建設業におけるDX推進は、建設・土木業の工事・作業現場において省人化だけでなく安全管理にも繋がる重要な役割を担っています。
大規模工事から小さな住宅建設まで、生活の基盤となる建造物の建設や公共事業を含む土木業界で活躍する建設コンサルタントは、どのような事例に取り組んでいるのでしょうか。
本記事では、当メディアを運営するストラテジーテック・コンサルティング編集部の海外担当が、海外の建設・土木業界DX事例をわかりやすくご紹介します。
目次
建設業界DXの海外トレンド(イギリス)
ロンドンにあるInstitution of Civil Engineersは、過去40年でデジタル技術が建設プロジェクトに革命をもたらしたと語っています。
2016年以降はEUの衛星・測位計測システムGalileoネットワークを活用した建設用重機の操作が始まりました。
英国BBCニュースによると、Galileo開発はEU側がアメリカのGPSを意識したものでしたが、現在はイギリスのEU離脱による影響が少なからずでています。
それでもGalileoの測位ネットワークと地上の重機を通信させることで、大型重機の動作が1cm単位で管理できるようになったのは大きな功績でした。
無線ナビゲーションによる衛生システム活用だけでなく、3Dマシーン制御の発展も目覚ましいものがあります。
設計側の設定した動きを、衛星を介して操作できるのです。
さらにドローンの導入や、5D BIM (建設情報モデリング/Building Information Modelling)が、海外の建設業DXにおいて非常に注目を集めています。
特に新しい建設業ワークフローとなるBIMモデルは、デジタルとアナログを円滑に繋ぐ革新的な構想でもあります。
参照:)ICE COMMUNITY BLOG/Institution of Civil Engineers
参照:)UK industry bids farewell to EU’s Galileo system/BBC News
建設業界DXの海外トレンド(オーストラリア)
オーストラリアのITメディアTechdayによると、AI建設管理プラットフォームBuildAiが資金調達に成功したと報じています。
資金調達のおかげでプロジェクトマネージャーの業務が最適化され、サプライチェーンや設備調整を含む様々な要素をリアルタイムでモデリングできるようになりました。
「より戦略的なサイト管理は建設業においても重要ですが、コスト削減だけに目を向けていてはいけません。」
こう語るのはBuildAiのCEO兼共同創設者です。さらに続きます。
「パンデミックによる都市封鎖は建設業に壊滅的な影響を与えました。特に大都市シドニーも例外ではありません。」
「そして建設業で働く大事な仲間を失うのは、作業現場での事故よりも自殺となる可能性の方が6倍高いといわれています。」
この危機的状況をテクノロジーで改善していくのです。
建設業DXを推進させることにより、働く仲間が安心して建設現場に復帰できる環境を整えていこうと動いています。
プロジェクト・エンジニアは、都市封鎖期間は慣れないリモートワークに課題を感じたと語っています。
しかし、新しいテクノロジーが業務全体の効率を高める上で重要な役割を果たすと期待しているのです。
エンジニアとして、データ入力を最小限に抑えながらリアルタイムのレポートとプロジェクトをモニタリングする技術を導入することで、現場で起こっていることと密に連携していけます。
BuildAiの目標は、重要なデータを活用して、作業現場にとどまることを切望しているブルーカラーのオーストラリアで働く人のために安全で健康的な仕事環境を提供することです。
この人間味あふれる目標は、オーストラリアから遠く離れた日本にいる人々の心にも響く志といえるのではないでしょうか。
参照:)AI construction management platform BuildAi secures $1.9 million in seed funding/Techday
建設業界DX海外事例の紹介3選
海外の建設業界DX事例①:ドローンを導入したスタジアム建設(アメリカ)
ミネソタ州にあるサッカースタジアム建設に、ドローンが大活躍しました。
フィールド建設において膨大な画像と映像を空撮し、つなぎ合わせたデータをクラウド管理できるようにしたのです。
建設に関わるスタッフが個々にアクセスできる状況にすることで、ワークフローを円滑に共有することができました。
フィールドの衛生管理にも空撮データを活用することができるので、作業効率向上につながる事例です。
参照:)A Case Study on Drones in Construction: Easier than You May Think/AUTODESK UNIVERSITY
海外の建設業界DX事例②:3Dプリント技術による住宅建設(ドイツ)
日本人駐在員が多く滞在しているデュッセルドルフから、ドルトムントの方向に位置する小さな都市ベックムで、ドイツ史上初となる3Dプリント建築で家が建てられました。
50年以上に渡りドイツで先端技術へ力を注いできたPERI社によって開発された3D技術により、プリントならではの曲線美が美しい建物が出来上がったのです。
ヴァイセンホルンにある本社ではグローバルに活躍できるエンジニアが多数働いています。
大量のコンクリートをプリント技術で用いる際は、デンマークの会社とも連携しました。
異国のパートナー企業に在籍する建設DXエンジニアと技術を連携することで、住宅の3Dプリントに成功した事例です。
参照:)3D-printing in construction /Inexhibit
参照:)PERI AG
海外の建設業界DX事例③:AR技術を用いた土木作業現場(インド)
21世紀の現在はAR技術を建築家が用いることで、コスト削減だけでなく建設工程を可視化し共通認識を生む機能を果たしています。
インドを拠点に長年プロジェクトを進行しているOutsource2indiaは以下の通り語っています。
ARを建設プロジェクトに導入する最大のポイントは、現実的な視覚化ができることです。
建設とデザインの双方において設計側の意図を踏まえ、建造前でも目の前で見ることができます。
さらにクライアントに説明する際に説得力を強めることもできるのです。
ARによる可視化に成功すると、投資家やお客様のUXにも繋がります。
建設プランがお互いによく理解できるため、変更が生じた場合にも連携することができます。
確認作業がデバイスで行われるため、ペーパーレス化に貢献することになります。
これらは土木業界にも利益をもたらしました。
DX推進が、建設エンジニアの生産性を高めたのです。
設計図面を正確に把握するのはとても難しい作業ですが、ARが助けてくれます。
AR上でエラーや欠陥をみつけることができるので、革新的な案を打ち出す際にも活用されています。
建設業界が不動産業界と提携するときも、材料やカラーバリエーションをその場でARに反映させて確認できるので商機を逃しません。
土木技師が見逃してしまうようなエラーも事前に把握できるのでプロジェクト全体のコスト削減に繋がります。
参照:)Augmented Reality in Civil Engineering/Outsource2india
建設業界が抱えるDXの課題
パンデミックにより壊滅的な影響を受けた建設業界は、流出した人材が戻ってくる環境を整えることが課題のひとつになっています。
日本の国土交通省資料『国土交通省におけるDXの推進について』の中で、建築・土木業界におけるリモートワーク比率は他業種に比べてかなり低い結果が紹介されています。
リモートによる生産性向上が非常に難しい点も課題と考えられます。
また、日本のデジタル化が鈍化傾向にある理由のひとつに、経営者の変革への覚悟が議題として挙がっています。
経営側の強く熱い想いや意思と、協力者の当事者意識が存在しないと、スマートシティを含む本格的なデジタル・トランスフォーメーションは実現しないのではないでしょうか。
建設業界DXの海外事例まとめ
ご紹介した事例や課題から、建設・土木現場でデジタル化が進んでも、実践する人の意識改革がなされないと上手く前進できないことがわかりました。
DXを本格的に推進するにあたり、デジタルに強い建設DXコンサルタントやエンジニアが求められています。
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