電力業界が抱える課題とDXへの取り組み【成功事例も紹介】

電力業界は家庭や商業施設など、私たちの生活に欠かせない電力を供給する業界です。
電気の自由化や脱炭素など、近年の電力業界は変化の渦中にあり、課題も多く抱えています。
そんな電力業界では変化へ対応した上で、抱える課題を解決すべく、DX化の推進が求められています。

本記事では電力業界が抱える課題やDXへの取り組み、成功事例を解説していきます。
ぜひ本記事を参考に理解を深め、DX化に取り組んでみてください。

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電力業界の現状と抱える課題

近年の激しい変化における、電力業界の現状と抱える課題を解説していきます。

高齢化社会にともなう人材不足

高齢化社会となっている日本では労働人口が減少し、あらゆる業界で人手が不足しています。
電力会社も例外ではない上に、高度経済成長時に建設された設備の老朽化や再生可能エネルギーの普及によって、電気主任技術者が中長期的に不足すると懸念されています。

また若年層の労働人口が減少する中、限られた人員で技術の継承をしなくてはなりません。
DX化による業務の効率化やテクノロジーの活用が電力業界には必須となるのです。

電力の小売全面自由化による競争の激化

2016年4月に始まった電力の小売全面自由化によって、消費者はこれまで自由に選択できなかった電力会社を、自分で選べるようになりました。
電力の自由化は、これまで特定の事業者が独占していた市場に新たな電力会社の参入を促し、市場競争を激化させました。
電力の供給のみならず、新たなサービスの提供や安価な料金設定をしなければ、消費者に選ばれない市場に変わったのです。
今後の電力業界で生き残っていくためには、DXを活用した消費者への新たな価値提供が求められていきます。

脱炭素に向けた電力の調整

脱炭素とは地球温暖化の要因となっている温室効果ガスの一つである、二酸化炭素の排出を抑える取り組みのことです。
現在は電力を作る際に、二酸化炭素を排出する石油や石炭といった化学燃料が多く使用されています。
これらのエネルギー源を、風力発電や太陽光発電などの二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーに移行させることが求められているのです。

しかし、風力や太陽光による発電は天候の影響を受けやすく、電力の供給が安定しません。
そのため電力業界では、いかに電力の需要と供給のバランスを調整するかが重要となっています。

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電力業界におけるDXの成功事例5選

電力業界では、多くの企業が積極的にDX化に取り組んでいます。
ここでは成功事例を5つ解説していきます。

東京電力「送電線点検用ドローン自動飛行システム」

東京電力ホールディングス株式会社は他2社と共同で、送電線点検用のドローン自動飛行システムを開発し、2021年6月に東京電力パワーグリッド株式会社の送電線点検業務に導入しました。
これまでの送電線の点検作業は目視で行っており、作業員の高い技術と労力が必要だったため、中長期的な作業員の不足と多数の老朽化した設備の点検対応などが課題でした。

そこでドローンと送電線との距離を一定に保って自動飛行する技術や振動による撮影のブレを抑える技術、作業員が使いやすいアプリを共同開発し、課題解決に取り組んだのです。
本システムによって、これまで目視で実施していた送電線の点検作業の効率化とコスト削減が実現しました。

https://www.tepco.co.jp/press/release/2021/1605275_8711.html

関西電力「AIを活用した流氷雪自動検知プログラム」

関西電力株式会社はK4 Digital株式会社と共同で、AIを活用した水流氷雪自動検知プログラムを開発しました。
水力発電所では、冬場になると流氷雪が取水口付近に滞留して詰まり、安定して発電ができなくなる場合があります。
そのため流氷雪が流入する恐れがある際は水門ゲートを閉じるなど、24時間体制でWEBカメラを通じ、人による目視と手作業で監視しています。

そこで管理業務の効率化と労働環境の改善を目的に、WEBカメラの映像データをAIに繰り返し学習させ、流氷雪を自動で検知するプログラムを日本で初めて開発しました。
本プログラムは他社にも導入が進んでおり 、不安定な発電に使用される無駄な電力の削減や業務の効率化、労働環境の改善が業界全体で期待できます。

https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2019/pdf/0926_3j_01.pdf
https://k4digital.jp/business/dx_case/case01.php

中部電力「データプラットフォームの構築」

中部電力株式会社はDX推進の取り組みとして、データを活用するプラットフォームを構築し、新たな付加価値や顧客体験の提供に取り組んでいます。
当プラットフォームで多様な顧客の生活データを収集し、電気の使用量が分かるスマートメータのデータと統合・解析することで、地域サービスや個人・世帯向けといった多様化するニーズに対応したサービスが展開できます。

同社は臨機応変で迅速かつ柔軟なプラットフォームの開発を進めており、顧客のライフステージに沿ったサービスの提供が実現するでしょう。
同社は構築したデータプラットフォームや同社エネルギープラットフォーム、パートナーとの共創を融合することで、これまで以上に顧客ニーズに合った価値提供を目指しています。

https://www.chuden.co.jp/corporate/dx/
https://www.chuden.co.jp/resource/corporate/dx/dx_01.pdf

北海道電力「火力発電所の巡視点検業務にMR技術を活用」

北海道電力株式会社は2022年7月にアバナード株式会社と共同で、MR技術(Mixed Reality/複合現実)を活用した巡視点検業務アプリを開発し、国内で初めて火力発電所に使用したと発表しました。
これまでの火力発電所では、トラブル防止のために設備の巡視点検を行っていました。

しかし、設備の異常を早期に発見するには経験とノウハウが必要な上に、これまで職場内研修などで習得していた点検技術の、効率的な技術継承が課題となっていたのです。
そこでMR技術によって巡視点検ルートや点検内容を明確にし、業務の標準化と可視化を実現しました。

MRに表示されたルートで移動することで、現在地に対応した点検業務や過去事例の参考資料を自動的に表示し、作業員をサポートする仕様です。
このアプリを活用することで、巡視点検技術の早期習得だけでなく、技術レベルの標準化によって設備の異常を早期検知でき、発電所運転の安全性が高まります。

JERA「火力発電所をデジタル変電所に」

株式会社JERAは火力発電所の運営業務にデジタル技術を活用し、独自の高度な運営業務を追求すべく、デジタル変電所プロジェクトに取り組んでいます。
火力発電所では、多岐にわたる運営業務を熟練者のノウハウや散在したデータに依存しており、データを活用したオペレーション業務への対応が課題でした。

そこで同社では、AIの活用によって石炭火力の運転を最適化して環境負担を軽減したり、IoTの活用によって発電設備の異常予兆を検知し、稼働率の向上を実現したりしています。
同社はさらなるデジタル変電所への取り組みによって、業務効率化をはじめ、設備コストや二酸化炭素排出量の削減を目指しています。

https://www.jera.co.jp/information/20201001_535
https://www.ibm.com/downloads/cas/XPN92Y4W

まとめ

近年の激しい業界変化に対応すべく、電力業界ではDX化の推進が必須といえます。
競争が激化した市場では顧客ニーズに適したサービスの提供が重要となり、DXによるデータ活用が求められます。
脱炭素などの環境保護に向けては、AIやIoTの活用による業務と設備運転の最適化を行い、エネルギー源の使用を削減することが重要です。

今後も電力業界では、各社のDXへの取り組みによって、顧客への新たな価値提供と環境保護が実現していくでしょう。
ぜひ本記事を参考に、DXの推進に取り組んでみてください。

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