本記事では、除雪作業の課題を解決する除雪DXの事例を8つ解説します。
高齢化や作業員の人手不足、経験値のある作業員の確保など、様々な課題を抱える除雪作業をDXによって、どのように解決しているのか参考にしてみてください。
目次
除雪DXとは
除雪DXとは、ICT技術の活用によって、除雪作業の安全性を高めたり、作業の効率化・省力化を図ったりする取り組みを指します。
除雪DXによって、豪雪地帯における作業員の人手不足や高齢化といった課題解決につなげることが可能です。
他にも、除雪作業員の安全確保にも役立てられています。
除雪DXには除排雪だけでなく、路面凍結防止に向けた取り組みのDX化なども含められることがあります。
主な取り組みは、除雪作業車の位置情報共有やセンサーによる積雪状況の把握、ドローンによる除雪作業の省人化などです。
参照:
・「除雪ビューアー」宮川興業株式会社
・「除排雪管理DX」NTT東日本
・「除雪業務が大幅に効率化。町の相談がきっかけ、ICTで解決」地域社会DXナビ
・「デジタルツイン活用で効率的な雪害対策システム構築へ」地域社会DXナビ
除雪DXの事例8選を紹介
ここからは、除雪DXの取り組み事例8選を紹介します。
自治体や民間企業における取り組みをそれぞれ紹介するので、参考にしてみてください。
● 北海道富良野市
● 北海道岩見沢市
● 秋田県大館市
● エバーブルーテクノロジーズ株式会社
● NTTコミュニケーションズ株式会社
● 株式会社ワイズ
● パーソルAVCテクノロジーズ株式会社
順番に見ていきましょう。
北海道北広島市
北広島市では、除雪作業のコスト増加と作業員の減少に対応するため、北海道庁や株式会社ヴィッツと三者共同で、IoTリスク予見システムを活用する取り組みを始めました。
この取り組みでは、遠赤外線センサーやハザードマップを利用して、人や物体を検知することで誘導員や除雪作業の助手が行う周辺監視作業を代替しています。
具体的には、見通しが悪く事故リスクの高い交差点に円赤外線センサーを設置し、人や車といった動的な物体の検出を行い、ハザードマップに静的な構造物を登録しています。
これによってワンオペによる除雪作業を実現しました。
また、自動運転除雪車の導入も検討されていましたが、こちらよりも安価に省人化が可能であることからIoTリスク予見システムが採用されました。
参照:
・「北海道Society5.0事例集(北広島市・道路除雪作業におけるIoT活用)」北海道
北海道富良野市
富良野市では、積雪状況をWebカメラやセンサーで確認し、巡回中に積雪量を目視で確認する負担の大きい方法から転換することに成功。
同市では、これまで除雪協力事業者への出動要請は降雪予想日の深夜などに職員と事業者が巡回を行い、積雪を目視で確認できた箇所へ出動要請を行っていました。
また、積雪深センサーも活用していましたが、従来のものはセンサーを設置した地点だけを「点」でしか検知できませんでした。
そこで、Webカメラとミリ波センサー、AIによる画像解析を導入して出動要請の効率化に着手。
Webカメラを設置した映像データをAI画像解析で分析し、出動または出動不要の判断を行う方法へ転換しました。
これと併せてミリ波センサーによって積雪状況を「面」で捉えられるようになったため、出動要請の発報を自動化できるようになったようです。
参照:
・「北海道Society5.0事例集(富良野市・積雪状況監視・出動要請の自動化実証事業)」北海道
北海道岩見沢市
岩見沢市では、準天頂衛星システム(みちびき)を活用した除排雪管理を行うことで、経験の浅いオペレーターの作業を支援し、効率的かつ安全性の高い除雪作業を実現しています。
同市では、除排雪作業を担うオペレーターの高齢化や人手不足、土地勘や経験の浅いオペレーターの業務支援が課題となっていました。
そこで、除雪車両にタブレットアプリを搭載し、みちびきによって除雪車両の現在位置や作業履歴をリアルタイムで本部と共有するとともに、得られたデータのBIツールによる可視化・分析を実施。
さらに、タブレット上に車両位置とデジタル地図等をレイヤー表示して、雪に埋まって確認できない電柱や消火栓、ポストなどの位置を把握できるようにしました。
作業時にこれらの設備を傷つけないように、タブレット上で確認できるようにしています。
また、BIツールによって各エリアにおける作業時間の集計や日報・月報をまとめる作業を簡略化することにも成功しています。
参照:
・「北海道Society5.0事例集(岩見沢市・除排雪管理・作業支援システム) 」北海道
秋田県大館市
