本記事では、プログラマーの仕事内容や具体的な就職先の企業、未経験から独学で目指す方法はあるのかなど、分かりやすく解説します。
アプリやゲームのプログラマーは近年、人気が出ている職種です。
まずはプログラマーの概要等知りたいという方は、ぜひご覧下さい。
プログラマーとは
プログラマーとは、「プログラミング言語」を用いてシステムの設計やソフトウェア、アプリケーションの開発などを行う人のことです。
プログラマーと似た職種として、「SE（システムエンジニア）」が挙げられます。
SEとの違いは業務範囲です。
ブログラマーの業務は与えられた仕様書に基づいてソフトウェアの開発やテストに関わるのに対し、SEはそれらの業務に加えて要件定義や基本設計など、より広範な業務を担当します。
プログラマーとSEの違いを詳細に知りたい方は、こちらの記事を併せてご覧ください。
プログラマーと言ってもすべての仕事内容が同じではありません。
担当する分野や開発するシステムやアプリケーションによって、活用する言語が異なるなど、幅があるのが特徴です。
プログラマーの仕事は主に以下の7つに分けられます。
Web系
SNSなどのWebアプリケーション、ECサイトの開発などを行うプログラマーです。
システムやサービスを開発、リリース後に、利用したユーザーの声を聴きながら改善をしていく「アジャイル開発方式」で行うことが多い仕事です。
フロントエンド、バックエンド、フルスタックなど異なる専門領域で担当業務が設けられており、Java、JavaScript、PHP、Ruby、Pythonなどの言語を使用して、仕事を行います。
ゲーム系
ゲーム開発のプログラミングを行うプログラマーです。
家庭用ゲームの開発はもちろんのこと、スマホゲームやソーシャルゲーム、VRゲームの開発などを行います。
具体的にはゲームが正常に動作するようにキャラクターの動きや効果音の設定など、ゲームの動作に必要なプログラミングです。
使用する言語には、主にC#、C++などがあります。
汎用系
汎用機と呼ばれる「大型コンピューター」を開発するプログラマーです。
メインフレームとも呼ばれ、大手企業やメガバンクなどの基幹システムで利用されるシステムを構築します。
これらのシステムは膨大なデータを素早く、適切に、かつ安全に処理できる能力が求められるのが特徴です。
使用する言語には、主にCOBOLが挙げられます。
また、最近ではオープン系システムへの移行も見られる傾向にあります。
オープン・オンラインシステム系
オープン系システムを開発するプログラマーを開発するプログラマーのことを言います。
代表的なシステムには、Linux、UNIXなどが挙げられます。
企業の顧客管理システムや病院の電子カルテの開発などに用いられることが多く、機密性の高いシステムの開発に従事することが多いです。
重要な情報を扱うシステムになるため、障害の発生を最小限に抑え、高いセキュリティレベルを維持することが求められます。
使用する言語には、主にJava、C#、C++、PHP、Ruby、Python、VB.NETが挙げられます。
通信系
ルーターやモデムなどの通信機器や、ネットワーク関連システムの開発に特化したプログラマーを指します。
通信がスムーズに行われるよう構築するプログラミングが主な仕事です。
使用するプログラミング言語には、主にC、C++、Javaが挙げられます。
組み込み系
テレビなどの家電製品や設備システムなどの制御するプログラミングを行うプログラマーです。
関連する製品への専門知識を必要とし、専門分野に特化して対応することが一般的です。
使用する主なプログラミング言語には、C、C++などが挙げられます。
アプリ系
PC、スマホ、タブレット端末向けのアプリを開発するプログラマーです。
端末にインストールして利用する「ネイティブアプリ」、Webブラウザ上で利用する「Webアプリ」などを開発します。
それぞれ使用する言語が異なり、ネイティブアプリではiOS向けのSwift、Objective-C、Android向けではJava、Kotlinなどを活用します。
また、Webアプリ開発にはJavaやJavaScriptといったWeb関連のプログラミング言語を使用されます。
プログラマーの仕事内容
プログラマーは、SE（システムエンジニア）が設計したプログラム仕様書に基づいて、プログラミングを行います。
また、プログラミングのみならず、バグ修正などの作業も必要とされます。
主な仕事内容は以下の通りです。
プログラミング（コーディング）
コンピューターに対して適切な動作を行うように、コードを書いていくのがプログラミングです。
システムやソフトウェアなどは、いくつもの処理を組み合わせて動作しています。
JavaやJavaScript、Pythonなど、開発環境に適した言語を用いて行います。
動作テスト
書いたコードが正常に動いていくかをテストする工程です。
適切な動作をしない場合には、修正を施し、改めて確認をしていきます。
動作テストには、単体テストや結合テスト、システムテストなどさまざまです。
バグ発見・修正
システムが正常に動作するために、バグを特定し、修正するデバッグ業務です。
バグの原因は、コードの打ち間違いや、設計上の問題などさまざまです。
バグを見逃してしまうと、大きなミスにつながる可能性があるため、デバッグは必須のスキルと言えます。
DB構築・実装
システムやアプリケーションの情報を保存、編集するDBの構築・実装を行う業務です。
