農業分野へのAI技術導入事例を紹介!メリットや今後の課題とは?

近年、農業分野でもAI(人工知能)技術の導入が進んでおり、生産性向上や効率化に大きな貢献をしています。

AI導入によって、栽培管理の自動化や大型農機の自動運転など、農業生産における多岐に渡る課題解決の手段となる可能性があります。

しかし、AIの導入には費用や技術的な課題も存在します。

本記事では、農業分野へのAI技術導入の具体的な事例や、今後の課題について詳しく解説していきます。

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農業へのAI導入事例を紹介

現在、日本の農業は高齢化や後継者不足により、人手不足が深刻な問題となっています。

この課題の解決方法として注目されているのが、AI(人工知能)技術を農業に導入する取り組みです。

ここでは、具体的な農業へのAI導入事例を5つ紹介します。

「AI技術を活用した玉葱選別施設を開設」JAふらの

令和2年度産地生産基盤パワーアップ事業を活用して、富良野市南扇山に玉葱選別施設が建設されました。

新設された玉葱選別施設では、JA管内の玉葱選別出荷体制を改善するため、最新のAI技術を用いたカメラを導入し、選果精度を向上させるとともに、外部品質・内部品質の均一化を図りました。

なお、新施設の床面積は6232.68平方㍍です。

これによって、JAふらのブランドの強化を実現し、選果コストの削減と農家経営所得の増大を目指します。

新設された玉葱選別施設は、令和5年産の玉葱選別に向けての稼働が予定されています。

この施設を通じて、より効率的な玉葱の選別作業が実現され、地元農家の生産力向上に寄与することが期待されます。

「ドローンやロボットによる省力化を目指す」佐賀県スマート農業推進

佐賀県では、スマート農業を推進するために、ドローンやロボットによる労働力の省力化を目指しています。

これは、農業生産における労働力不足や高齢化の問題を解決し、生産性を向上させるための取り組みです。

佐賀県では、農業従事者の高齢化や減少により、耕作地の管理や維持が課題となっていました。

この課題の解決のため、農業の経験や知識に関わらず、農業に従事しやすい環境を整える取り組みが推進されています。

その一環として、ドローンやロボットによる省力化を目指す取り組みが実施されていま

生産量の多い玉ねぎやキャベツ栽培では、作物の生育状況や病害虫の発生状況の把握、収穫作業の効率化のため、生育予測システムや、無人仕様のトラクタを導入しています。

さらに、ICT(情報通信技術)の活用もスマート農業の一環として進められており、農家や農業関連機関の間で情報を共有すれば、効率的な農業経営が実現するでしょう。

佐賀県のスマート農業推進は、農業生産の効率化や持続可能性の向上に向けた重要な取り組みです。

ドローンやロボット、ICTといった技術を活用して省力化を実現することで、持続可能な農業を目指しています。

「農業生育モニタリングシステム」キヤノン

キヤノンは、同社が長年培ってきたイメージング技術を使って、農業生育モニタリングシステム「GM-1」を開発しました。

このシステムの特徴は、作物の画像から葉の色や茎の数、草丈などを自動で計測し、作物の生育状況が計測できることです。

例えば、水田にこのシステムを設置すると、毎日稲の撮影とクラウドへの自動アップロードが行われ、取得した画像は独自のAIで診断されます。

従来は手作業で行っていた作物の計測作業が自動化されるため、作業効率が大幅に改善されます。

また、画像データを統計的に解析することで、安定性の高い解析が可能です。

データを蓄積することで過去データとの比較もできるため、作物の適切な栽培管理や新品種開発、気候変動への備えにも役立つでしょう。

毎日データ化される生育指標をもとに、栽培条件の違いや品種による生育状況の違いを検証し、水稲栽培の実用化を進めると同時に、他の作物への展開も考えていきたいとしています。

「遠隔営農支援プロジェクト」国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構と東日本電信電話株式会社、株式会社NTTアグリテクノロジーの3者は2020年2月に連携協定を締結しました。

