本記事ではBIツールの概要や主な機能を解説した上で、企業や自治体における活用事例5選を紹介します。
BIツールによってどのように業務効率化を達成し、DX推進につなげているのか詳しく知りたい方は、本記事を最後までご覧ください。
目次
BIツールとは
BI(Business Intelligence)ツールとは、事業者が保有するビッグデータを集約・分析し、新たな知見を見出すためのツールです。
経験や勘に頼った判断から、データを基にした経営判断へ転換したい企業などで導入が進んでいます。
事業者は、顧客情報や販売履歴といった構造化データや、メールやSNSに投稿されたテキスト、画像などの非構造化データを大量に保有していますが、全てを有効活用することは難しいです。
また、データが複数のシステムで管理されていることも多く、横断的に分析・活用することは簡単ではありませんでした。
BIツールを活用すれば、膨大なデータから必要なものを抽出し、グラフやレポートなどにまとめられます。
参照:
・「BIツールとは?機能やメリット、活用事例、選び方をわかりやすく解説」NTT東日本
・「BIツールとは?基本から仕組みまでかんたん図解」ラキール
BIツールの主な機能
次にBIツールの主な機能を解説します。
どのようなことができるツールなのか、具体的に知りたい方は参考にしてみてください。
● データ分析
● データの可視化
基幹系システムなどと連携したデータ収集
企業が各部署や各基幹系システムでばらばらに保有しているデータを収集・統合することができます。
大企業などでは部署ごとに保有しているデータが多く、部署内でのデータ活用に留まるケースも少なくありません。
BIツールでは、社内のデータを横断的に収集できるため、部署間でデータを共有するためのやり取りを行う必要がなくなります。
販売データや仕入先への発注データ、商品の在庫データなどを統合的に分析することで、これまでわからなかった知見を得ることにつなげられます。
参照:
・「BIツールとは?機能やメリット、活用事例、選び方をわかりやすく解説」NTT東日本
・「BIツールとは?基本から仕組みまでかんたん図解」ラキール
データ分析
BIツールでは、基幹系システムなどから収集したデータの分析が可能です。
全社横断的にデータを集め、分析することは作業量が膨大で人間には難しいです。
また、ビッグデータを扱う分析は専門家でないとうまく扱えない可能性があります。
BIツールでは、ビッグデータの分析に必要な機能が充実しているため、データサイエンティストのような専門家でなくても、担当者がツールを直感的に操作するだけで、分析が可能です。
参照:
・「BI ツールとは?便利な機能や利用のメリット、選び方」Tableau
・「BIツールとは?基本から仕組みまでかんたん図解」ラキール
データの可視化
各基幹系システムからデータを収集・分析しても、分析結果が見やすくまとめられていなければ、経営判断を行う上層部への説明がうまくいかない可能性があります。
分析結果をグラフや表などにまとめて可視化できるBIツールを導入すれば、わかりやすい資料を作る手間を省けます。
また、BIツールと基幹系システムを連携すれば、リアルタイムでグラフや表などを自動更新可能です。
参照:
・「BI ツールとは?便利な機能や利用のメリット、選び方」Tableau
・「BIツールとは?基本から仕組みまでかんたん図解」ラキール
BIツールの活用事例
本章では、BIツールの活用事例を5つ紹介します。
企業や自治体でどのようにBIツールが活用されているのか、詳しく知りたい方は参考にしてみてください。
● 日本空港ビルデング
● トヨタ自動車東日本
● サコス
● 神戸市
バリューコマース
ECサイトにおける集客支援などを行うバリューコマースでは、BIツールの導入によって、経営陣がリアルタイムで各部署が管理するデータや数値を把握できるようになりました。
従来は、数字やデータの管理を部署ごとに行っており、経営陣がクライアントの現在の情報を知りたいといった場合に、各部署から数値を集めて提出しなければなりませんでした。
また、集めた数字も部署によって更新のタイミングが異なるため、最新の数字であるとは言い切れなかったようです。
どれが最新ファイルかわからず、照会がある度にデータを探していた担当者もいたとのことです。
そこでBIツールの導入を行ったところ、これまで週に1回程度レポートを作成して経営陣へ報告していましたが、リアルタイムでデータの確認をしてもらえるようになりました。
導入当初はレポート作成を主に担っている社員に限ってアカウントを配布していたものの、2年後には全社的に利用するようになりました。
参照:
・「【導入事例】バリューコマース株式会社」Yellowfin BI
日本空港ビルデング
