日本を支える中小企業。
そんな中小企業で、あっと驚くDXを成功させた企業を紹介します。
また、中小企業がDX推進を行うときの課題や、DX化によるメリットも解説します。
中小企業DX成功事例7選
中小企業のDXの成功事例7選を紹介します。
経済産業省が中小企業におけるDXの優良事例として公表した、「DXセレクション2023」の中で選定された企業のDX事例も紹介します。
【フジワラテクノアート】外部に委託せず、自社にてスピードDX推進
フジワラテクノアートは、醤油や味噌、日本酒等の醸造食品を製造する機械・プラントメーカーです。
フジワラテクノアートでは、醸造を起点に微生物を活用する産業分野を共創する、というビジョンを実現すべく、業務効率化や、データの見える化・活用を行うデジタル化推進計画を策定しました。
さらに部門を横断したDX推進委員会を立ち上げ、フルオーダメイドにてものづくりを高度化させるにはどうすべきかを議論しました。
こういった取り組みによって、自主的にIT関連の学習をする社員が増え、デジタル人財内製化に成功しました。
さらに適材適所に多様なデジタル人材を配置することで、自社内でDXを推進することに成功しました。
その他にも、業務プロセス改善・効率化や、リアルタイムデータの可視化、紙の削減等数々の課題を解決し、3年間で21システム・ツールを導入しました。
このスピード感をもった対策と実践の事例は、DXセレクション2023でグランプリとして選ばれました。
【土屋合成】DXによって省力化を実現
土屋合成は、プラスチック製品製造業を手掛ける群馬県の会社です。
DXの活用によって「省力化」の仕組みを実現しました。
土屋合成では、24時間365日絶え間なく動き続けるノンストップの生産管理システムを自社で開発しており、リアルタイムで材料の入出庫の管理をし、加工後の製品の取り出し等もロボットによる自動化を実現しています。
これらの原料入荷から生産、出荷までの管理をシステムで一括で行うことにより、作業員の安全確保や、品質の安定、簡易な人為ミスを回避することに成功しました。
省力化が実現されることで、無駄な作業に費やす時間が削減でき、人件費やコスト削減に効果が出ました。
この働き方改革と365日24時間連続操業の両立に向けたデジタル活用の事例は、DXセレクション2023で準グランプリとして選ばれました。
【株式会社木幡計器製作所】自社の研究ノウハウを活かしてDXを測る製品を開発
圧力計測等の制御機器のメーカーである株式会社木幡計器製作所は、自社の圧力計測技術の研究ノウハウを活かして、機械式計器をDX化できる、「後付IoTセンサユニット」を発売しました。
工場の検針として使用されている機械式計器ですが、点検作業が危険であったり、検針の読み取りミスが多かったりすることが課題としてありました。
そこで、既存で利用されている機器に「後付けができる」、「誰でも簡単に」という点に目を向け、製品の開発に注力しました。
その結果、IT技術がない人でも簡単に自分の手で取り付けができ、デジタルで機器の状況を可視化できる専用のソフトを作ることで、後からでも機械式計器の遠隔にてモニタリングができるようになりました。
この、技術を持たない人でも簡単にメンテナンスやモニタリングができる発想や技術を、今後は医療分野などにも適用していくことが期待できます。
【ユニメイト】 AIエンジンを独自開発して発注の無駄を削減
ユニメイトは、撮影した画像からユニフォームのサイズを導き出し、その人に合った服をレンタできるルサービス「AI×R Tailor（エアテイラー）」を提供しています。
webアプリを使用して、画像データと身長・体重・年齢・性別等の基本データを入力すると、AIが身体寸法の解析を行い適切なサイズを提案するという流れです。
このAIは、画像認識を活用しており、自動採寸ができるようAIエンジンを独自開発して作りました。
従業員の作業服などのレンタルにも広く使われており、サイズが分かった上で発注することで、廃棄数と無駄な発注数、在庫数の削減の実現に繋がることが期待できます。
実際に採寸しなくても良い、時間や場所を気にせずに利用できることから、注目が集まっているサービスです。
【池田食品株式会社】クラウドシステムを活用して各種数値を見える化するDXを実現
札幌市にある、お菓子等の製造・直営店販売を行う池田食品は、データ活用に力を入れていなかったため、在庫や発注に関わる各種数値の把握に時間を要していました。
