アジャイル型の開発において最も主流な手法である「スクラム」。
そんなスクラムをまとめるスクラムマスター(SM)になるための資格をご存知でしょうか。
本記事では、おすすめのSM資格の種類や、難易度、更新などについて解説しています。
SMの資格を取得するための方法や、メンバーから信頼されるスクラムマスターについても解説していますので、スクラムマスターに興味がある方は、本記事を是非参考にしてみてください。
目次
SMとは
SM(スクラムマスター)は、チームで効率的に業務を行う「スクラム」という手法において活躍するポジションです。
スクラムマスターに関してまず知っておくべき大切なことは、スクラムマスターはプロジェクトやチームの責任者ではないという点です。
スクラムマスターは、スクラムのあるべき姿や体系、実践方法を習得した、チームがゴールを達成するための導き役なのです。
具体的には、デイリースクラムの司会や、スプリントレビューなどのミーティングのファシリテーター、バックログの管理などを行います。
このように、スクラムマスターはスクラムチームが生産性を上げて、効果的に作業をできるよう努めます。
SMはなぜ注目されている?
スクラムマスターが注目されているのには、アジャイル開発への注目が高まっているという背景があります。
IPAによる「DX白書2021」に記載の第4部「DXを支える手法と技術」でも、アジャイル開発はDX実現に必要な開発手法として挙げられています。
アジャイル開発は、ユーザーの期待に迅速に応える新しいITシステム開発手法として注目されています。
そのアジャイル開発において、主流な手法であるスクラム、それを支えるスクラムマスターも併せて注目されているわけです。
SMになるためにおすすめの資格3つ
そんなスクラムマスターが取得しておくことを推奨されている資格があります。
ここからは、それぞれの資格の概要や取得するメリット、勉強方法を紹介します。
初めてスクラムマスターの認定資格を取得する方向けに、3つの代表的な認定資格があります。
認定資格を取得することで、スクラムの進め方や基本的な概要を習得できます。
いずれの資格も、スクラムマスターについて熟知して研究を重ねる団体の主催する資格のため、スクラムマスターに興味がある方は必見です。
CSM(Certified Scrum Master)
2001年に設立されたアメリカのNPO法人、Scrum Allianceが主催する認定資格です。
試験概要
講師による研修を受けてから、資格取得のための認定を受けることができます。
認定資格の有効期限は、2年間です。
試験は選択式問題からなり、合格には75%前後での正答率が必要です。
世界各国から受講する方がおり、講師もたくさん在籍しています。
Zoomでのオンラインでの研修が多いです。
受講者参加型の、ワークショップ形式の講習もあります。
スクラムの本質や原則などの内容や、スプリントの実践などの実践型も含む研修内容です。
メリット
日本でも本資格の提供をしている団体が多いため、受講がしやすいです。
団体の数に伴い日本人の講師も多いため、言語の壁を感じずに研修に参加できます。
外国人講師の場合も、同時通訳があったり、使用資料へも英語と日本の記載があったりもします。
TIS主催スクラムアライアンス認定スクラムマスター研修
<2023年度スケジュール>
2023年5月16日(火)~2023年5月19日(金)
2023年7月11日(火)~2023年7月14日(金)
2023年8月22日(火)~2023年8月25日(金)
2023年10月3日(火)~2023年10月6日(金)
2023年11月28日(火)~2023年12月1日(金)
2024年2月6日(火)~2024年2月9日(金)
会場 | オンライン開催(Zoom、コラボレーションツールAllo) |
受講料 | 220,000円(税込) |
申込締切日 | 開催日の1か月前 |
研修の詳細はTIS公式HP
認定試験の詳細はScrum Alliance公式HP
PSM(Professional Scrum Master)
Scrum.orgが主催する認定資格です。
試験概要
スクラムの体系や、スクラムマスターとしての責任など、スクラムの基本的な知識に関する試験です。
こちらは、CSMとは違って講師による研修がなく、Scrum.orgが提供する共通の学習教材を使用して勉強をします。
試験は80問の選択式問題からなり、合格には85%の正答率が必要です。
日本ではCSMほどの知名度はなく、試験は英語のみの実施、教材もScrum.orgからは日本語のみの提供になっています。
PSMのための研修も用意されています。
メリット
PSMでは、研修の受講が必須ではなく、研修を受けることなく認定試験を受験できます。
そのため、まとまった研修時間を確保できない人でも受験できる点は魅力的ですね。
