本記事では、フリーランスが加入することができる健康保険の種類と内容について、分かりやすく解説します。
会社勤めをしていないと、全員が国民健康保険に入らなければならないと思っている方は必見です。
最後まで読むことで、フリーランスが加入することができる健康保険の選択肢が理解できるため、あなたの状況に合った最適な健康保険を選択することができるようになります。
会社から独立してフリーランスとしての一歩を踏み出そうと考えた時に気になるのが、健康保険の切り替え手続きですよね。
何も考えずに国民健康保険に切り替えてしまうと思わぬ損をしてしまう可能性があるため、本記事を読んで健康保険に関する知識をしっかりと身につけておきましょう。
目次
フリーランスと会社員の保険の違い
フリーランスが一般的に加入する国民健康保険と、会社員が加入する社会保険の大きな違いを表にまとめると次の通りです。
社会保険(会社員) | 国民健康保険(フリーランス) | |
健康保険 | ◯ | ◯ |
年金保険 | ◯ | ×(国民年金に加入) |
労働保険 | ◯ | × |
介護保険 | ◯ | × |
社会保険には厚生年金や雇用保険・労災保険といった労働保険、介護保険が含まれています。
一方で、国民健康保険には健康保険と国民年金保険のみが含まれていて、この表だけ見ると少し物足りない印象です。
国民健康保険は、社会保険に加入していない人に加入が義務付けられた国民皆保険制度を実現するための保険制度のため、医療に関連するリスクに対する保険のみを提供しています。
フリーランスが加入できる保険制度
フリーランスの方が加入できる保険制度は次の4つです。
- 国民健康保険
- 勤めていた会社の社会保険を任意継続
- 家族の社会保険の扶養家族になる
- 文芸美術国民健康保険組合
それぞれ詳しく解説します。
国民健康保険
会社を退職したら、退職日から原則14日以内に国民健康保険に加入することが必要です。
手続きはお住まいの市区町村で行う必要があり、必要なものは市区町村によって若干異なります。
そのため、詳細は手続きを行う自治体に確認をすることをおすすめしますが、概ね以下の書類を提出することで切り替え可能です。
- 資格喪失証明書(健康保険の資格喪失日がわかる離職票や退職証明書など)
- マイナンバー(個人番号)が確認できるもの
- 身分証明書
これに加えて保険料の支払いが口座振替に対応している自治体では、キャッシュカードや銀行印も必要になります。
納付する保険料は市町村によって異なりますが、前年度の所得をベースに算定されるため、前年まで会社勤めをされていた方は一定額の納付が発生します。
また、国民健康保険への切り替え手続きをする際は、併せて国民年金への加入手続きも済ませておくとよいでしょう。
国民年金への加入手続きは基礎年金番号がわかる書類を持参すれば手続き可能です。
勤めていた会社の社会保険を任意継続
勤めていた会社の社会保険を任意継続制度によって、一定期間継続することも可能です。
社会保険を任意継続するには次の2つの条件を満たす必要があります。
- 健康保険の資格喪失日の前日までに被保険者期間が継続して2ヶ月以上あること
- 健康保険の資格喪失日から20日以内に「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出すること(20日目が土日祝日の場合は翌営業日まで・郵送必着)
社会保険を任意継続することで、一定の要件を満たす家族を被扶養者として引き続き保険加入させることができます。
保険料は任意継続中の2年間は原則変わることはありませんが、在職中は会社と折半していた保険料が全て自己負担となるため、在職中よりも支払う保険料は高くなります。
2年間の任意継続保険者期間期間終了後は、国民健康保険に加入するなどの対応が必要です。
家族の社会保険の扶養家族になる
社会保険に加入している家族等がいる場合、その被扶養者として社会保険に加入することができます。
原則として被保険者の直系尊属や配偶者、子、孫、兄弟姉妹で主として被保険者に生計を維持されている人が被扶養者になることができます。
また、被扶養者になるには年収制限があり、原則として次の2つの要件を満たすことが必要です。
- 年間収入が130万円未満
- 被保険者の年間収入の2分の1未満
