小規模企業共済とは?個人事業主必見のメリットとデメリットについて解説

本記事では、フリーランスの方が不安に感じられることの多い保障面について、小規模企業共済の概要とメリット・デメリットを解説します。

本記事を最後まで読むことで小規模企業共済に加入するメリットを理解し、より効果的に活用することができるようになるでしょう。

フリーランスは場所や時間に縛られない自由な働き方である反面、保障面が弱いのが大きなデメリットです。

全国的なネットワークと包括的な保障体制が備わった小規模企業共済は、フリーランスとして働く方のリスクを軽減し、安心して働き続けられる環境を提供する制度のため、内容をしっかり理解することで、不安やリスクを軽減することができます。 

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小規模企業共済とは 

小規模企業共済とは、昭和40年に小規模企業共済法に基づき制定された制度です。

国の機関である独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営を行っています。

小規模企業の経営者や個人事業主、役員の方などが積み立てにより掛金を拠出し、退職や廃業した場合に生活の安定や事業の再建を図るための資金として共済金を受け取ることができます

在職中に掛金を積み立てて、職務を離れた時に受け取れることから、会社員の退職金に近い役割です。 

参考
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=340AC0000000102
https://www.chusho.meti.go.jp/faq/faq/faq15_shokibokyosai.htm 

加入できる人は?(加入資格) 

小規模企業共済に加入するための加入資格は次の通りです。 

  1. 建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社等の役員 
  2. 商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または会社等の役員 
  3. 事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員、常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員 
  4. 常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員 
  5. 常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員 
  6. 上記「1」と「2」に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人につき2人まで) 

引用:独立行政法人 中小企業基盤整備機構「加入資格」 

 上記の1から6の要件を満たすことで基本的には小規模企業共済に加入できますが、共同経営者の要件を満たしていない配偶者等の事業専従者や、社会福祉法人・NPO法人等の直接営利を目的としない法人の役員、商業登記簿謄本に役員登録されていない役員の方等は、加入することができません。 

参考:https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/entry/eligibility/index.html

掛金と受取金について 

小規模企業共済の掛金は、月額1,000円から70,000円の範囲内において500円単位で自由に選択できます。

加入後に掛金を増額又は減額することも可能です。

掛金は前納でき、前納した場合は一定割合の前納減額金を受け取れます。 

掛金の納付方法は、個人の預金口座から振替によって払い込み、振替日は毎月18日(18日が休日の場合は翌営業日)です。

納付は月払い、半年払い、年払いから選択できます。

受け取れる共済金については、共済金A、共済金B、準共済金、解約手当金の4つから要件を満たしているものが支給されます。

個人事業主、法人役員、共同経営者それぞれで支給要件が異なりますが、いずれも事業を廃業した場合または退職した場合に受け取りが可能です。 

受け取り金額については、掛金の納付月数・金額と共済金の種類によって基本共済金が規定されています。

毎年度の運用収入等に応じて、経済産業大臣が毎年度定める率により算定される付加共済金がある場合は、その金額が加算して支給されます。 

参考
https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/about/installment/index.html
https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/about/proceed/index.html 

小規模企業共済に加入する3つのメリット 

小規模企業共済に加入するメリットは次の3点です。 

  • 掛け金は所得控除の対象となる 
  • 退職金代わりになる 
  • 貸付制度がある 

それぞれ詳しく解説します。 

掛金は所得控除の対象となる 

小規模企業共済で支払った掛金は全額を小規模企業共済等掛金控除として、所得控除を受けることができます。

所得税では課税対象となる課税所得を次の式で計算します。

課税所得=総収入金額-必要経費-所得控除 

小規模企業共済等掛金は、式中の「所得控除」に該当し、所得控除の額が大きくなるほど、課税所得が減り、所得税額の減額が可能です。

1年以内の前納掛金も所得控除に含められます。

ただし、掛金は、共済加入者の収入の中から払い込むため、事業の必要経費や損金には含められません。 

参考
https://biz.moneyforward.com/tax_return/basic/55826/#i-2
https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/about/installment/index.html 

退職金代わりになる 

小規模企業共済の共済金は廃業・退職した時等に受け取れるため、会社員の退職金代わりになります。

個人事業主の方の場合、個人事業(複数の事業を営んでいる場合は全ての事業)を廃業した場合や65歳以上で180ヶ月以上掛金の払い込みを行った場合などに受け取り可能です。

受取金額は共済掛金の金額や納付月数、受け取る共済金の種類によって異なりますが、まとまった金額になるため、時期・金額ともに会社員の退職金と近い性質のものとして受け取れます。 

