- デジタイゼーション
- デジタライゼーション
- デジタルトランスフォーメーション
これら3つの用語を初心者にもわかりやすく解説します。
初心者の方はわからなくなったら読み返せるようにこの記事をブックマーク登録しておいて理解を深めましょう。
目次
DXは3階層でできている

では企業はどのようにして「デジタルトランスフォーメーション」を実現していけばよいのでしょうか。
実はデジタルトランスフォーメーションを実現するためには、「デジタイゼーション」「デジタライゼーション」と呼ばれる2つのデジタル化を踏んでいく必要があります。
要するに、2つのデジタル化さえ進んでいない企業では、DXを実現させようとしてもうまくいかないのです。
国内で「DXがうまくいかない」といった悩みを多くの企業が抱えている背景には、デジタイゼーションさえも適切に実現できていないのに、いきなりDX実現ばかりに目を向けてしまうことにあります。

デジタイゼーションとは

デジタイゼーションとは、局部的なデジタル化を指します。
経済産業省はデジタイゼーションを「アナログ・物理データのデジタルデータ化」と定義づけています。
日本で議論になりました「ハンコのデジタル化」というのは正に「デジタイゼーション」を指しています。
デジタイゼーションを通して得られるメリットは、局部的な業務の効率化、コスト削減などが挙げられます。
例えば、オンライン商談ツールを利用し、商談時の内容を録画してデータとして管理するといったように、アナログであったものをデジタル情報として取り扱えるようにすること等が上げられます。
具体的な事例として東京都の取り組みをご紹介します。
東京都では都政のDX推進として5つのレス(ペーパーレス、はんこレス、キャッシュレス、FAXレス、タッチレス)の徹底に向けて取り組んでいます。
紙やはんこをベースにしたアナログ環境から、オンライン・デジタルをベースにしたデジタル環境へと転換し、都政のデジタルトランスフォーメーション推進につなげるためです。
取り組みの結果は以下の通りです。
ペーパーレスでは、「2016年度比でコピー用紙調達量を70%削減する」という目標を掲げていました。
2016年度約2億枚だったコピー用紙の使用量は、2022年度約5695万枚と72.0%削減を達成しました。
はんこレスでは、文書の電子決定率100%と押印の廃止に取り組んでいます。
文書の電子決定の促進については、2023年3月末時点で電子決定率99.8%となっており、押印の廃止については、対象の事務約14,600件のうち、累計で約7,000件(全体の約48%)の押印廃止を実現しました。
そのほか3つのレスに対しても、都民利用施設78施設にキャッシュレス決済の導入や業務フローの見直しや送受信の電子化設定、イベントなど都庁や事業所に来庁することなく参加できるWeb開催など取り組みを進めています。
参照:
・「DX推進に向けた5つのレスの徹底方針」#シン・トセイ 都政の構造改革推進チーム
・「進捗状況(2023年1~3月):5つのレス徹底推進プロジェクト」シン・トセイ – 都政の構造改革ポータルサイト
デジタライゼーションとは

デジタライゼーションとは、デジタイゼーションでデジタルに置き換えたデータを活用し、さらにビジネスや業務フロー全体を効率化し、組織の生産性を向上させた状態のことを指します。経済産業省はデジタライゼーションを「個別の業務・製造プロセスのデジタル化」と定義づけています。
例えば、オンライン商談ツールを活用し、録画内容をデータとして管理しつつ、商談率UPを目指して振り返りを実施する。そして、そのデータを活用し、社員への研修プロセスを社員がいつでもアクセスできる教材としてデータを活用し、潜在顧客に対し柔軟でスピーディーな対応をするような組織体制を作り上げた状態などが該当します。
具体的な事例を一つご紹介します。
三菱総研では、自治体相談業務のデジタル活用を促進させるため、神奈川県の横須賀市や秦野市で実証実験を進めています。
取り組みは以下の流れです。
②次に、相談内容の関係部署との共有や、制度・サービスの内容表示、さらには類似事案を抽出する作業が、AIを使ってオンラインで可能となる
③この過程で蓄積された相談記録データの分析により、ベテラン職員と同等の的確な支援メニューの提案だけでなく、予防対策の実行
①がデジタイゼーションで、この②のステップが、デジタライゼーションとなります。
③はDXであり、この後詳しく解説します。
参照:
・「住民と行政のコミュニケーションを変える自治体DX 」MRI 三菱総合研究所
デジタルトランスフォーメーションとは

