食品業界の将来のカギを握る、フードテックとは?徹底解説!事例も紹介

安全で安心できる良質な食品を安定的に提供する食品業界。
衣食住の一つでもある「食」は、私たちが生きていくうえで必要不可欠な要素です。
昨今では食に求める価値観に変化が見られます。
健康志向な方を中心に、身体や環境にやさしい食を求める風が食品業界には訪れています。

そんな食品業界の昨今の傾向を活用したビジネスモデルこそが、「フードテック」です。
フードテックは、食品(フード)と科学技術(テクノロジー)を合わせた造語が語源で、最先端のIT技術や科学技術によって食の持つ可能性をいろいろな方法で追い求めるものです。
新たな食の活用分野の発掘だけでなく、食品業界の課題解決を図ることなど、さまざまな目的の達成が期待されています。

例えば2013年には、NASAが宇宙食での活用として、3Dフードプリンタを開発する米国企業に出資したことが注目を集めました。
3Dフードプリンタとは、樹脂や金属の素材を用いて立体的モデルを造る「3Dプリンタ」の原理で食べ物も作れるようにしたものです。

3Dフードプリンタの活用で、製造工程のネックとなりやすい細かい製造作業を人の手に代わって実施できるため、労働力不足の解消にもつながるといわれています。
また3Dフードプリンタにおいて造れる食品は、見た目や触感などの自由度が高いといわれており、近い将来に介護食や離乳食の製造等にも使用され、様々な課題を解決することが期待できます。

本記事では、食品業界とDXとの関係性やSDGsとのつながりについて解説した後、フードテックに取り組む企業の事例も紹介します。

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食品業界の昨今の傾向とDX

農林水産省は、食品産業戦略として食品産業が持つべき2020年代のビジョンや対応方針を取りまとめた、「食品産業の 2020 年代ビジョン」を公表しました。
その中で、2020 年代に食品製造業者が目指すべき目標として、以下の3つが掲げられました。

1.需要を引き出す新たな価値創造による付加価値額 3 割増
2.海外市場の開拓による海外売上 3 割増
3.労働生産性の 3 割増

この3つの目標を達成すべく、食品物流や新たな新技術の搭載、人手不足解消するための工場の自動化などのさまざまな取り組みがされています。

また、私たちに良質な食品を安定的に提供し続ける食品業界ですが、昨今の消費者の食に求める価値観に変化がありました。
世界的に、消費者が食に対して身体や環境にやさしい食を求めるようになり、日本においてもそのような傾向がやってきています。
このような新しい需要にも答えていくことで、食品業界の売上アップが期待できます。

フードテックとSDGs

意外と日常的にフードテックに触れている機会は多く、気づかない間にフードテックを活用していた方も多いのではないでしょうか。
身近に存在するフードテックですが、環境にも様々な良い働きかけであると言われています。

フードテックは、国連総会で決定した、持続可能な開発に向けての世界共通の17の国際目標である、「SDGs」との繋がりが深いと言われています。
フードテックにより、17の目標の内の目標12「つくる責任つかう責任」である「食品ロスの問題」の解決に繋がります。
他にも、活用によっては目標2の「飢餓をゼロに」や、目標3の「すべての人に健康と福祉を」にもつながる活動であると期待されています。

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食品業界のSDGs、フードテックに取り組む企業を紹介

2020年10月には日本でも、農林水産省が共同事務局である、「フードテック官民協議会」が設置され、フードテックに対する積極的な活動がされています。
フードテック官民協議会では、フードテック領域の事業の推進や市場の開拓をすべく、積極的にフードテックの市場創出を行っています。

環境にやさしい食事、健康的な食事が注目されている今、日本には数多くのフードテックに取り組む企業があります。
ここでは、フードテックに取り組む企業の一例を紹介します。

【完全栄養食のパン】BASE FOOD(ベースフード)

「完全栄養食」という言葉を最近耳にする方も多いのではないでしょうか。
ベースフード株式会社では、必要な栄養素をバランス良く配合し、1食で1日に必要な栄養素の1/3がとれる完全栄養食のパン「BASE FOOD」を販売しています。

ビタミン、ミネラル、たんぱく質、食物繊維などの必要な栄養素をパンやクッキーなどの日常的に主食や間食として食べられている食事で摂取できます。
さらに、公式ショップから購入すると自宅に継続的に届けることが可能なため、忙しい方にも、好きな食事を継続的に食べられます。

ベースフードでは、完全栄養食のパンをきっかけにして、人々から広く食べられているパンをイノベーションしました。
その結果、ダイエットをしている方や、忙しく食に時間を割きづらい方などの、幅広い消費者に、おいしく、健康的に食を楽しめるフードテックをもたらしました。

