本記事では、海外におけるスマート農業の事例を5つ紹介し、日本でスマート農業を推進する上での課題についても解説します。
最後まで読むことで、世界でスマート農業がどのように進められているのか、日本でスマート農業を取り入れていく上で何が障壁となっているのかを理解することができます。
就農人口の高齢化や担い手不足など多くの問題を抱える日本において、スマート農業の導入は必須です。
しかし、その普及は決して進んでいるとはいえません。
海外ではどのようにスマート農業が導入されているのか順番に見ていきましょう。
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目次
世界のスマート農業普及について
海外のスマート農業普及
スマート農業はアメリカやオランダを中心に普及しています。
アメリカでは農業用ドローンが急速に普及しており、2018年には7,210万ドルであった市場が、2025年までに1億4,480万ドルに達するとされています。
また、オランダは九州と同程度の面積である上に冬の日照時間は短く、作物を育てるにあたってマイナス要因は多いです。
しかし、1990年前後からスマート農業をいち早く導入したことによってトマトなどの1㎡あたりの生産量は日本を大きく上回っています。
このように、スマート農業は海外において先行して普及し始めており、その効果も表れていることから需要も非常に高いです。
参考:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000072515.html
https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/innovation/ict/4kai/siryo5-betten1.pdf
日本のスマート農業普及率は低い
農林水産省が公表している「令和4年農業構造動態調査結果」によると、農業にデータ活用を行っている農業経営体数は22万6,800と、全体の23.3%でした。
また、同省の「農業分野におけるドローンの活用状況」では、日本における農業用ドローンの販売台数は令和3年度で3,586台と、平成30年度の1,214台からは増加傾向にあるものの、アメリカの市場規模には遠く及びません。
そして、「食料・農業・農村白書」では、日本の農業総産出額は近年横ばいになっており、人件費などの経営費が高騰していることから、農業所得自体は減少傾向にあります。
これらのことから、日本の農業はスマート農業を積極的に取り入れ、経営や生産体制の効率化を図る必要があります。
参考:
https://www.autosteer-system-media.com/smart-farming/overseas.html
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kekka_gaiyou/noukou/r4/index.html
https://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/r2/r2_h/trend/part1/chap3/c3_1_00.html
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/smart/attach/pdf/drone-26.pdf
世界のスマート農業事例
本章では、アメリカやオランダで進んでいるスマート農業の事例を5つ紹介します。
どれもIT技術を農業にうまく取り入れ、農作業の効率化や生産コストの削減に成功しています。
どのような取り組みを行っているか、順番に見ていきましょう。
ドローンによる農薬散布の効率化
アメリカや中国では、農業用ドローンを活用して、広大な農地に効率よく農薬を散布し、作業時間の短縮を行なっています。
農業用ドローンによる効果は効率化だけでなく、傾斜地など人が入りにくいところへの散布も可能です。
ドローンのルートを決めてしまえば、その後は自動飛行によって農薬散布をしてくれるため、リアルタイムで操作する必要がない点も大きなメリットです。
農業用ドローン市場はアメリカで急速に伸びていることから、今後も活用の幅が広がる技術と見込まれます。
参考:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sicejl/55/9/55_780/_pdf
空中から生育状態のデータ収集
アメリカでは、農業用ドローンによって農薬散布だけでなく、ドローンに搭載された遠赤外線カメラを用いて、作物の生育状況を把握しています。
これによって、生育状況に問題がある作物が存在する場合にも、速やかに対策を講じることが可能です。
すぐに対策が取れることで、ダメになってしまう作物を減らせるため、収穫量を増やし生産性の向上を図ることができます。
作物の健康状態を測る指標としては、可視光と近赤外線を感知できるセンサーをドローンに搭載し、作物が反射する光の波長から測定するNDVI(Normalized Difference Vegetation Index)などがあります。
参考:
rpNy201604.pdf (jetro.go.jp)
自動制御システムによる肥料の最適化
オランダでは、自動制御システムを搭載したコンピューターを活用することで、作物にとって最適な環境を作り出しています。
作物を育てているビニルハウスに温度や湿度、二酸化炭素濃度などを測定できるセンサーを設置し、自動制御システムと連携することで、常に最良の状態を維持。
これによって、天候や害虫、病気といった外部要因に生産量を左右されるリスクを大きく軽減しています。