参考
https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/about/proceed/index.html 

貸付制度がある 

小規模企業共済の加入者は掛金の範囲内で事業資金の貸し付けを受けられます。

もしもの時の事業資金を借り入れできるので、突然の事態にも対応できるメリットがあります。

貸付制度は、借入金額は掛金の納付月数によって変動し、掛金の7割から9割を上限として、最大2,000万円までの借り入れができる一般貸付制度等7種類です。

各制度の概要を以下の表にまとめました。 

貸付制度の名称 概要 
一般貸付制度  掛金の範囲内で、迅速に事業資金を借り入れできる制度 
緊急経営安定貸付け  経営環境の変化等による一時的な売り上げの減少のために資金繰りが困難な場合に、低金利で借り入れできる制度 
傷病災害時貸付け  疾病または負傷による入院や災害による被害を受けた場合に、事業資金を低金利で借り入れできる制度 
福祉対応貸付け  共済契約者または同居する親族の福祉向上のために必要な住宅改造・福祉機器購入のための資金を低金利で借り入れできる制度 
創業移転時・新規事業展開等貸付け  新規開業・転業・事業多角化に要する事業資金を低金利で借り入れできる制度 
事業承継貸付け  事業承継(事業用資産又は株式等の取得)に要する資金を低金利で借り入れできる制度 
廃業準備貸付け  個人事業の廃止または会社の解散を円滑に行うための資金を低金利で借り入れできる制度 

経営状態の悪化に関する借り入れ制度だけでなく、疾病や災害、福祉対応、廃業時など様々な借り入れ制度が整備されています。 

 参考
https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/about/loan/index.html 

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小規模企業共済に加入する3つのデメリット 

小規模企業共済に加入するデメリットは次の3点です。 

  • 受け取り時に課税対象となる 
  • 期間が短いと掛け捨てになるリスクがある 
  • 加入期間が20年未満だと元本割れの可能性がある 

それぞれ詳しく解説します。 

受け取り時に課税対象となる 

小規模企業共済は掛金を支払った時は、所得控除を受けられますが、受け取った共済金は所得として課税対象になります。

共済金の受け取り方法は一括受け取りと分割受け取り、一括・分割の併用の3種類があり、受け取り時の税法上の取り扱いは、受け取り方法によって異なります。

税法上の取り扱いは、一括受け取りの場合は退職所得、分割受け取りの場合は雑所得、併用する場合、一括分は退職所得、分割分は雑所得です。 

せっかく支払い時に所得控除が受けられても、受け取り時に課税されてしまうのは大きなデメリットです。

ただし、退職所得には税額計算の過程で大きな控除が適用されます。

受け取り方法を選択する際の参考にしてください。 

参考
https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/about/proceed/index.html 

期間が短いと掛け捨てになるリスクがある 

小規模企業共済の共済金は個人事業や会社役員を廃業・退職した場合に受け取れますが、掛金納付月数が一定未満の場合、掛け捨てになる場合があります。

具体的には掛金納付月数が6ヶ月未満の場合に共済金A、Bが、12ヶ月未満の場合に準共済金、解約手当金が掛け捨てになります。

小規模企業共済に加入すれば、いつ事業を辞めても共済金が支払われるということではないので、注意が必要です。

ただし、災害などの加入者の責めによらない理由によって生じた掛金の滞納については、共済契約を継続することが可能です。 

加入期間が20年未満だと元本割れの可能性がある 

掛金納付月数が20年(240ヶ月)未満で任意解約をした場合は、受け取れる共済金が元本割れ(掛金合計額を下回る)になる可能性があります。

これは掛金納付月数が20年以上であっても、途中で掛金を増額または減額し、掛金区分ごとの納付月数が240ヶ月を下回る場合には、元本割れのリスクがあります。

掛金区分とは、毎月の掛金納付額を500円ごとに区分したものです。

掛金額を変更すると、別の掛金区分という扱いになるので、注意が必要です。 

まとめ 

今回は個人事業主やフリーランスの方が気になる小規模企業共済についてわかりやすく解説しました。

フリーランスになると退職金がもらえないため、老後資金など将来的なお金の不安を持つ方も多いでしょう。

そんな方のために退職金代わりとなる小規模企業共済があります。短期間で解約してしまうと元本割れや掛け捨てになってしまうデメリットはあるものの、長期間フリーランスで活動をされる予定の方には所得控除が受けられるなどのメリットの方が大きいです。

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