地域農業の発展や食の安定供給に貢献するために、生産性向上や省力化、リスク低減を実現するプロジェクトを共同で進めています

農業生産の現場では、様々な作物と環境条件、市況などを考慮した正確な判断が重要です。

しかし、ベテランの生産者が減少し、高齢化も進んでいるため、技術の継承や指導にかかる労力は大きな問題となっています。

そのため、品種特性や栽培技術に詳しい専門家が、遠隔地から効率的かつ効果的に農業を支援する新しい仕組みの構築に期待が高まっています。

将来的には、この仕組みがデータやAIを活用して、「新たな社会実装ツール」として現場に最新技術を伝えることで、新規参入や定着が期待されています。

「ロボット田植え機」北埼玉スマート農業研究会

埼玉県の加須、行田、羽生、鴻巣の農業生産者が加入する「北埼玉スマート農業研究会」は、AIを活用したロボット田植え機を使用し、無人田植えの実演会を開催しました。

使用されたロボットは、クボタ製の「アグリロボNW8SA(無人仕様)」です。

このロボットは、障害物センサーとGPSにより、位置を補正する機能を持っています。

凹凸のある水田内でも5〜10㎝の誤差内で田植えが可能です。

加須市おおや農園における無人田植え機の実証実験では、手作業による田植えよりも植え始めの位置が揃っており、1ヘクタールあたりの労働時間が57%減少する結果が出ています。

従来、田植えには多くの労働力が必要でしたが、導入されたロボット田植え機によって疲労度が大幅に減少するという効果が確認されました。

「ドローンとAIでトマトの受粉」日本工業大

日本工業大学では「人の手を介さない農業」を目標に、AIがトマトの受粉に最適な時期の花を見つけ、ドローンを使用して受粉を行う研究に取り組んでいます。

この研究で課題となったのは、これまで農家の勘で受粉時期を判断していた基準を明確にすることと、トマトの受粉に適したドローンを開発することです。

受粉のタイミングは、70%以上の確率で実がなることを確認できるように、受粉に適した時期の花の写真をAIに学習させ、AIカメラをドローンに搭載し、枝葉に引っかからない形状のドローンを開発しました。

