予期せぬ疫病や自然災害が多発する近年、サプライチェーンが重要視されています。
それに伴い、SCMコンサルタントの需要も上がってきているのをご存知でしょうか。
本記事では、SCMコンサルタントの概要や仕事内容、年収、将来性について解説します。
目次
SCMコンサルタントの概要
SCMとは
SCMとは、サプライチェーン・マネジメントの頭文字をとった言葉です。
一般的にサプライチェーンとは、ある製品を作る時に必要となる原材料や部品の調達、製造、販売、消費に至るまでの一連の流れのことです。
SCMではそのサプライチェーンをマネジメント、つまり管理することが根本の目的です。
主にSCMシステムを用いて管理されることが多いです。
日本では、2000年代を超えてから構築が進みつつあります。
SCMコンサルタントとは
サプライチェーンの一連の流れを見通してより効率的そして最適に管理するため、必要な知識をもってシステムの提案や運用を行うのがSCMコンサルタントです。
数あるSCMシステムの知見を持ち合わせている必要があり、性能面やコスト面を見通して企業に適したシステムを提案し、収益につなげたり課題解決を図ったりします。
SCM導入のメリット・デメリット
メリット
①業務全体が効率化される
SCMが扱う業務は広義にわたります。
そのため、SCMを導入することで、物流の流れ全体可視化し、効率よく業務を進めることができます。
その結果生産性向上につながり、これまで以上の業務量をこなすことが出来るようになります。
②トラブルを回避できる
また、トラブルを未然に防ぐことも有効視されています。
SCMを導入することで、納品の遅延を回避したり原料不足などを発見することができるなど、トラブル回避が期待できるでしょう。
デメリット
SCM導入の1番のデメリットは、導入金額が高いというところです。
費用対効果を考えるとまともな金額と言えますが、全体的にSCMの金額が高いことがデメリットでしょう。
そのため、導入の際にはSCMコンサルタントを起用したり、様々な製品を比べたりして、見極めを正確に行うようにしましょう。
SCMコンサルタントの仕事内容
SCMコンサルタントの仕事内容を、コンサルティングを担当する企業が決まった後の順序に沿って解説します。
①現状調査→課題発掘→分析
まずは、企業のサプライチェーンの実態を把握する必要があります。
企業が認識している課題をヒアリングし、その課題に対する調査や分析をしたり、他の潜在課題があればその抽出をしたりします。
このフェーズが後の考案にとても響いてくるので、現状調査と課題発掘は念入りに行います。
主な課題の例として、在庫やコストの過剰や各工程間の連携の不足等が挙げられます。
②課題解決策の立案
①の分析結果を元に、課題をどのように解決するか、そして最終的にはどのような形を目指すかを、顧客へのヒアリングを繰り返しながら策定してきます。
ヒアリングした内容に基づいて、顧客の要望をなるべく近い形に落とし込めるツールの提案などを行います。
③SCMの企画・設計→導入
SCMシステムで叶えられることを企画し、使用するツールや機能を抜粋して設計します。
それらをまとめた資料を顧客へ提示し、同意後に開発を進めます。
最終的に、このフェーズでは導入支援を行います。
開発のフェーズからは、実作業は開発チームに任せ、SCMコンサルタントは顧客との窓口となる場合もあります。
④稼働支援→保守
システムには障害がつきものです。稼働後のトラブルの対応や管理を行います。
SCMコンサルタントの年収
SCMコンサルタントの年収の相場は幅広く、500万円台から1000万円以上です。
その一番の理由として、SCMコンサルタントの業務範囲が幅広いことが考えられます。
プロジェクトの立ち上げからシステムのリリース、さらには保守まで関わる場合があります。
そのため、どのフェーズでどの程度関わるかによって報酬に差が出てくるようです。
全てのフェーズを通しての平均年収は800万円後半と言われています。
参考
【SCMコンサルタント】の転職・求人・中途採用情報│doda(デューダ)
SCMコンサルタントの将来性
SCMコンサルタントの需要は、SCMそのものの需要と関係しています。
世界では、いつ何時に何が起こるかわかりません。
そんな予測不可能な事態に対して柔軟に対応するには、SCMが不可欠です。
最近では、新型コロナウイルスの流行が予測不能な事態として挙げられます。
新型コロナウイルスの影響で、部品調達の連携が希薄になっていた企業は、納品に遅延が発生し、発注中止や販売停止等の対応をとった企業もありました。
しかし、SCMを強固に行っていた企業は遅延を最小限に抑え、消費者に不安を持たせることなくスムーズに納品ができていました。
企業の担当者では知識が薄く、完全に強固なSCMを作るのは困難でしょう。
そこで活躍するのがSCMコンサルタントです。
新型コロナウイルス流行によってSCMの大切さが再認識された今、SCMコンサルタントの需要も高まっています。
今後も、不測の事態に備えるため、SCM及びSCMコンサルタントの需要増加が期待できます。
SCMコンサルタントになるには
SCMコンサルタントになるには、どのようなスキルが必要でしょうか、またどのような人が向いているのでしょうか。
必要なスキル・知識
前提として、SCMコンサルタントは主に流通業、製造業にて求められる、専門性が高い職種です。
そのため、サプライチェーンや各種マネジメントに関する知識はもちろんのこと、流通業や製造業の業界に関する知識も持ち合わせている必要があります。
それに加えて、SCMシステムに関する幅広いツールの知識やITの知識、導入支援や運用経験があればより信頼を得られるでしょう。
そして、何よりもSCMコンサルタントはチームの中心となってプロジェクトの開始時期から顧客と会話を密にしていくことになります。
そのため、コミュニケーション能力やチームでの協力体制を雰囲気良く構築できる力があると望ましいです。
上記を含めて、SCMコンサルタントになるには製造業・流通業に関する最新のITのツールの習得、様々な企業に合ったSCMを提案できるようなツールに関する情報に日ごろからアンテナを張っておくことが望ましいでしょう。
向いている人
SCMコンサルタントに向いている人は以下のような人です。
- 流通業や製造業が抱えるサプライチェーンに関する課題に対し、向上心をもって向き合える人
- SCMシステムに興味があり、常に最新機能にアンテナを張れる人
- チームでの課題解決において、常に全体像を見渡しながらチームをファシリテートできる人
上記3つのポイントに当てはまる人は、SCMコンサルタントに向いているでしょう。
まとめ
本記事では、SCMコンサルタントの概要や仕事内容、年収や将来性、SCMコンサルタントになる方法や向いている人を説明しました。
SCMコンサルタントは、数あるSCMシステムの知見を持ち合わせ、性能面やコスト面を見通して企業に合ったシステムを提案し、収益につなげたり課題解決を図ったりします。
SCMの需要が高まる今、今後のSCMコンサルタントの将来性も明るいと言えるでしょう。
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