DXで鉄道の未来を築く!JR東日本・西日本の具体事例5選を紹介

新型コロナウイルスの拡大等による利用者減や、人口減少に伴った人材不足など、現在の鉄道業界は様々な問題に直面しています。

これらの問題を新たな付加価値の提供と業務効率化で解決するために、JR東日本・JR西日本ではデータマーケティングやデータ分析など、鉄道業界のDXを多方面で推進しています。

DXの具体的な事例は以下のとおりです。

 Suicaを活用した人流分析「駅カルテ」
 「tabiwa by WESTER」による地域観光の活性化
 鉄道版生成AIの開発と活用
 架線設備における工事・メンテナンス業務のDX推進
 AIを活用した復旧対応支援

ここからは、これら具体事例について一つずつ詳しく解説していきます。

参照:
「ロボットからオンライン決済まで、DXが引き出す鉄道の底力」株式会社 日経BP 日経クロステック
「グループ経営ビジョン「変革 2027」について 」東日本旅客鉄道株式会社

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Suicaを活用した人流分析「駅カルテ」

JR東日本は、交通系ICカード「Suica」の利用データを活用して、「駅カルテ」として駅利用者の統計等を提供するマーケティングサービスを行っています。

Suicaは日本全国で約9,200万枚が発行され、多くの人に利用されている交通系ICカードです。

この膨大なSuicaの利用データを基に、駅カルテでは駅ごとの利用実績を月次・年次でレポート化します。

レポートでは利用者の性別や年齢、通勤・通学のパターンや滞在時間などが分析されており、駅利用状況の変化やトレンドを把握することが可能です。

例えば3つの駅がある自治体では、駅カルテでそれぞれの駅の利用状況や、最近の伸び率を分析し、再開発の優先順位を決定しました。

また小売り・商業施設では、新規出店計画を検討する中で、出店候補地の商圏分析や需要予測などに駅カルテを活用した事例もあります。

駅カルテの正確なデータは、ビジネス戦略や計画策定の精度を高められるため、今後も多くの分野での利用が期待されています。

参照:
「駅カルテとは」東日本旅客鉄道株式会社
「Suica 統計情報の定型レポート「駅カルテ」について~Suica ビッグデータの更なる活用を目指します~」東日本旅客鉄道株式会社
「Suicaデータを使った「実態が正確につかめる」人流解析サービス」株式会社ダイヤモンド社 DIAMOND online
「Suicaの統計レポート「駅カルテ」に注目する理由 JR東日本の首都圏約600駅のビッグデータ提供」株式会社東洋経済新報社 東洋経済ONLINE
「新卒採用・インターンシップ」東日本旅客鉄道株式会社

「tabiwa by WESTER」による地域観光の活性化

「tabiwa by WESTER」はデジタル技術を活用して観光の利便性を向上させ、地域観光の活性化を図る、JR西日本が提供する観光DXプラットフォームです。

tabiwa by WESTERはデジタルチケットAIプランナーといった機能を備え、観光者にとってシームレスな旅行体験を提供します。

このプラットフォームはJR西日本が抱えるチケットレス化や観光地へのアクセス向上だけでなく、地域全体の観光産業のデジタル化にも寄与しています。

例えば鳥取県東部共通パスの実証実験では、JRと私鉄などが相互に利用できるデジタルチケットが提供され、公共交通の利便性が向上。

これにより観光客が効率的に地域を巡り、多くの観光スポットを訪れることができるようになりました。

このようにtabiwa by WESTERはデジタル技術を通して観光地と公共交通機関の利用をシームレスにし、観光地での消費と回遊を促進する強力なツールです。

そしてこのプラットフォームは地域観光の魅力を引き出し、観光客にとって便利で楽しい旅を提供することで、地域経済の活性化に貢献しています。

参照:
「観光DXプラットフォーム「tabiwa by WESTER」」西日本旅客鉄道株式会社
「観光ナビ「tabiwa by WESTER」」西日本旅客鉄道株式会社

コンタクトアースマッチング公式サイト

鉄道版生成AIの開発と活用

JR東日本は業務効率化とデジタル技術活用の推進を目指し、鉄道業界に特化した生成AIシステムを内製開発しています。

JR東日本はグループ経営ビジョン「変革2027」に基づき、デジタル技術を活用した業務変革(DX)を加速させることを掲げており、鉄道版生成AIの開発もその一環です。