これにより、枝葉にぶつかり墜落することなく、トマトの受粉が可能となり、生産性の向上が見込まれています。

今後は、機械だけで作物の収穫まで完了できる、スマートな農業の確立を目指しています。

「AI潅水施肥システム」ゼロアグリと壱岐市

株式会社ルートレック・ネットワークスが提供するAI潅水施肥システム「ゼロアグリ」は長崎県壱岐市の取り組みです。

ゼロアグリは、日射量と土壌水分を制御し、作物の蒸散量を推定して最適な潅水量を決定することができるシステムです。

必要な時に必要な量だけ潅水する少量多潅水を実現することができ、液肥濃度も自動で調整することができます。

このゼロアグリの特長を活かして、壱岐市では水や栄養を適切に供給することが重要なアスパラガスの栽培に取り組んでいます。

さらに、壱岐市は雇用機会拡充事業に採択され、ゼロアグリを活用したスマート農業の取り組みを通じて、雇用機会の拡充を目指します。

ゼロアグリの導入効果は、従来の手動での潅水施肥作業に比べて効率的かつ正確な管理ができることです。

また、環境に配慮した栽培が実現できるため、持続可能な農業の実現にも貢献します。

壱岐市とゼロアグリの取り組みは、アスパラガスの栽培において成功を収めています。今後は、他の作物や地域でも同様の取り組みが広がることが期待されます。

「Sustagram Farm」AGRIST株式会社、株式会社タカミヤ共同事業

「Sustagram Farm」は、AGRIST株式会社と株式会社タカミヤが共同で展開している農業自動化システムパッケージです。

このパッケージは、経験と勘からの脱却を目指し、ロボットとAIを活用して再現性の高い農業を実現することを目的としています。

AGRIST株式会社は、宮崎県に拠点を置き、農業ロボットの開発やAIの研究開発を手がける企業です。

一方、株式会社タカミヤは大阪市に本社を構え、スマート農業に最適化されたビニールハウス事業を行っています。

「Sustagram Farm」は、これら二つの企業の技術とノウハウを組み合わせた自動化農業パッケージです。

鹿児島県東串良町にある農業用モデルハウスへは、ピーマンを自動で収穫できるロボットを導入しました。

このロボットは、ピーマンの画像をAIが判断し、自動で収穫します。

さらに、ピーマンの茎を出荷基準サイズにカットでき、収穫後はすぐに出荷できます。

また、「Sustagram Farm」は、農業経験が少ない人でも簡単に使いこなすことができるため、

農業の参入障壁を下げることも可能です。

より多くの人々が農業に関わり、地域の食料自給率の向上や地域経済の活性化に繋がることでしょう。

「e-kakashi(イーカカシ)」ソフトバンク株式会社農業AIブレーン

「e-kakashi(イーカカシ)」は、ソフトバンク株式会社が開発した農業AIブレーンです。

気象データとセンサーから取得した温度・日射量・飽差の環境データと独自のアルゴリズムを組み合わせ、二酸化炭素の吸収量を推定します。

植物は光合成によって炭素を吸収する特性を持っており、この特性を活かして、芝生や森林などの緑地が空気中の二酸化炭素をどの程度吸収しているかをリアルタイムに把握できます。

