複雑な問題に対して、新しい解決を提案し、新たな価値を創造できるアプローチ方法としてデザイン思考が注目されています。
本記事では、デザイン思考の概念やプロセス、ビジネスにおける事例を解説します。
デザイン思考について知りたい方は参考にしてください。
目次
デザイン思考とは
デザイナーは、デザインをする際、顧客の要望に沿ったデザインにすべく、仮説を繰り返しながらデザインを進めていきます。
デザイン思考はこのようなデザイナーの思考方法を元にしています。
相手目線で仮説を立てて、相手の求める姿を推測して考えていくデザイナーの思考のアプローチを、デザイン思考と呼びます。
デザイン思考は、新しい解決を提案し新たな価値を創造できるアプローチ方法として、デザイン以外の様々な場面でも使えると有効視されています。
アート思考との違い
デザイン思考では、客観的に物事をとらえて、顧客の視点に立ちながら解決を目指していました。
しかし、アート思考では自身の想像力やひらめきを中心とし、主観を軸において解決策を見出します。
双方の大きな違いとしては、解決策の導き出し方に違いがあることが分かります。
ビジネスにおいて注目されている理由
デザイン思考は、DXを推進できる点でも注目されています。
情報処理推進機構 による「DX白書2023」にも、デザイン思考が下のように記述されています。
「変化が激しい市場環境の中で迅速にサービスを開発する上で、顧客ニーズを具体化し、そのニーズに応えるためのサービスを構想・実現するための方法論の一つとしてデザイン思考の適用が注目されている。」(引用:★)
このことから、デザイン思考はDX化を目指す現代のビジネスにおいても、重要な思考方法だといわれています。
参考:https://www.ipa.go.jp/publish/wp-dx/gmcbt8000000botk-att/000108047.pdf
デザイン思考のプロセス
デザイン思考を行う上で、スタンフォード大学のd.schoolが提唱し、フレームワークとして有名な5ステップを踏んだプロセスを紹介します。
このフレームワークでは、基本的にはこの5つのステップを順番に進めていきます。
後ろのステップにおいて新たな気付きや発見があった場合は、一度立ち戻って、前のステージに戻るようにしましょう。
そうすることで、より精度の高い思考を行うことができます。
共感
入口のステップです。
問題を解決するためには、まずは当事者となるユーザーとその背景を理解する必要があります。
インタビューや対話を重ねることで、ユーザーの気づいていないニーズや社会、環境に対する意識などについても、幅広く捉えると良い解決策に結びつくでしょう。
定義
共感のステップで得たユーザーにまつわる情報をさらに深堀りし、真の問題やニーズを見つけ出します。
そして、最終的にはその問題やニーズを具体的な仮説として定義します。
概念化
定義した問題を解決するための、アイデアを出していきます。
時間を十分に確保して、ブレインストーミングやマインドマップなどを活用し、たくさんのアイデアを集めるといいでしょう。
もう一度定義に立ち返ったり、仮説と照らし合わせたりしながら、より筋の通ったアイデアに絞っていきます。
試作
絞ったアイデアを試すためのステップ、「テスト」の準備を行います。
具体的には、アイデアをなるべく簡易的に表現したプロトタイプ作品を作り、サービスや商品を形にします。
できるだけ短時間で且つ低コストで行うようにしましょう。
テスト
試作で作成したプロトタイプを、ユーザーが実際に目で見て、触って体験します。
それに対してユーザーからフィードバックをもらい、さらなるユーザーの問題解決への理解を深めていきます。
プロダクトの結果だけでなく、ユーザーの感情や課題点をヒアリングして、深堀することが大切です。
これらの5つのステップを繰り返し行ったり立ち返ったりすることで、ユーザーにとっても新たな価値を創造できたり、本質の課題やニーズを発見できたりします。
そして最終的には、ユーザーに合った問題解決へ近づくことが期待されます。
デザイン思考の注意点とメリット
デザイン思考の注意点
デザイン思考において大切なことは、最終的な解決策が、問題に対して新たな価値を創造できているかということです。
アイデアを出す創造の段階において、常識に沿った潜在の価値を磨き上げるだけの解決策にならないよう、注意しましょう。
他にも、デザイン思考に向いていない事例もあります。
特に特定の問題が定まっており、その問題のみを追求して解決するような事例にはデザイン思考は向いていません。
デザイン思考のメリット
企業がデザイン思考を取り入れると、以下のようなメリットが期待できます。
- コミュニケーション能力が向上し、商談に役立つ
- 品質が上がり、顧客満足度向上に繋がる
- 新しいアイデアの提案がスムーズになる
実際に企業が享受した具体的なメリットを、次章で紹介します。
デザイン思考を活用する企業事例
IBM
IBMでは、2012年にジニー・ロメッティ氏がCEOに就任したことをきっかけに、カスタマー・エクスペリエンスの重要な要素として、デザイン思考を社内で活用するようになりました。
具体的には、社内にデザイン部門を設けてデザイナーを迎え入れ、組織やプロジェクトに配員してデザイン思考を推進させました。
それにより、他の社員が日ごろからデザイン思考に触れる機会を設け、デザイン思考への意識が高まるよう工夫しました。
その際に推進したデザイン思考は、従来の基本とされているプロセスに、目標設定と顧客を巻き込んだ創造、経営層へのプロジェクト状況の説明などのフェーズを入れた、IBM独自のものです。
そして独自のデザイン思考の多くを、アジャイル開発で回していきました。
その結果、デザイン思考とアジャイル開発の相乗効果として、新たなイノベーションの提供へと繋がりました。
任天堂
任天堂は、デザイン思考を商品開発に活用させました。
ゲームをする子どもの親に共感し、親目線になって、安心して子どもがゲームを楽しめるようにしました。
具体的には、Nintendo Switchの「みまもりSwitch」の機能が挙げられます。
子どもがどんなゲームをどのくらいしたかが分かるようになっていたり、ゲームの制限時間を設けることができたりする、親目線の機能が多数搭載されています。
このように、デザイン思考を取り入れた商品開発を行うことで、新たなゲームの価値を創造させ、爆発的大ヒットを生み出すことに成功しました。
まとめ
本記事では、デザイン思考の概念やプロセス、ビジネスにおいて注目されている理由について紹介しました。
今後は、ユーザーにとっても新たな価値を創造できたり、本質の課題やニーズを発見できたりするメリットがたくさんあるデザイン思考への期待が高まります。
デザイン思考をビジネスに取り入れたい方は、本記事を参考にしてみてください。
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