鉄道版生成AIはJR東日本の業務内容に特化した知識を持つAIであり、社内文書に基づいた正確な回答を生成するRAG(検索拡張生成)技術を活用しています。

この技術により一般的な生成AIでは対応できない鉄道固有の業務や、専門用語に関する質問にも的確に回答することが可能です。

この生成AIを活用することでJR東日本は、設計図面の作成や法令との整合性の確認、工事に必要な設備や部材の抽出など複雑な業務の自動化・効率化を目指しています。

さらにAIの活用はエンジニア不足に対応する手段としても期待されており、業界全体の人手不足の解消にも寄与することが見込まれています。

業務の自動化・効率化推進とエンジニア不足解消への貢献を通して、鉄道版生成AIは鉄道業界全体の技術革新と持続可能な発展の立役者となるでしょう。

参照:
「生成 AI チャットの全社員展開及び生成 AI の内製開発について」東日本旅客鉄道株式会社
「JR東日本、「鉄道版生成AI」など独自開発へ」株式会社インプレス Impress Watch
「JR東日本が「鉄道版」開発着手、生成AIどう使う?」株式会社 日刊工業新聞社 ニュースイッチ

架線設備における工事・メンテナンス業務のDX推進

JR東日本は、架線設備の工事およびメンテナンス業務でDXを推進するため、3DレーザースキャナーやAIなどの先端技術を活用し、業務の効率化と安全性の向上を目指しています。

架線設備とは列車に電力を供給するためのトロリ線や、それを支える支持部材などの構造物であり、これらの設備は精密な設計と定期的なメンテナンスが欠かせません。

従来の工事やメンテナンス作業は多くの時間と人手を要し、夜間作業が中心でしたが、労働人口の減少や働き方改革の観点から、これらの業務を効率化する必要がありました。

この課題に対応するために、JR東日本は3Dレーザースキャナーを活用した点群データの取得や、BIM(Building Information Modeling)モデルの導入を進めています。

この技術によって現地の測量データをデジタル化することができ、PC上での計測や設計が可能となります。

工事計画の変更に際しても再度の現地調査が不要になるなど、大幅な効率化が図られます。

さらにメンテナンス業務においても、カメラとセンサーによる「架線設備モニタリング」により、従来の目視検査に代わる精密な状態確認が可能となりました。

これにより夜間作業の削減と検査頻度の増加が実現されるだけでなく、今後はAIを活用した画像スクリーニングの導入により、生産性のさらなる向上が期待されています。

このような最新デジタル技術の活用は工事計画の精度向上やメンテナンス作業の効率化を実現するだけでなく、将来の労働人口減少に対応するための基盤となるでしょう。

参照:
「鉄道電気設備設計の DX 推進を加速します」東日本旅客鉄道株式会社
「架線設備における工事・メンテナンス業務の DX 推進」東日本旅客鉄道株式会社
「3次元計測データ処理ソフトウェア「Railway-Eye」の共同開発および一般販売について~鉄道設備計測・設計の DX を推進します~」東日本旅客鉄道株式会社  株式会社富士テクニカルリサーチ

AIを活用した復旧対応支援

鉄道設備の障害発生時、復旧時間を大幅に短縮するために、JR東日本と日立製作所はAIを活用した復旧対応支援システムを共同開発しました。

このシステムの導入により、障害原因の特定と復旧指示が迅速に行われ、鉄道輸送の安全性と信頼性が向上します。

鉄道設備で障害が発生した時、迅速な復旧対応は鉄道事業者にとって非常に重要です。

そんな状況に対して従来は、復旧には指令員の経験と知識に依存する部分が大きく、特に稀な事象や複雑な障害に対しては復旧までに多くの時間がかかることがありました。

対して復旧対応支援システムでは過去の障害対応記録をAIが分析し、指令員が入力した障害情報に基づいて、類似する過去の事象を迅速に判定・提示することが可能になりました。

経験や知識だけでは見落としがちな稀な事象についても、AIが自動的に類似性を判断し対応策を提示してくれます。

実際に2020年からの実証実験では、従来約2時間を要していた復旧作業がシステム導入により約1時間に短縮されるなど、約50%の復旧時間短縮が確認されました。

この成果を受けて支援システムは、2023年4月から山手線をはじめとする首都圏在来線で運用が開始され、鉄道輸送の安全性と効率性の向上を実現しています。

 参照:
「JR東日本と、AIを活用した鉄道設備の復旧対応支援システムを実用化」株式会社日立製作所

「日立とJR東日本、AIを活用した鉄道設備の復旧対応支援システムを実用化」株式会社アイスマイリー AIsmiley

まとめ

ここまで鉄道業界におけるDX推進の具体例として、JR東日本と西日本が取り組む5つの事例を紹介しました。

鉄道利用者の減少や労働力不足といった課題に対し、これらの事例は新たな価値提供と業務効率化を通じて、鉄道業界の持続可能な発展に貢献しています。

このことから鉄道業界のDX推進は、利用者にとっても鉄道事業者にとっても、持続可能な未来を実現するための鍵と言えるでしょう。

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