オランダが日本よりも面積が小さいにもかかわらず、1㎡あたりの生産量が多い理由はこの自動制御システムによるところが大きいです。
参考:
https://www.autosteer-system-media.com/smart-farming/overseas.html
スマートトラクター
アメリカは、GPSとAIの両方を搭載したスマートトラクターの開発に成功しました。
自動運転や走った場所の記録ができる機能を持っているため、耕作地のどの部分をいつどのように刈り取るかリアルタイムで計算し、自動で刈り取りを行ってくれます。
さらに刈り取った穀粒の拡大写真を撮影してコンピューターに送り、天候の変化や近隣農家の収穫データを基に脱穀機の最適な設定をAIが行います。
自動で刈り取りを行うだけでなく、その次の行程までを効率化してくれるため、生産性の上昇に大きく貢献していると言えるでしょう。
参考:
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1468817.html
植物工場
アメリカのカリフォルニア州コンプトン地区では、植物工場を設け垂直式の生産を行うことで、広大な土地や良い土壌を必要としない生産体制を構築しています。
広大な土地を必要としないため、大都市近郊でも生産が可能で輸送コストの大幅な削減に成功しました。
垂直式農業では、完全に閉鎖された室内環境下で、作物を特製のベッドに置き垂直に重ね、上からLED光線などを照射します。
これによって、自然光や土壌の栄養分なしに高品質かつ栄養価の高い作物が生産可能です。
既にアメリカの大手スーパーと提携して野菜や果物を出荷しています。
スマート農業は、生産場所の制約すらなくしてしまう大きな可能性を秘めています。
世界から見た日本のスマート農業の現状
本章では、世界から見た日本のスマート農業の現状について解説します。
日本でもスマート農業は行われているため、その事例を紹介した上で、日本でスマート農業を推進する上での課題を解説します。
何が日本のスマート農業普及を遅らせているのか、それぞれ詳しく解説します。
日本のスマート農業取り組み例
日本でも農業用ドローンによる農薬散布は導入されています。
市場規模こそアメリカに及びませんが山間部や不整形・狭小地などヘリコプターで農薬散布するのが難しい農地でドローンが活用されています。
他にも遠隔操作ができるラジコン草刈り機を導入することによって、人力作業では危険を伴う傾斜地などの草刈りの負担を軽減することに成功。
就農者の安全確保にも寄与しています。
これらの取り組みは個人の就農者だけでなく、法人による大規模農業経営においても大きな効果を上げています。
参考:
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/smart/jirei/attach/pdf/smajirei_2019-181.pdf
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/smart/jirei/attach/pdf/smajirei_2019-170.pdf
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/smart/jirei/attach/pdf/smajirei_2019-171.pdf
日本でスマート農業を推進する上での課題
日本でのスマート農業推進における課題は大きく3つです。
1つ目は、スマート農業の導入コストが高いことです。
スマート農業を取り入れるためには農業用ドローンやセンサーなどの機器を購入する必要がありますが、これらの価格が高く既に人件費高騰などで苦しんでいる農家にとって導入ハードルが高いことが挙げられます。
2つ目は、就農者のICTリテラシーが低いことです。
農林水産省が公表している「農業を担う人材の育成・確保に向けて」では、日本の基幹的農業従事者のうち、65歳以上の割合は69.6%と年配の方が多く、ICT機器に対する馴染みがない年代が大半を占めています。
3つ目は、日本の農業の市場規模自体が就農者の減少と高齢化によって、縮小傾向にあることです。
農業市場自体が縮小すれば、スマート農業に関する技術開発も必要性がなくなることから止まってしまいます。
これらの問題を解決するためには、スマート農業を開発するメーカーやエンジニアと、就農者が一体となって農業自体の発展を目指していくことが求められます。
参考:
https://www.nomuraholdings.com/jp/company/group/napa/data/20171101.pdf
https://www.jasso.go.jp/gakusei/career/event/guidance/__icsFiles/afieldfile/2021/07/09/nourin.pdf
まとめ
今回は、海外におけるスマート農業の取り組み事例を中心に紹介し、日本でスマート農業を普及させるための課題について解説しました。
日本ではスマート農業はまだまだ普及していませんが、需要や発展余地は十分にある分野です。
また、そのための技術もまだまだ発展途上であり、有能なエンジニアを欲している企業はたくさんあります。
Contact EARTH matchingでは、スマート農業など最先端のICT技術に関する案件が多数登録されています。
最先端の技術は扱えるエンジニアも多くないため、発生する報酬も高いものが多いです。
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