「e-kakashi」は、農作物や植物の近くにセンサーを置き、周囲の環境状態を計測してデータとして可視化します。

収集したデータを分析して農家の方へ最適な栽培方法を提案します。

例えば、適切な水の量や水やりのタイミングを知ることで、作物の生育の最適化が可能です。

実際に「e-kakashi」を活用して水やりを最適化した結果、収穫量が最大で1.6倍に向上した事例もあります。

今後は二酸化炭素の排出量削減、肥料の与えすぎによる環境負荷、水不足による作物の不作といった課題の改善へも取り組んでいきたいとしています。

「AIやロボットで持続可能な農業を目指す」愛知県知多市トクイテン

2021年に設立された企業、トクイテンは愛知県知多市を拠点にしています。

現在、トクイテンはミニトマトの栽培とその自動化のためのロボット開発を行っています。

具体的には、赤くなったトマトだけを収穫したり、光などで害虫を寄せ集め吸引したりする機能を搭載したロボットを開発・活用しています。

農林水産省の発表によれば、農業人口は減少しており、また65歳以上の農業従事者が増える傾向にあります。

しかし、日本政府は2050年までに有機農業用の農地の割合を25%増やすことを目標に掲げています。

トクイテンの取り組みは、AI、ロボットの導入により、持続可能な農業への転換を促すと同時に、生産者の負担軽減や労働力不足の解消にも繋がるでしょう。

農業にAIを導入するメリット

農業にAIを導入すると、農作業や品種改良の効率化、新たなビジネスチャンスの創出など、様々なメリットが得られます。

ここでは、6つのメリットについて解説します。

農作業の効率化

AI技術は、土地の管理や栽培の最適化、収穫作業の自動化など、さまざまな面で生産性向上を実現することができます。

AIを活用した自動収穫システムを導入すれば、収穫作業も大幅に効率化されます。

例えば、自律走行型のロボットを使用して作物を収穫することで、従来の手作業に比べて作業時間を短縮することができます。

大量の作物を短期間で収穫できるため、生産量の増加や生産性の向上が期待されます。

品種改良の効率化

品種改良は時間と労力のかかる作業ですが、「ゲノム情報」を農業に組み込むことで、効率的な改良ができるようになります。

ゲノムはDNAの配列であり、生物の遺伝情報を含んでいます。

AIを用いたゲノム情報の解析により、特定のタンパク質が植物の成長に与える影響について理解できます。

この情報を元にAIは効率的に品種改良の工程を行うことで、従来の品種改良にかかっていた時間の短縮に繋がります。

新たなビジネスチャンスの創出

農業とAI技術を持つ企業が手を組むことで、新たなビジネスが生まれる可能性があります。

例えば、各農家は作物を集荷場や卸売市場に直接持ち込むことも多く、生産者から消費地への輸送が一元化されていないなど、日本の農業関連の物流は効率的とは言えません。

AIを活用すると、最適な経路やスケジュールを構築できるため、農家や物流会社は無駄な時間やコストの削減ができます。

また、天候情報や交通情報をリアルタイムに分析し、物流のトラブルや遅延を事前に予測することも可能です。

このようにAIと農業を組み合わせることで、新しい事業の創出を期待できます。

農薬散布量を抑えられる

AI搭載のドローンは、畑の状態から農薬の散布量をリアルタイムで判断し、必要な場所に的確に散布することができます。

従来、農薬は対象の農作物のみに適量を散布することが難しく、周辺環境への影響が懸念されてきました。

AI技術を活用すれば、農薬が必要な作物にピンポイントで適量を散布できるため、使用量を削減し、作業時間の短縮にもつながるでしょう。

収穫量を予測できる

AIは作物の生育状態や病気の予測にも活用することができます。

例えば、農場内にセンサーを設置し、土壌の湿度や温度、光量などのデータを収集し、AIが解析します。

AIは作物が必要とする水や栄養素の量を見極めることができ、最適な栽培環境を提供することができます。

また、病気の早期発見も可能であり、被害を最小限に抑えることができます。

適切な管理と迅速な対応が可能となり、作物の収穫量の増加につながるでしょう。

新規参入のハードルが下がる

AI技術を用いることで、農業経験の少ない人でも農業分野へ参入しやすくなるでしょう。

これまでの農業は、独自に蓄積してきた技術や知識によって営まれています。

そのため、農業を始めるためには、ベテラン農家の方から技術を継承してもらう必要がありました。

しかし、AIはこのような経験に基づいた知識を可視化し、初めて農業をする人へのハードルを下げることができます。

農業にAIを導入することは、後継者不足による農業人口の減少を食い止める役割も担っているのです。

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AIを農業に導入する際の課題

AI技術は、農業分野において様々なメリットが期待できますが、農業にAIを導入する際にはいくつかの課題が存在します。

ここでは、AIを農業に導入する際に克服すべき課題を紹介します。

導入コストがかかる

AIシステムの導入や機器の購入には高額な費用がかかるため、事前の費用計画が必要です。

また、AI技術の進歩が速いため、導入後も最新の技術に対応するためのアップデートやアップグレードが必要となる場合もあります。

高度な技術と専門知識が必要であるため、導入にはコストや教育の負担がかかります。

高性能なシステムであるほど高額になるため、必要な機能に限定して導入しましょう。

AIに関する知識や技術を持つ人材が必要

AIに関する知識や技術を持つ人材の不足や技術的な問題にも対応する必要があります。

AIシステムの運用や修理などには専門知識や技術が必要となるため、農業従事者や管理者に適切な教育やトレーニングが必要です。

さらに、アプリケーションなどのソフトウェア管理やデータ解析も重要な課題となります。

まとめ

日本の農業は、生産者の高齢化や後継者不足、耕作放棄地の増加などの課題を抱えています。

農業AIの活用は、これらの問題を解決するための効率化や生産性の向上に大きな可能性を秘めています。

農業にAIを導入することで、自動化や効率化の推進、作業負担の軽減、作物の状態・生育環境の把握も可能です。

適切な栽培管理や病害虫の早期発見などにより、生産性の向上に繋がります。

農業界がAI技術を積極的に取り入れることで、より効率的かつ持続可能な農業が実現されるでしょう。

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