【豆腐加工技術】ソイルプロ(ニップン)

フードテックの取り組みの中でも最も浸透している例が、「代替肉」です。
代替肉には、肉の細胞から人工的な肉を作るものや、植物性のタンパク質から人工的に肉を作り出すものなどのいろいろな種類があります。
後者の植物性のタンパク質から作る肉は、大豆ミートがその例であり、日本でも徐々に市場進出を始めています。

低カロリーで低コレステロール、高タンパクであることから、ビーガンやダイエッターをはじめとする、健康志向の方を中心に注目されています。
近年では、スターバックスコーヒーが2021年11月末から「ソイハンバーグ」にも大豆ミートを使用したことで、話題になりました。

株式会社ニップンと、そのグループ会社であるオーケー食品工業株式会社は、植物性新素材「ソイルプロ」を販売しました。
ソイルプロは、豆腐を使った新たな植物たんぱく素材の、肉の代替食材としても注目を集めている商品です。

豆腐の加工技術を大豆に応用し、高たんぱく質、低脂質、コレステロールゼロの製品が実現されました。
宗教上の理由から肉を食べない方やビーガンの方にも食べられる製品です。
また、水戻しや水切りが不要でそのまま食べられることからも、時短、エコの商品としても優れています。

また、ソイルプロのそぼろタイプは、食品業界での新分野の開拓や、新たな食品業界の発展成長の原動力となる賞である、日本食糧新聞社制定の第34回新技術・食品開発賞を受賞し、その技術が評価されています。
ニップンでは、豆腐加工技術を用いて食材を食べてもらえる層の幅を広げ、様々な人に健康的に食材を食べられる機会を増やし、食事の可能性を広げることに成功しました。

【IoT家電】ヘルシオデリ(シャープ)

冷蔵庫やキッチン家電などの家電メーカーによる、スマート家電もフードテックとして流通を増やしています。
例えば、フードロスを削減すべく、冷蔵庫に保存している食材の消費期限をスマートフォンなどのタブレットと結び付けて知らせる機能がある家電などもあります。
このようにして、インターネットと家電を結び付けて、貴重な資源である食品資源を無駄にすることなく、食品ロスを減らすことが可能になります。

シャープ株式会社のウォーターオーブン「ヘルシオ」は、スマートフォンと連動するIoT家電です。
食材の余分な脂や塩分を落として調理できるとして注目されたヘルシオですが、初代モデルから成長を繰り返し、最新のモデルではクラウド経由でレシピをダウンロードすることも可能になりました。
スマートフォンで、専用のアプリであるCOCORO KITCHENと連動させることができ、作った料理を取り忘れていた場合に通知で知らせてくれる機能もあります。
シャープでは、食品加工の最終段階である「調理」に注目し、誰でも便利で簡単においしい料理が作れるような家電を提供しました。

まとめ

本記事では、フードテックやSDGsとのつながりについて説明した後に、フードテックに取り組む企業の事例も紹介しました。
健康志向、ビーガン、ダイエット中の方を筆頭に注目されているフードテックですが、日本でも様々な企業がフードテックへの取り組みを実施しています。
今まで様々な背景により食の制限があった方々にも、食を楽しむ機会を提供できるようになることで、客層が広がり、売上等の向上にも繋がります。
フードテックの今後に期待が高まります。

参考

https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11539350/www.maff.go.jp/j/press/shokusan/seizo/attach/pdf/180406-2.pdf(食品産業戦略 食品産業の 2020 年代ビジョン-農林水産省)

https://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/r2/r2_h/trend/part1/chap0/c0_7_00.html(トピックス7 フードテックの現状-農林水産省)

https://food.uchida-it.co.jp/info/20211130/(食品産業デジタル技術活用のイマを知る-食品×ITナビ)

https://at-living.press/sustainable/22605/(「代替肉」の最新事情-@Living)

https://cs2.toray.co.jp/news/tbr/newsrrs01.nsf/0/4C33B979A1096A4849258719003A0304/$FILE/K2107_014_023.pdf(加速する食のDX:フードテック-東レ)

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000065.000022258.html(完全栄養食のパイオニア ベースフード総額20億円の資金調達を実施-PR TIMES)

https://basefood.co.jp/(ベースフード株式会社)

https://www.nippn.co.jp/BrandB/soylpro/products/index.htmlソイルプロ(株式会社ニップン×オーケー食品工業株式会社)

https://news.yahoo.co.jp/byline/musharyota/20210713-00247723(「格之進シェフの絶妙な火加減を再現するフードテック家電「ヘルシオ」を活用した新たな取り組み-Yahoo!ニュース)

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