本記事では、今話題の「SX」について簡単にわかりやすくまとめました。
- SXとはそもそもなんなのか?
- なぜ今SXが話題になっているのか?
難しく感じる部分もあるかもしれませんが、詳しく解説するのでこの記事をブックマーク登録しておいて何度も繰り返し読んでみてください!
目次
サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)とは?
2015年9月国連サミットにて「SDGs」持続可能でよりよい世界を目指す国際目標が採択され、企業がサステナブルな活動を本格的に求められるようになりました。
そうした背景のもと、世界中で広がりつつある「SX」が注目を浴びています。SXとは「sustainability transformation」の略称です。
また、2020年新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい、多くの企業が多かれ少なかれダメージを受けました。企業は先行きの見えない未来でどのような経営戦略を立てていくべきなのでしょうか。
「サステナビリティトランスフォーメーション」とは、新型コロナウイルス流行や第4次産業革命などの技術革新による社会の不確実性が高まり続ける中「企業のサステナビリティ(稼ぐ力の持続性)」と「社会のサステナビリティ(将来的な社会の姿)」を同期化させた戦略方針・企業の在り方・投資家との対話の変革を指します。
日本では、サステナビリティトランスフォーメーションは2020年8月経済産業省が発表した「サステナブルな企業価値創造に向けた対話の実質化検討会」にてその重要性が提唱されました。
目まぐるしく変化している社会において、中長期的な企業価値向上の実現のためには、サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)の実現の重要性が一段と高まっています。
サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)が注目される理由
続いてサステナビリティトランスフォーメーションが注目される理由について解説していきます。
不確実性の高まり
テクノロジーの進化による産業構造の変化、地球温暖化などの環境問題、新型コロナウイルスの流行などにより、私たちをとりまく環境は異常なスピードで変化し、未来が見通せないほどの社会の不確実性が高まっています。
2020年5月に開催された「第3回 産業構造審議会 成長戦略部会」の基礎資料によると、世界の不確実性指数の推移は1980年から2020年の間でかつてない程に上昇していると発表しています。
また、同資料の全国の大企業、中小企業を対象としたアンケート調査では2020年3月時点で63%の企業の売上が減少したと報告されています。
こうした背景により、従来の価値観を激変させるような出来事が起きたときに企業が持続可能性を持つことが重要視されています。
中長期的な企業の成長課題
不確実性が高まりを見せていく中、企業のサステナビリティを高めていくには、長期の時間軸を前提にした投資家との対話を行っていく必要があるとされています。
対話の中では、短期的な業績に向上のみならず長期的な戦略方針を立てることが重要です。しかし、企業と投資家の間では以下のような認識のギャップがあると経済産業省は示しています。
- 多角化経営・事業ポートフォリオ・マネジメント
- 新規事業創出・イノベーションに対する種植え
- ESG/SDGs などの社会的価値と経済的価値の両立・アラインメントの確保に向けた取組
サステナビリティ・トランスフォーメーションではこうした認識の齟齬を減らし「企業・投資家双方が、前提としている時間軸を、意識的に5年、10 年という長期の時間軸に引き延ばし、共通の「長期の時間軸」を前提に、対話を行っていくことが必要」としています。
参照:)「サステナブルな企業価値創造に向けた対話の実質化検討会」中間取りまとめを行いました
また、米国デロイトトーマツの情報サイト「Deloitte Insights」の論文紹介によると
気候変動は前例のない規模の危機であり、広範囲の持続可能性リスクを増大させる恐れがあります。組織は対応する圧力が高まっています。多くの人は、将来のビジネスの成長のための新しい機会と道を見つけるために、ビジネスモデルを持続的に変革する必要があります
引用元:)https://www2.deloitte.com/us/en/insights/topics/strategy/sustainable-transformation-in-business.html
と警報を鳴らしています。こうした環境の変化、テクノロジーの発達などの外部環境の急速な変化に対応するためのサステナビリティ・トランスフォーメーションが注目されているのです。
消費者意識の変化
昨今、環境の変化に伴い、エシカル消費が注目を浴びています。消費者庁によると、エシカル消費(論理的消費)は以下の様に解説されています。
消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと。
消費者庁が行った「倫理的消費(エシカル消費)」に関する消費者意識調査によると「エシカル消費について、どの程度興味がありますか。」について2016年の調査では、約36%に対して、2020年の調査では約60%と大幅に上昇していることが分かります。
参照:)「倫理的消費(エシカル消費)」に関する消費者意識調査報告書
サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)を実現するには
では、サステナビリティ・トランスフォーメーションを実現させるためにはどういったことが求められるのでしょうか。
企業のサステナビリティを高める
企業のサステナビリティを高めるにはどうしたら良いのでしょうか。経産省によると企業としてのサステナビリティ(稼ぐ力)は下記の様に定義されています。
企業としての稼ぐ力(強み・競争優位性・ビジネスモデル)を中長期で持続化・強化する、事業ポートフォリオ・マネジメントやイノベーション等に対する種植え等の取組を通じて、企業のサステナビリティを高めていくこと 引用元:)サステナブルな企業価値創造に向けた対話の実質化検討会中間取りまとめ
社会のサステナビリティを高める
また、同資料によると社会のサステナビリティを高めるためには下記の通りとされています。
不確実性に備え、社会のサステナビリティをバックキャストして、企業としての稼ぐ力の持続性・成長性に対する中長期的な「リスク」と「オポチュニティ」双方を把握し、それを具体的な経営に反映させていくこと
引用元:)サステナブルな企業価値創造に向けた対話の実質化検討会中間取りまとめ
サステナビリティ・トランスフォーメーションを実現するためには、「企業」と「社会」の持続可能性を高めるために投資家との対話をとおして実現させていくことが重要とされています。
補足として、SXの取り組みを具体化させるために、2021年5月に経産省は「サステナブルな企業価値創造のための長期経営・長期投資に資する対話研究会(SX研究会)」を立ち上げました。
本研究会では「社会のサステナビリティ」を取り込んだ経営や企業と投資家との対話の在り方の課題の明確化にしていくとされています。今後も研究会はSXについての情報開示を積極的にしていく方向性です。
参考:)サステナブルな企業価値創造のための長期経営・長期投資に資する対話研究会(SX研究会)
SXに必要とされるダイナミック・ケイパビリティとは
ダイナミック・ケイパビリティとはデイヴィッド・J・ティース氏が提唱した戦略経営論です。
これを端的に言うと「環境変化などの不確実性の高まり」に対しての組織の自己変革能力を指します。SXの実現にはこの適応能力が必要とされ、組織全体で変化をしていかなければなりません。
ダイナミック・ケイパビリティについて経産省が発表した「2020年度版ものづくり白書」によると以下の様な3つの能力が必要とされています。
- 脅威・機会の感知(Sensing)
- 機会を捕捉して、資源を再構成・再結合し、競争優位を獲得(Seizing)
- 競争優位性を持続可能なものにするために組織全体を変容(Transforming)
参照:)2020年版 ものづくり白書
サステナビリティ・トランスフォーメーションのまとめ
サステナビリティ・トランスフォーメーションとは、企業と社会それぞれのサステナビリティを組み合わせ事業経営に組み込んでいく変革です。
これからの世界では、環境問題やテクノロジーの変化に対応するための「持続可能性」を持ち合わせることが企業の生き残りを左右すると言っても過言ではありません。本記事がSXについて参考になれば幸いです。
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