被扶養者になることで、被保険者分の保険料で自分も社会保険による保険給付を受けることができます。
収入基準や家族が社会保険の被保険者であることなど要件はありますが、新たに保険料の支払いが発生しないため、フリーランスとしての稼ぎがまだ少ないうちは検討の余地ありです。
また、社会保険の被扶養者になるための収入要件は、所得税法上の扶養家族(配偶者控除)の基準と混同されやすいですが、両者は別の制度で収入基準も異なります。
文芸美術国民健康保険組合
フリーランスのITエンジニアの中でもWebデザインなど芸術領域に関する活動を行っている場合には、文芸美術国民健康保険組合に加入することができます。
文芸美術国民健康保険組合では、加入すると収入に関わらず毎月の保険料が一律24,800円です。
既にフリーランスとして大きく稼いでいる場合は、国民健康保険では収入に応じて保険料が上がってしまうため、保険料が一律なのは大きなメリットになります。
文芸美術国民健康保険組合に加入するには、組合に加入している団体の会員になる必要があるため、業種が限られてしまいますが、関連する領域での活動を持っている場合は、検討の余地が十分にあるものです。
扶養家族がいる場合の保険はどうなる?
フリーランスとして働く場合、前章で紹介したいずれかの保険に加入する必要があります。
本章では、これまで勤めてきた会社の社会保険を利用して、家族を被扶養者としていた場合、フリーランスに転身することでどのような選択肢があるのかを解説します。
国民健康保険は扶養がない
フリーランスになって国民健康保険に加入した場合、国民健康保険には扶養という概念がないため、世帯全員が国民健康保険に加入し、保険料(国民健康保険税)を納付する必要があります。
また、国民健康保険料の納付義務者は世帯主となるため、世帯全員分の保険料を世帯主がまとめて納付しなければなりません。
国民健康保険料の所得割については、前年の所得を基に算出されるため、会社を辞めてフリーランスになり収入が低下した場合であっても、保険料は会社員時代の所得をベースとして計算されます。
フリーランスになってから保険料の支払いに慌てることのないように、このようなことも知っておくとよいでしょう。
任意継続をして扶養を続ける
これまで勤めていた会社の社会保険を任意継続被保険者として加入し続けるのであれば、家族についても被扶養者として引き続き加入させることができます。
任意継続被保険者となることで、これまで会社が負担していた分の保険料を支払う必要がありますが、扶養家族が多い場合は世帯全員の国民健康保険料を支払うより安い場合があります。
社会保険の任意継続被保険者が家族を被扶養者として加入させる際の要件は、通常の被保険者が家族を被扶養者として加入させる際と大きく変わりません。
フリーランスは保険料を免除できる?
フリーランスであることを理由に保険料免除という制度はありませんが、災害や仕事の減少などによって、一定基準以下の所得である場合には2割から7割の国民健康保険料が軽減される制度があります。
軽減を受けるには、市役所・区役所への申請手続きが必要で、世帯全員の所得が一定基準を下回る必要があります。
また、社会保険料については、基本的に会社に勤めている方が加入する保険であるため、産休中などの場合にしか免除の制度はありません。
まとめ
今回はフリーランスの方が加入できる健康保険制度について解説しました。
本記事を読むまでは、会社員は社会保険、フリーランスは国民健康保険と認識している方も多かったのではないでしょうか。
フリーランスの方にも保険の選択肢はいくつかあるので、扶養している家族がいるなどの事情があっても最適な保険を選ぶことができます。
フリーランスとして働くための準備が整ったら早速案件を探して仕事を獲得しましょう。
参考
国民健康保険制度 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
全国健康保険協会 (kyoukaikenpo.or.jp)
文芸美術国民健康保険組合とは | 文芸美術国民健康保険組合の概要 | 文芸美術国民健康保険組合 (bunbi.com)
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