大規模なシステムでは通常SEがデータベースの構築と実装を担当しますが、小規模なプロジェクトではプログラマーもこれらのタスクを行うことがあります。
バージョン管理
稼働しているシステムやアプリケーションについて、「誰が、いつ、どんなことをしたか」を記録するものです。
ソースコードやSQLファイルなどを適切に管理することが目的です。
バージョン管理を行うことで、システムに不具合が発生した際に過去のソースコードに戻すなどが可能になるなど、多くの利点があります。
プログラマーはどんな企業に勤めている？
プログラマーは働き方によって、業務内容が異なってきます。
それぞれの働き方と業務内容、具体的にどのような企業に勤めているかは、以下の表の通りです。
| 種類 | 業務内容 | 具体的な企業名 |
| Sler | クライアントから要望を受け、システム設計、構築、運用など一括で行う。 | NEC、富士通等 |
| インターネットサービス | ECサイトなど
Web系サービスの開発を行う。 |
Yahoo!、サイバーエージェント等 |
| ソフトウェア企業 | パソコンのOSなどの開発を行う。 | 日本オラクル、オービック等 |
| アプリ系 | クライアントから要望を受け、
適切なアプリ開発を行う |
チームラボ、Pentagon等 |
| ITコンサルティング | クライアント企業の課題を、
ITを活用して改善提案を行う。 |
アクセンチュア等 |
| SES | クライアント企業に常駐しながら、
要望に合わせたシステム構築や設計 などを行う。 |
NSD、富士ソフト等 |
プログラマーに資格は必要？
プログラマーになるために必須の資格はありません。
しかし、自身のスキルを向上させたり、スキルを証明したりするために役立つ資格はいくつかあります。
代表的な資格を5つ紹介します。
ITパスポート
経済産業省に認定されている「情報処理技術者試験」の一つです。
情報処理技術者の入門的な資格となっており、所持していることで、ITに関する身につけた基礎知識を証明できます。
基本技術者試験
ITパスポートと同様に国家資格であり、システムやソフトウェア開発を行う人材を対象とした試験です。
より深いIT知識を有することが証明でき、認知度が高いこともこの資格の特徴です。
Oracle認定Javaプログラマ
日本オラクル社が主催している民間資格です。
取得することで、プログラミング言語であるJavaスキルを有していることを証明できます。
ブロンズ、シルバー、ゴールドの3つのグレードに分かれているのが特徴です。
ゴールドが最も高いグレードであり、シルバーの資格を取得していないと受験資格がありません。
C言語プログラミング能力認定試験
C言語のプログラミングスキルを有することを証明できる資格です。
株式会社サーティファイが提供している民間資格で、3級から1級までのレベルが用意されています。
3級は初心者に適しており、プログラマーを目指す人にとっての入門資格となります。
Ruby技術者認定試験
プログラミング言語であるRubyの基礎知識と応用能力を有していることが証明できる資格です。
一般財団法人Rubyアソシエーションが主催している認定資格で、SilverレベルとGoldレベルの2段階に分かれています。
プログラマーになるには
プログラマーは未経験からでも十分になることが可能です。
具体的には、独学で身につける、プログラミングスクールで学ぶ、または大学の情報系学科で学ぶなどの選択肢があります。
キャリアパス
プログラマーのキャリアパスは、プログラマーからシステムエンジニア、プロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーなどを目指すのが一般的です。
なお、昨今ではプログラマーのプロフェッショナルとしてポジションを用意している企業もあります。
プログラマーの上流工程であるシステムエンジニアは、システムやアプリの設計や仕様書の作成、プロジェクトの進捗管理などを行う仕事です。
プロジェクトリーダーは、プロジェクトマネージャーを補佐し、プログラマーなどの現場の意見を整理することで、プロジェクトが円滑に進むようにする仕事です。
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの責任者として適切な人員配置や進捗管理を行います。
また、顧客との折衝も先頭に立って行う仕事でもあります。
未経験でもなれる？
未経験者でもプログラマーになることは十分に可能です。
求人の中には「未経験から可」というものも少なくありません。
しかし採用に至るには、プログラミングに関する相応の努力が必要です。
まったくのゼロから挑戦するのではなく、副業から実績を作り、ポートフォリオを作成することが有効です。
また、プログラミングスクールで学んだ内容をアピールし、自らの意欲を示すことも重要になります。
まとめ
経済産業省は「IT人材需給に関する調査」において、2030年にはIT人材が最大で79万人不足すると試算しています。
そのため、市場におけるプログラマーの需要はさらに高まることが予想されます。
未経験であっても挑戦しやすい職種であり、さまざまなキャリアパスが存在するため、少しでも興味があれば挑戦をしてみてください。
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