また、教材について、Scrum.orgの英語版教材を日本語に翻訳し提供している企業もあります。
英語に抵抗がある方でも受講できます。
Professional Scrum Master™ I(PSM I)
開催日程 |
|
開催方式 | オンライン(Zoom) |
講義言語 | 日本語 |
試験言語 | 英語 (自動翻訳利用可) |
受講費用 | 220,000円(税込) |
詳細はITプレナーズ公式HP
RSM(Registered Scrum Master)
アメリカのScrum Incの日本法人(Scrum Inc社、KDDI株式会社、株式会社永和システムマネジメントの3社で設立)が主催する、日本のみで提供されている認定資格です。
試験概要
CSM同様、研修受講が必須で、2日間の研修後に資格取得のための認定を受けられる方式です。
研修は、体験型のワークショップも盛り込まれています。
実務経験は必要ありません。
試験は選択式問題からなり、75%の正答率が必要です。
資格の有効期限は、1年間です。
認定資格スクラムマスター試験に合格すると、アメリカのScrum Inc.が発行した認定証を受け取る事ができます。
メリット
日本法人、日本のみで開催される試験のため、日本人が参加しやすい内容が盛り込まれているでしょう。
また、研修もZoomで参加できるものもあるため、場所の制限なく気軽に受験できます。
もちろん対面での研修もあるため、好きな参加方式を選べます。
2023年スケジュール
日程 | 開催場所 |
2023.4.13(木)・14(金) | バーチャル(Zoom) |
2023.4.20(木)・21(金) | バーチャル(Zoom) |
2023.5.25(木)・26(金) | 東京(KDDI Digital Gate) |
2023.6. 1(木) ・2(金) | バーチャル(Zoom) |
2023.6.13(火)・14(水) | 東京(KDDI Digital Gate) |
費用は22万円(税込み)
詳細はScrum Inc.japan公式HP
SMの資格を取得するためには?
スクラムマスターの代表的な資格を3つ紹介しましたが、その内の2つの資格の受験に、研修受講は必須でした。
スクラムマスターは、スクラムの役割やスクラムをまとめるだけでなく、スクラムの力を最大限に引き出すことが必要になります。
研修を通じてスクラムマスターの在り方、チームの目指すべき形などを参加型で理解していくことがよりよいスクラムマスターとなるための方法であるといえるでしょう。
「PSM」資格は研修への参加が必須ではありませんが、Applying Professional Scrum TrainingやProfessional Scrum Master Trainingという研修を開催しており、参加が推奨されています。
「CSM」資格は研修への参加が必須ですが、それとは別に、CSM向けの研修を行っている外部団体もあります。
このように、外部団体の研修に参加する学習方法もあるようです。
また、研修と並行してスクラムマスターやアジャイルに関する本を買うなどして、スクラムマスターの姿勢を学習する方も多いようです。
メンバーから信頼されるスクラムマスターとは?(体験記)
メンバーから信頼されるスクラムマスターの在り方について、SEでスクラム型のアジャイル開発プロジェクトに参加経験のある、筆者の体験記を少し紹介します。
実際にスクラムで活動していくとなると、毎日顔を合わせるスクラムマスターの存在は想像以上に大きいものでした。
スクラムマスターは、スクラムのメンバーにスクラムマスターの役割を事前に伝えておくこと、スクラムマスターの役割としてやることとやらないことの境界線を始めに明確化しておくことが必要だと感じました。
SMの資格を持っていないメンバーからすると、なぜスクラムマスターは開発をしないのか、責任者との違いが分からない、などの不平不満が出てくる恐れがあります。
スクラムマスターは、顧客からはもちろん、メンバーからの信頼もとっても大切です。
顧客からの信頼の前に、メンバーからの信頼を得るため、先述の2点を事前周知しておくことをおすすめします。
役割を明確化した上で、チームのファシリテーターとしてSMとしての価値を高められるとベストでしょう。
まとめ
本記事では、スクラムマスターになるためにおすすめの資格を紹介し、スクラムマスターの資格を取得するための方法や、メンバーから信頼されるスクラムマスターについて紹介しました。
スクラムマスターは、スクラムの導き役ともいわれ、開発のパフォーマンスにも大きな影響を与える大切な役割です。
スクラムマスターの資格取得を検討している方は、研修などに参加してみてその役割を理解し、自分に合った方法で受験できる資格を取得してみてはいかがでしょうか。
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