研修」を実施しています。
手作業と生成AIを活用した場合の業務効率を比較したり、生成AIは完璧ではないため人間が効果的に利用する必要があることを伝えたりして、AIに対する適切な認識を養いました。
このように、社員が業務へ積極的に生成AIを取り入れられるよう、全社的にサポートを行っています。
参照:
・ セブン&アイは生成AI活用で外部委託費84%減、先進20社の取り組みを一挙公開 日経XTECH
・セブン&アイが「生成AIファースト」宣言!意欲的な活用戦略と最新事例を語る! DIAMOND Chain Store
・新卒社員を対象に「生成AI研修」を実施しました セブン&アイNet Media
佐川急便
佐川急便ではグループ会社などと連携して、配送伝票の入力業務において、これまで人間が手入力で行っていた作業をAIが自動化するシステムを開発しました。
文字認識技術をベースに開発された新システムでは、配送伝票の読み取りから既存システムへのデータ連携までを自動化しています。
文字認識の精度は99.995%以上と高精度で、丸印で囲まれた数字や取り消し線で修正された数字や、運搬過程で生じた擦れや傷の入った複写式伝票でも問題なく読み取りが可能です。
人間より高速かつ自動で処理ができるため、作業時間を月間8,400時間短縮することに成功しました。
他にも、同社ではAI搭載の荷積みロボットの導入によって「物流2024年問題」や日本全体の働き手が不足する「2030年問題」といった課題への対応も進めています。
参照:
・ 佐川急便、1日100万枚の伝票入力をAIで自動化 約8400時間分の人力作業を削減 IT media NEWS
・佐川急便の配送伝票入力業務を自動化するAIシステムが本稼働 SGシステム株式会社
・働き手不足を解消する業界初「AI搭載荷積みロボット導入」への挑戦 佐川急便株式会社
パナソニックコネクト
パナソニックコネクトでは、自社の業務支援を目的に、OpenAIの大規模言語モデルをベースとした「ConnectAI」を開発しました。
「ConnectAI」は、自社の独自情報を学習させ、社員が自社情報を調べる際や戦略策定のための基礎データ作成時に活用できるようになっています。
開発過程では、公式に発表している情報だけを学習させるところから始め、正常に動作することを確認してから社外秘情報を学ばせるようにしました。
社外秘情報まで学習させて社員に提供することで、深い情報も「ConnectAI」から簡単に調べられるようにしています。
また、社員が的確なプロンプト(命令文)を「ConnectAI」に入力できるように、プロンプトを添削する機能も搭載されています。
「ConnectAI」の導入によって、社員の業務時間を18万6,000時間も削減することに成功しました。
参照:
・パナソニック コネクト 生成AI導入1年の実績と今後の活用構想 パナソニックホールディングス株式会社
・パナソニック コネクトのAIアシスタントサービス「ConnectAI」を自社特化AIへと深化 パナソニックホールディングス株式会社
西松建設
西松建設は、経済予測AIサービスの「xenoBrain」を導入し、資材費の価格変動予測の精度を高めています。
建設工事においては、見積から契約、発注・着工までの期間に見積時の金額から資材費が変動してしまうため、原価を正確に予測することが難しいという課題がありました。
そこで、従来は社内で行っていた価格変動の予測を、「xenoBrain」を活用することで、 価格に影響を及ぼす統計やニュースなども加味した予測が可能となり、精度の向上に成功しました。
参照:
・西松建設、経済特化生成AI『xenoBrain』で建設業界の物価変動を先読み 株式会社xenodatelab.
AIファーストの今後の展望

人口減少が進み、生産性向上が求められる日本においては、今後さらにAIファーストを取り入れる企業が増えていくことが見込まれます。それに伴って生成AIの市場規模は大きく拡大するでしょう。
総務省の「令和6年版情報通信白書」によると、2022年に90億ドルだった生成AIの市場規模は、2027年に1,200億ドルを突破すると予想されています。
5年間で12倍以上に拡大し、2027年には世界のノートPC市場(2023年時点)とほぼ同規模にまで成長すると考えられています。
そのため、AIをより広範囲に導入する企業は今後ますます増えていくでしょう。
参照:
・令和6年版情報通信白書 総務省
AIファーストを進める上での課題
最後にAIファーストを進める上での主な課題を2つ紹介します。
● AIを扱える人材の不足
それぞれ順番に見ていきましょう。
AIの誤回答のリスク
AIは常に正しく回答するわけではなく、間違った回答をもっともらしく答えてしまう、ハルシネーション(幻覚)と呼ばれる現象が起こる場合があります。
誤回答のリスクを減らすとともに、社内においては回答を鵜吞みにせず、ファクトチェックを行う体制作りが必要です。
例えば、カスタマーサポートなどにAIを導入する場合、金額などの重要なものは人間によって回答内容のチェックを行うといった体制の整備が求められます。
参照:
・「AIファースト」戦略を展開する企業にとって、より重要になる「クラウドストレージサービス」の採用 クラウドWatch
・Next GIGA→Beyond GIGA〜教育DXへ Vol.6 生成AI時代に求められる必須スキル「ファクトチェック」 RICOH
AIを扱える人材の不足
非IT部門においてもAIを導入し、業務の再構築を行っていく必要があることから、エンジニアでない人でもAIを扱うスキルを身につけていくことが求められます。
しかし、スキルを保有する人材が不足しているのが現状です。
独立行政法人情報処理推進機構の「DX動向2024」によると、多くの企業がDXに取り組まない理由として、DXに取り組むためのスキルや人材、知識不足を挙げています。
そのため、AIを使って業務に取り組めるだけのスキルを持った人材のニーズは高まっています。
参照:
・SaaS時代の終焉とAI主導のソフトウェア革命 akinobu.lens
・DX動向2024 独立行政法人情報処理推進機構
まとめ

今回は、AIファーストの意味や実践している国内企業の事例、今後の展望と課題について解説しました。
ChatGPTをはじめ、高性能な生成AIが次々に登場する中で、本格的にビジネスにAIが組み込まれるようになってきています。
特に大企業においては積極的に活用することで、業務効率化や新たな付加価値の創出に成功している企業もあります。
今後も導入が進むことが予想される一方で、AIを扱える人材が不足しており、多くの企業において人材確保が急務です。
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