東京国際空港(羽田空港)の旅客ターミナル運営を中心に、物品販売や飲食業などを行っている日本空港ビルデングでは、空港利用者評価世界第1位のビジョンを実現するために、BIツールの導入を行いました。
同社では、ビジョンの実現に向けて顧客満足度の把握、混雑状況の予想と把握、基幹業務システムの改善の3つの取り組みを推進しています。
このうち、顧客満足度の把握について、大量のデータを即時かつ適切に分析することが課題となっていました。
Web上でのアンケートや紙媒体でのアンケート、実店舗などにおけるタッチパネル式のアンケートなど、チャネルが複数あり、1つのデータベースへ集約するのに苦労していたようです。
そこでBIツールを導入したところ、大量に集まるユーザーの声を即座に集計・分析し、全体の傾向などをサマリーとしてまとめてくれるようになったため、生産性の向上に大きく寄与しています。
データの集計や分析については、人間の何十倍もの速度で行うことができるようになったと実感しているようです。
参照:
・「顧客体験向上&DX推進に向けた”LaKeel BI Concierge”の活用」ラキール
トヨタ自動車東日本
トヨタ自動車東日本株式会社では、BIツールの導入によって、製造現場の品質管理や塗装の発色を計測する際に使用していた紙帳票の使用を止められるようになり、生産性が向上しました。
従来は、作業工程ごとに基準値を満たしているかどうか確認する帳票が紙媒体であったため、効率化の面で課題を抱えていたようです。
また、塗装工程において、部品に塗装を行なった段階で発色を計測し、その結果を手作業でグラフ化・分析するのに時間がかかっていました。
BIツールの導入によって、タブレットで帳票へ入力したり、Bluetooth接続による測定器と自動連携を行ったりして、グラフ化や帳票入力作業の効率化に成功しました。
これに加えて作業の確実性が増し、異変の兆候をつかむことができるようにもなったようです。
参照:
・「トヨタ自動車東日本株式会社 | 導入事例」 ウイングアーク1st
サコス
建設機械などのレンタルやリースといった事業を行っているサコスでは、基幹系システムや営業支援システム(SFA)、オンプレミスで使用しているパソコンなどに社内データが点在しており、統合的に活用できている状態ではありませんでした。
また、経験と勘に頼った経営からデータに基づいた経営に転換したいと考えていましたが、データを有効活用する方法に課題を抱えていたようです。
他にも、データがクラウド化されていないため、毎年の予算編成時に資料を添付したメールが飛び交い、集計業務が煩雑になっていました。
そこでBIツールを導入したところ、自社サイトへのアクセス状況をダッシュボードに取り込み、成約状況と照合するなどして横断的なデータの利活用が進められるようになりました。
予算編成時においても、従来は各営業所で作成されたExcelファイルをメールで送ってもらい、必要に応じて修正を依頼し、修正版をまたメールで受け取るといった流れでファイル管理が煩雑になっていたようです。
BIツールの導入によってデータを共有できるようになったため、メールでのファイルのやり取りがなくなり、手間を例年の半分程度のボリュームに抑えられるようになりました。
参照:
・「社内外のデータを”LaKeel BI”で融合させ、営業戦略立案のあり方を一新するサコスの挑戦!部門を横断したデータマネジメントで予算編成の大幅な効率化も実現」ラキール
神戸市
神戸市では、2015年からデータ利活用の取り組みが本格的に進められましたが、Excelを使用したデータ分析が従来は主流でした。
しかし、Excelでは事前に分析するデータを取り込んでから入力・分析する必要があるため、絞り込みの段階で主観が入ることから、客観的な分析が可能なツールを探していました。
そこで先にデータを全件読み込んでから分析を行えるBIツールを導入。
これまでに救急搬送に関するデータや市内の人口統計データの可視化と、そのダッシュボードの庁内共有が行われています。
2022年には、庁内のポータルサイトで政策立案に必要なダッシュボードの共有を開始しました。
同年には、統計データの利活用について、総務大臣から表彰を受けています。
参照:
・「EBPM の基盤に Tableau を活用し全職員のデータ閲覧環境を整備」Tableau
まとめ
今回はBIツールの概要や主な機能、企業や自治体における活用事例を解説しました。
BIツールは保有するデータを全社横断的に分析・可視化できるため、扱う情報量が多い企業ほどメリットがあります。
今回紹介した活用事例においても、多くの企業で生産性向上や業務効率化につながっており、DX推進にも役立てられています。
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