大館市では、除雪車両にGPSなどの機能を搭載した「除雪車運行管理システム」を導入し、除雪作業状況や除雪車両の運行状況を市民向けにリアルタイムで公開しています。
これによって、誰でも除雪作業を完了した道路や、除雪作業中のエリアを地図上で確認できます。
なお、地図はパソコンだけでなく、スマートフォンからも閲覧できるようになっており、安全に通行できるルートの選定に役立てられています。
エバーブルーテクノロジーズ株式会社
エバーブルーテクノロジーズ株式会社では、除雪用ドローンの開発を行っています。
同社の除雪ドローンは、四輪駆動の躯体に、安全性が高く確実に除雪ができるブレードを搭載しています。リモコンによる遠隔操縦が行えるため、除雪による肉体的な負荷の軽減も可能です。
開発過程では、本体重量がある方がしっかり除雪できるものの、軟雪地域では本体が自重で沈み込んだり、舗装された場所を走行する際に過剰な摩擦を生み、燃費効率を下げたりしてしまうことが判明。
そこで、安定性と除雪性能、メンテナンス性のどれもを両立できるバランスに調節して開発を行ったようです。
参照:
・「無人除雪 除雪ロボット 除雪ドローン 陸上ドローン 小型建設機械 UGV AGV」everblue technologies
NTTコミュニケーションズ株式会社
NTTコミュニケーションズ株式会社では、高精度の位置情報把握や低遅延の映像伝送技術などを駆使して、千葉県に設置した除雪車を約400Km離れた宮城県から遠隔操作する実証実験を行いました。
豪雪地域における除雪作業員の人手不足や、経験値のある作業員が高齢化していることなどを背景に、除雪車の遠隔操作に向けた取り組みを始めたようです。
除雪車のハンドルやアクセルなどの遠隔操作を実施し、映像が遅延なく高精彩で伝送されていることを確認した上で、将来的な自動運転に向けたデータも得られたとしています。
なお、この取り組みでは独自のモバイル回線を用いて映像伝送を行っており、インターネット回線を使用しないことによって、外部からの乗っ取り対策にもなっています。
参照:
・「2023年11月22日:NTT ComとARAV、約400km離れた場所から除雪車を遠隔操作する実証実験を実施|地域からの発表(東北)」NTTドコモビジネス
株式会社ワイズ
株式会社ワイズでは、路面凍結防止剤を自動で散布するシステムを開発しました。
従来、路面凍結防止剤の散布作業は運転手と薬剤散布作業を行う助手の2名で行うのが一般的でした。
同社が開発した路面凍結防止剤の自動散布システムでは、散布計画を事前に登録しておくことで、車両が散布計画のある道路を走行すると薬剤を自動で散布してくれます。
これによって、助手の作業が不要になるため、人員削減が可能です。
また、自動で薬剤を散布するため、過不足なく薬剤を使用できるようになり、薬剤の使用量を減らすことにもつながっています。
そして、薬剤散布の作業実績も確認できるため、作業進捗が運転手や管理部門のスタッフなどにおいてもリアルタイムで把握可能です。
既にこのシステムは長野県や新潟県、青森県において導入に向けた動きが進められています。
パーソルAVCテクノロジーズ株式会社
パーソルAVCテクノロジーズ株式会社では、NTTドコモビジネス株式会社など共同で稚内空港にて2025年11月から自動運転可能な除雪車を走行させる実証実験を行っています。
稚内空港の冬期における安定した空港運営と定時運航の確保のために、除雪作業の効率化が必要とされていました。
そこで、道路において既に導入されている除雪作業の自動化・省力化の取り組みを応用して、空港内に自動運転する除雪車を導入する実証実験を開始しました。
体制としては、高度な位置情報測位システムと、その位置情報を管理する事務所を設置し、先頭を走る自動運転除雪車両に運転制御を行うスタッフ1名を乗車させます。
後続の自動運転車は完全無人で、先頭車両に追従するように設定。
これによって、除雪作業の省人化と経験の浅いスタッフでも除雪業務に就くことができるようになると見込まれています。
参照:
・「除雪車両の省力化・自動化の実現に向けた実証を開始」パーソルAVCテクノロジー株式会社
まとめ
今回は除雪作業の効率化・省人化に役立つ除雪DXの取り組みを8つ解説しました。
除雪が必要な地域は郊外が多く、都心よりも人口減少や高齢化が深刻なペースで進んでいます。
その中で、少ない人員や経験の差に依らない除雪作業を実現するために、除雪DXが求められています。
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