経営管理に関する手法のひとつとして知られるCRM。
本記事では、CRMコンサルタントについて、特徴、仕事、スキルや経験、資格、主な業界、年収、求人をわかりやすく解説します。
近年ではテクノロジーの発展に伴い、CRMコンサルタントが活用するシステムも常にアップデートされています。
AI（人工知能）を用いたソリューションを的確に導入し、CRM全体の戦略に絡めて業務を遂行していくCRMコンサルタントの仕事について、早速みていきましょう。
目次
CRMコンサルタントとは？
CRMは顧客関係管理とも呼ばれ、基本的に、顧客との関係を良好にマネジメントすることを意味し、企業の利益を最大化へと導きます。
そして、この顧客関係管理を担うCRMコンサルタントとは、企業のCRMシステム導入立案から改善、最適化をリードし活用を支援する専門家のことです。
企業にマッチする最新技術やツールに関して助言を行い、顧客情報の収集から管理、分析、予測に至るまで、CRMプロセスを一貫してサポートする立場となります。
CRMコンサルタントの特徴
一般的には顧客満足度を向上させ関係性を維持するために最新のCRMソフトウェアにも精通している特徴があります。
CRMシステムや業務改善といったCRM全般に関する知識の専門家であることが前提となり、さらに以下の領域にも長けていることが特徴です。
- CX/UX（カスタマー／ユーザー・エクスペリエンス：顧客体験）改善
- 顧客関係構築
- CRMプロセス改善
- ビジネス戦略構築
- マーケティング、広報活動
- デジタル・トランスフォーメーション
- 営業活動の改善
- プロジェクト管理
- 高いコミュニケーション能力
CRMコンサルタントの仕事内容
CRMコンサルタントの仕事内容は、 CRMの観点から企業の課題解決や利益追求を行うことです。
一般的に、まずは予算や現状分析をもとにCRM戦略の策定やCRMシステムの選定を行います。
プロジェクト管理の他、関係社員のトレーニングや、フロー設計、システムの整理・サポートなど、
CRMコンサルタントの業務内容は多岐に渡ります。
CRMコンサルタントに必要なスキル・資格
CRMコンサルタントに必要なスキル
CRMコンサルタントに必要なスキルは顧客関係構築に関する能力ですが、特に高いコミュニケーション能力とプロジェクトマネジメント能力が重要となるでしょう。
プロジェクトを管理していく際、システム導入だけでなく戦略立案から実施、その後の改善に至るまで多くのメンバーと連携する必要があるためです。
また、マーケティングや広報領域の知識も必要です。
経営にも大きく関わる分野であり、顧客との関係を構築していく要でもあるため、CRMコンサルタントには欠かせない知識です。
さらに、システムを扱う上では開発スキルがあると尚更良いでしょう。
CRMコンサルタントに必要な資格
CRMコンサルタントになる上で必須となる資格は特にありませんが、SAPやSalesforce、その他CRMツールの認定資格の取得が推奨されている場合があります。
営業やマーケティング、広報経験者の方がCRMコンサルタントを目指す場合、各種CRMツールを扱う際にプログラミング言語の基礎知識があると業務効率が上がる可能性があります。
開発関連の基礎となる資格も取得しておくと、企業によっては有利に働くでしょう。
また、企業の経営側に立った視点で助言を行う場合、中小企業診断士や経営学修士のMBAを取得しておくのも良いでしょう。
ビジネスの豊富な経験に加えて、自身の方向性にあった専門的な資格を取得しておくことで、コンサルタントとして活躍する場が広がると言えます。
まずはどんなコンサルタントとして活躍したいかを定め、実際にビジネスや経営経験を積みながら、取得する資格を選んでいくのもひとつの方法です。
CRMコンサルタントの年収
CRMコンサルタントの年収は、一般的なコンサルタントの年収とほぼ同じで500万〜2,000万である場合が多いです。
もちろん勤続年収や役職によって変わります。
経験が浅い場合、500万円〜600万円前後からスタートし、昇進などを経てゆくゆくは1,000万以上を目指すことになるでしょう。
前職の年収をベースに決まる事が多いため、CRMコンサルタントを目指す人は、まずはCRMに関連する業務に挑戦し、ある程度経験値を重ねた後に年収交渉をすることもできます。
また、人手不足を補うためのAI活用が広がりを見せる中で、今後ますます業務改善が進むことが予測されます。
仮にAI導入がうまくいった場合、企業の人件費が下がり、コンサルタントの年収が下がる可能性があるとも言われていますが、ケースバイケースでしょう。
AIを含む新しいテクノロジーやシステムの導入により、企業利益が高まる場合も想定されるため、企業の顧客関係を良好に保つCRMコンサルタントの腕の見せ所となり、年収アップに繋がる場合も出てくると考えられます。
参考
【CRMコンサルタント】の転職・求人・中途採用情報│doda（デューダ）
CRMコンサルタントが活躍する企業や業界
CRMコンサルタントが活躍する企業や業界は多岐に渡りますが、例えば以下のような企業や業界で活躍を見ることができるでしょう。
- IT企業
- コンサルティング企業
- ソフトウェア企業
- マーケティング・広告業界
- 金融サービス業界
- リテール業界
具体的には、PwC、学研グループ、電通デジタル、アイレップ、オプト、ベルシステム、デロイト、NTTデータといった有名企業で、CRMコンサルタントがCXコンサルタントとしても活躍しているようです。
上記は代表例となりますが、規模がそれほど大きくない企業では、広報がCRMコンサルタントのような役割を担うケースもありますので、企業規模や経営方針によって変わってくると言えます。
CRMコンサルタントからのキャリア
CRMコンサルタントには、経営に関する知見だけでなく、ステークホルダーから顧客に至るまで幅広い層とのコミュニケーション力と、CRMツールを使いこなすスキルを持つ優秀な人材が多いものです。
そのようなCRMコンサルタントが才能をさらに活かすには、データ解析コンサルタントや戦略マーケティングコンサルタント等へ転職する道があります。
さらには、コンサルタントを卒業し、企業の経営側として招かれる可能性もあります。
あるいは、フリーランスとして独立したり、個人で起業したりする選択肢も選べるでしょう。
CRMツールに詳しいCRMコンサルタントの中には、プラットフォームに関する豊富な知識を活かし、ツールを開発する企業側へ転職するケースも十分に考えられます。
CRM業務を専門家の立場で一通り経験した後、自分がどの道に向いているかをよく考えて転職先を選ぶと良いと言えます。
CRMコンサルタント解説まとめ
これまでCRMコンサルタントについてご紹介しましたが、いかがでしたか。
CRMは顧客関係マネジメントや顧客戦略と呼ばれることもあり、フルタイムの正社員からフリーランスのCRMコンサルタントまで、多様な働き方があります。
CRM領域における基本的なデータ分析力と、高いプロジェクトマネジメント能力を最大限活かしたい人には、働く案件を自分で選択できるフリーランスCRMコンサルタントがおすすめです。
持続可能な社会の実現に向けたSDGsが注目される現代社会において、企業の社会貢献のあり方がCX（カスタマー・エクスペリエンス）や顧客満足度に影響するとも言われています。
企業の大事な顧客との関係性を保ち、高い視座から戦略を練り実践してくCRMコンサルタントはやりがいのある仕事のひとつであるとも考えられます。
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