【行政DX4選】海外の先進的な行政DXをわかりやすく紹介!

「行政DX」という言葉をご存知でしょうか?

行政DXとは、デジタル技術やデータの活用等により、行政サービスをより住民の利便性が向上するものへと変革することを指します。

行政DXは、日本だけでなく様々な国で積極的に取り組まれており、世界には先進的な取り組みを行っている国が多くあります。

しかし、そのような他国の行政DXの事例が取り上げられる機会はあまり多くないように思われます。

そこでこの記事では、世界の電子政府ランキングを紹介し、上位にランクインする国の行政DXの事例を紹介します。

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世界電子政府ランキング



国連の経済社会局「UNDESA」は、2年に一度、国連加盟国を調査対象とした世界電子政府ランキングを発表しています。

このランキングは、オンラインサービス、人的資本、通信インフラの3つの指標を基に「電子政府発展度指標」を算出して決定されます。

2024年に発表された電子政府TOP20は、以下の通りです。

順位(2022年比較) 国名 順位(2022年比較) 国名
1位(–) デンマーク 9位(↓7) フィンランド
2位(↑6) エストニア 10位(↓1) オランダ
3位(↑9) シンガポール 11位(↑2) アラブ首長国連邦
4位(↓1) 韓国 12位(↑10) ドイツ
5位(↑1) アイスランド 13位(↑1) 日本
6位(↑25) サウジアラビア 14位(↓9) スウェーデン
7位(↑4) イギリス 15位(↑2) ノルウェー
8位(↓1) オーストラリア 16位(↓12) ニュージーランド

(出典:United Nation Department of Economic and Social Affairs “e-Government Survey 2024”)

1位は前々回、前回に引き続きデンマークでした。

また、エストニアやシンガポール、サウジアラビアやドイツなどが前回から順位を大きく上げていることが分かります。

日本は、前回から1つ順位を上げて、13位という結果でした。

海外の行政DX事例4選

ここからは、世界電子政府ランキング上位に位置する

● デンマーク
● 韓国
● エストニア
● シンガポール

の4か国について、行政DXの事例を見ていきましょう。

デンマークの取り組み

まず、デンマークの取り組みを紹介します。

デンマークは、2018年から4回連続で世界電子政府ランキング1位を獲得しており、世界で最もデジタル化が進んでいる国の1つです。

デンマークは、「CPR(Central Persons Register Number)」という個人番号制度を1968年の時点で導入しました。

CPRには、氏名、住所、誕生日、電話番号、出生地、国籍などの個人情報や、行政、医療、教育、税務などに関するデータが結び付けられています。

民間企業などは、必要に応じて、CPRを用いて政府のデータベースで個人情報を確認することができます。

2010年には、CPRを持つ15歳以上の市民を対象に、個人認証と電子署名システム「NemID」が導入されました。

デンマークでは、行政に関する様々なポータルサイトやシステムが開発されており、このIDは、それらを利用する際のログインIDや、電子署名として使用されます。

たとえば、市民ポータル「Borger.dk」では、行政サービスの情報提供や、各種行政手続きを行うことができます。

また、医療ポータル「Sundhed.dk」は、医師と患者双方が利用でき、診察の予約、検査結果の報告、電子処方箋などが可能です。

さらに、給与の受け取りや納税は、インターネット口座「NemKonto」を通じて行われます。

デンマークのこれらシステムは、非常にユーザーファーストを意識しており、UI/UXに対する国民の満足度が高いことも特徴です。

韓国の取り組み

次に、韓国の取り組みを紹介します。

韓国では、1990年後半から電子政府が重点政策に据えられ、積極的な投資が行われており、2010年から2014年の電子政府ランキングは、3回連続で1位を獲得するIT立国となりました。

韓国の代表的なデジタルサービスに、市民ポータル「政府24(GOV24)」があります。

国民は、政府24を通じて、主要な行政手続き(転入・転出、住民票、印鑑証明、土地台帳、自動車登録など)をオンラインで完結させることができます。

また、政府24の導入は、国民の利便性を向上させただけではなく、大幅な行政コストの削減にも繋がりました。

具体的に、韓国政府は、政府24のサービス開始以降、年間1.5兆ウォン(約1,420億円)の経済的・社会的コストが削減されていると報告しています。

エストニアの取り組み

続いて、エストニアの取り組みを紹介します。

エストニアは、国策としてIT立国化を進めており、政府は、国民に電子的な手段を提供することで行政手続きを効率化する「e-estonia」というコンセプトを提唱しています。

エストニアの行政システムの基盤となっているのが、エストニアで開発された「X-ROAD」と呼ばれる技術です。

X-ROADは、分散したデータベース間の情報共有を安全に行うプラットフォームで、これにより、インターネットを通して様々なシステム間の機密性の高いデータのやりとりが可能になりました。

政府、自治体同士のシステムはもちろんのこと、医療機関や裁判所、警察、検察といった機関のシステムまで一元的にデータの連携がなされています。

このような技術の開発により、様々な行政サービスの効率化が進み、エストニア人は毎年800年以上の労働時間を節約できていると言われています。

シンガポールの取り組み

最後に、シンガポールの取り組みを紹介します。

国土が小さく、資源にも乏しいシンガポールは、1980年代からITを将来有望な経済成長の牽引力とし、長期的な視点での電子国家計画を策定してきました。

2014年には、国家ビジョン「Smart Nation構想」を発表し、以下の6つを戦略的国家プロジェクトと位置付けました。

❶ National Digital Identity:政府と民間の電子取引を可能にするルデジタル認証システムの導入
❷ E-Payments:キャッシュレス社会に向けた電子決済の普及・拡大
❸ Smart Nation Sensor Platform:暮らしやすい街づくりを実現するセンサーネットワークの構築
❹ Smart Urban Mobility:都市における公共交通機関のスマート化
❺ LifeSG Initiative:ライフステージに応じた行政サービスの組織横断的な提供
❻ CODEX:電⼦⾏政サービスを効率的に開発するためのデジタルプラットフォーム構築

これらの取り組みの結果、スイスのビジネススクール「国際経営開発研究所(IMD)」とシンガポール工科デザイン大学が発表しているスマートシティランキングで、シンガポールは2019年、2020年と2年連続1位を獲得しました。

日本も海外に負けない取り組みを

この記事では、海外の先進的な行政DXの取り組みを紹介しました。

行政DXは、国民生活の利便性を向上させ、行政コスト削減にも貢献します。

日本も2021年にデジタル庁を発足させるなど、行政DXに積極的な姿勢を見せていますが、まだまだ取り組みの余地は多く残されています。

今回取りあげた事例の中にも、日本で参考にできそうなもの、ぜひ取り入れてほしいものが見つかったのではないかと思います。

他国と日本の取り組みを比較しつつ、今後の日本政府の取り組みに期待しましょう。

【参考記事】
・「電子政府ランキングで日本は14位に後退、トップ3はデンマーク・韓国・エストニア」日経クロステック
・「デジタル先進国デンマークに学ぶ、デジタル化戦略の成功ポイント」wisdom
・「エストニアは本当に”電子国家”なのか–現地に移住した日本の若者がみた実情」CNET Japan
・「けんしんBANK シンガポールレポート」シンガポール駐在員事務所 | 長野県信用組合
・「シンガポールの政策 情報化政策編」一般財団法人自治体国際化協会

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