農業は私たちが生きていく上で欠かせない、食べ物を生産する仕事です。
農業には、熟練の農家にしかできなかったり人の手で行ったりする作業が多く存在しています。
しかし近年のデジタルテクノロジーの発展によって、ICT(情報通信技術)やロボットを活用する「スマート農業」が普及してきました。
スマート農業はアグリテック(AgriTech)とも呼ばれ、国内外で注目を集めています。
本記事では、農林水産省による「スマート農業とは?」という部分から、導入するメリットや今後の課題、導入事例などを解説していきます。
ぜひ本記事をご参考にスマート農業を取り入れてみてください。
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目次
スマート農業とは
農林水産省はスマート農業を「ロボット技術や情報通信技術(ICT)を活用して、省力化・精密化や高品質生産を実現する等を推進している新たな農業」と定義しています。
日本の農業は高齢化が進み、労働力不足が大きな課題です。
農林水産省の「農業労働力に関する統計」によると、農業従事者は2015年の175.7万人から2023年には116.4万人まで減少しています。
スマート農業はICTやロボット、AIを取り入れて人の手による無駄を省く、新しい農業の形です。
スマート農業を導入するメリット
次に、スマート農業を導入するメリットを5つ解説していきます。
農作業を効率・自動化できる
自動トラクターやドローンを活用したスマート農業によって、これまで人の手で行なっていた作業を自動化でき、効率的に作業を進められます。
農林水産省の「農業労働力に関する統計」によると2023年の段階で農業従事者の平均年齢は68.7歳で、うち65歳以上の従事者が占める割合は82.3%となっています。
手作業による農産物の管理や重い荷物の積み下ろしは、高齢化が進む日本の農家には大きな負担です。
テクノロジーを活用すれば農業従事者の負担が軽減でき、働く環境の改善に期待できます。
農産物の品質を向上させる
農産物の品質を向上させるには、その農産物にとって最適な温度や湿度の環境を作り、常に維持・管理しなければなりません。
これまでは、熟練の農家が長い年月をかけて得た経験と知恵をもとに、農産物の品質を保っていました。
センサーによるモニタリングなどを活用したスマート農業によって、細かな栽培管理が行え、再現性高く高品質な農産物を生産できるのです。
農業にデータを活用できる
ビッグデータやAIといったデータを農業に活用することで、農産物の栽培における傾向や問題点が分かり、改善に向けた対策が行えます。
またスマート農業では、農産物の生育や害虫の発生を予測したり、うまみや成熟度をセンサーで計測したりでき、これまで以上の付加価値を消費者へ提供できるようになります。
農業技術の継承がしやすくなる
従来は経験を積んだ熟練の農家でなければ、新規参入者へ農業のノウハウを教えることができませんでした。
しかし、あらゆる農作業をデータで記録することで、ベテラン農家の経験や知見を再現性高く、誰にでも継承できます。
スマート農業の導入は農業への参入ハードルを下げ、農業従事者の増加に寄与するでしょう。
食料自給率の向上に貢献する
現在の日本では、食料自給率の低さが大きな課題です。
そのため農林水産省は、国内の食料自給率(カロリーベース)を2018年の約37%から、2030年までに45%へ高める目標を掲げています。
スマート農業による農作業の効率化は、人手不足の解消や新たな農地の活用に貢献し、農作物の生産量アップにつながるため、食料自給率の向上が期待できます。
スマート農業を導入する際の課題やデメリット
農業に大きなメリットをもたらすスマート農業ですが、導入する際の課題やデメリットもあります。
具体的に4つの課題・デメリットを解説していきます。
導入するコストが高い
スマート農業にはICTやロボットなどの機器が不可欠で、導入コストが発生します。
機器によっては1,000万円を超える価格のため、小規模な農家にとっては費用対効果に見合わないケースも多い状況です。
政府は農業支援サービスとして、低金利の融資や補助金制度などを用意しており、導入コストの負担を軽減できるケースもあります。
今後も農業従事者に対するサポートの充実が、スマート農業の普及には重要でしょう。
機械やデータを扱える人材の不足
スマート農業では先進技術を活用した機器を扱える人材が必要不可欠です。
高齢化している日本の農家では、機器やデータを扱える人材が不足しており、スマート農業の導入における課題になっています。
ITに不慣れな人でも使いやすい機器の開発や、スマート農業を担える人材の教育が今後ますます求められます。
地域によっては情報通信環境が整っていない
一部地域では、スマート農業に必要不可欠な情報通信環境が整備されておらず、データ通信やGPS位置の制御が難しい場合があります。
インフラ整備が進むことで、これまでスマート農業を導入できなかった農業従事者にも促進できるようになるため、さらなる国や自治体によるサポートが求められるでしょう。
機器間の互換性が低く、拡張性がない
スマート農業で使用するシステムや機器は、さまざまな企業が独自の規格や方式で開発しています。
したがって、メーカーによって性能に差が出てしまい、機器間での互換性に乏しいケースがあります。
そのため、農業従事者側で事前に製品の情報を収集し、自分たちの使用環境に適したものを選ばなければなりません。
スマート農業の導入事例
実際にスマート農業を導入した事例には、どのようなものがあるのでしょうか。
具体的な成功事例を3つ解説していきます。
農業用ドローン
ドローンとは遠隔操作ができる小型の無人機のことで、スマート農業で幅広く活用される機器です。
たとえば、下記などに活用されています。
● 生育や害虫のセンシング
● 農作物などの運搬
農林水産省によれば、農薬散布用ドローンの販売数は2018年度の1,214台から、2021年度には3,586台と増加しています。
また各メーカーによってドローンの性能向上に取り組むほか、ドローンに対応した農薬の開発も進められており、今後さらに普及が進むでしょう。
ロボット農機
トラクターやコンバインを自動化した「ロボット農機」がクボタやヤンマーアグリジャパンといったメーカーで製品化され、スマート農業に貢献しています。
ロボット農機の運転は無人であり、クラウドサーバーからの無線通信で指示を伝えます。
PCのみで動かせるため、人による作業がほとんど発生せず、労力と手間を削減できるのです。
5G(第5世代移動通信システム)を活用し、監視者がリアルタイムで作業の安全を確認できる実証実験が進むなど、今後さらにロボット農機は進化を遂げていきます。
環境制御技術
環境制御とは、温度や湿度などの環境要因を、農作物の栽培に適した状態に調整することです。
たとえば、ビニールハウス栽培におけるICTやAIを活用した環境制御が挙げられます。
スマートフォンからハウス内の環境を確認できたり、システムを遠隔操作できたりする上に、システムが環境を自ら検知し、自動で作動させることも可能です。
環境制御技術によって、農作業の効率・自動化ができ、農作物の品質向上と生産量アップにつながります。
まとめ
高齢化が進む日本の農業界において、今後の農業従事者の減少は避けられません。
しかし、ICTやロボット技術を活用したスマート農業によって、農作業の省力・効率化が実現し、新たな価値提供にもつながります。
しかしスマート農業は、導入コストの発生や機器を活用できる人材の不足などの課題を抱えます。
国や自治体のサポート、各メーカーにおける機器やシステムの開発が進めば、より多くの農業従事者にスマート農業が普及するでしょう。
ぜひ本記事を参考に、スマート農業を取り入れてみてください。
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