そこで、販売管理と生産管理を一体として管理するクラウド型の基幹システムを導入しました。
基幹システムで管理したデータを元に、売上分析、請求・入金分析、仕入分析できるBIツールも導入しました。
さらに、データの出所である店舗でも売上情報をいち早く確認できるよう、クラウド型POSレジを導入しました。
このように、アナログで作業していた工程を徹底的に洗い出し、クラウド管理に移行させることで、職員の業務の効率化だけでなく、在庫ロスによる大幅なコスト削減を達成しました。
また、クラウドサービスを活用しているため、立案から構築までの時間がスムーズにできること、システムの利用を早く開始できること、システムのメンテナンスが容易であることもメリットとしてあります。
【株式会社陣屋】自社でのシステム開発経験を活かし、地域型DXを実現
旅館業に加えて、旅館の経営改革と地方創生に貢献する事業を展開する陣屋グループでは、自社の経営を立て直した経験をもとに、ホテル・旅館情報管理システムを自社で開発しました。
そのシステム構築で培ったノウハウを活かして、地域全体を活性化させ、DXを推進するための地域観光DXプラットフォームである「里山コネクト」 を提供しています。
里山コネクトは、主にその地域の宿や飲食店、アクティビティ等の情報をまとめたもので、予約受付・販売等も一挙に行うことができるプラットフォームです。
このプラットフォームを通して利用された施設やお店のデータ等を分析して、地域売上分析や顧客分析などを行い、集客や新たなイベント作りのきっかけになります。
地域が直接、観光客とプラットフォームを通じて繋がれるため、観光客にとっても情報収集が容易であり、地域にとっても地域の魅力を絞ってアピールしやすいため、注目されています。
また、初期費用や固定費用が無料であることからも、利用する地域が増えてきています。
【互信ホールディングス株式会社】クラウド化DXにより、ドライバーの負担軽減
タクシー事業や自動車整備業を行う互信ホールディングスは、観光タクシー事業において、属人化が進んでいること、運転手の勤怠や日報等の労務に関する業務管理に一貫性がないこと等の課題を抱えていました。
そこで、Web業務管理システムを開発し、帳票配付・作成の効率化を図りました。
運行予定表や日報をシステム上で報告できるようになり、常に事務所にいないドライバーへの負担削減になりました。
また、売上計算も容易になったため、総務課や経理課の業務効率化にもつながりました。
観光タクシー事業のクラウド化により、業務を効率よく回すことに成功し、運行管理業務の生産性向上を図りました。
中小企業のDX推進課題
中小企業は、大企業と比べて大規模なシステムを導入することに抵抗がある企業が多いです。
その理由として、以下の理由が考えられます。
- 社内のITに関する有識者が少ない
- システムにかけられる予算の枠が狭い
- 根付いている企業文化を変えられない
中小企業のDX推進のメリット
これらの課題をバネにして、解決策を考えてみましょう。
さらに、これらの課題の裏側に隠れているメリットも解説します。
- 社内のITに関する有識者が少ない
少人数からでも、有識者の育成を行うといいでしょう。
最新技術を獲得でき、新たなDX人材の育成にもつながります。 - システムにかける予算の枠が狭い
システム構築を容易にできるクラウド型のシステムを導入すると、初期費用は抑えられることが多いです。
また、システム立案から利用開始までの期間もスムーズの為、クラウドサービスを活用する企業が多いです。 - 根付いている企業文化を変えられない
この課題こそが、中小企業のDX推進が必要な理由です。
属人化したアナログな方法で守っていくには限界があります。
この文化を守っていくためにも、データを上手く活用して、後継者に容易に技術を引き継ぐ必要があります。
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まとめ
本記事では、中小企業のDX成功事例を7選挙げて紹介しました。
また、中小企業がDX推進を行うときの課題や、DX化によるメリットも解説しました。
一従業員の小さな発見、発想が大きな技術革命やDX化に貢献できる中小企業のDX。
そんな夢に溢れたDX化に興味がある方は、本記事を参考にしてみてください。
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