デジタルトランスフォーメーションとは、『テクノロジーが進歩していくに伴い、目まぐるしく変化する産業構造と新たな競争原理を機会、あるいは事業を継続する上での脅威と捉え、対応すべき』という示唆を根底とした意味合いで使用される言葉です。
つまり、『外部環境の変化に柔軟に対応し、競争優位性を確立することを目的に、目的遂行の手段として製品やサービス、ビジネスモデルの変革を講じること』を指します。
デジタイゼーション、デジタライゼーションの進化系として、存在するデジタルトランスフォーメーションを先述したオンライン商談ツール利用例を基に説明します。
オンライン商談ツールをDXフェーズまで進行させ、社員への教育をコンテンツ化したうえで、いわゆるEラーニング商材として新たなビジネスを誕生させた状態がデジタルトランスフォーメーションと言えます。
DXとデジタライゼーションの違いは「人や組織に関する変革」と考えてください。
デジタライゼーションが、デジタル技術を通して、組織の業務最適化などを目指すものに対して、DXとは会社の文化や風土そのものを変えるといった明確な違いがあるのです。
本記事の最後にDXについて掘り下げて解説致します。
デジタルトランスフォーメーションという概念を整理してみることで、デジタイゼーション、デジタライゼーション、との違いもより分かりやすく知ることができます。
DXの概念を知らなければ、ハンコのデジタル化をDXと勘違いしてしまい、本来の目的がずれてしまうでしょう。
現在、DXと言う概念は様々なメディアや媒体で使用されていますが、その概念の定義は広義なものから狭義なものまで様々です。
国内では、このDXという用語について以下図のように、3段階の認識が存在しています。

では、以下にてそれぞれの定義を確認していきましょう。
①広義のDX(デジタルトランスフォーメーション)
DXは、2004年にスウェーデンのウメオ大学に所属する教授エリック・ストルターマンによって「進化し続けるテクノロジーが人々の生活を豊かにしていく」ということを表す概念として提唱されました。
そのため、広い意味でDXを解釈すると『IT技術によってもたらされる社会の変革』と定義づけることができます。
つまり、人々の生活のあらゆる場面で情報システムが存在しており、それらを活用することでより大きなネットワークを築くことを意味します。
ここで言う「DX」は、次に詳しく説明するビジネス上で使用される「DX」とはかなり毛色が異なってきます。
DXの原義は後述するビジネス上にフォーカスして使用されるテーマでなく、社会全体におけるとても広義なテーマとして誕生した概念であると言えるでしょう。
DX案件や人材をお探しの方にはかんたん10秒の無料登録で使えるコンタクトアースマッチングがおすすめです。
②狭義のDX(デジタルトランスフォーメーション)
主に、ビジネスにおいて、つまり企業を主体として語られる場合のDXが②狭義のDXに該当します。
ただし、一言に企業といえど、各企業の特色や立場によってDXの位置づけが変動してきます。
外部環境のデジタルシフトを自社成長の機会と捉える企業にとっては、デジタルを活用した新たなビジネスモデルの確率といったアグレッシブなDXが、一方外部環境の変化を脅威と捉える企業にとっては、防御的な戦略としてDX推進が求められる傾向があります。
要するに、『テクノロジーが進歩していくに伴い、目まぐるしく変化する産業構造と新たな競争原理を機会、あるいは事業を継続する上での脅威と捉え、対応すべき』という示唆を根底とした意味合いでDXという言葉が使用されています。
③経済産業省レポートにより定義付けされたDX(デジタルトランスフォーメーション)
レガシーシステムを抱える国内大手企業にとってのDXとは、②狭義のDXよりも限定的な意味合いで使用されることが多く、主眼としてITシステムのブラックボックス化や硬直化した組織や経営意識からの脱却として捉えられています(もちろん、経済産業省のDXレポートでは、主眼に該当するシステムやベンダー関連の課題のみを扱っているわけではありませんが、あくまでメインは先述した通りでした)。
このような定義付けがなされる背景には、経済産業省が発表したDXレポートによって、DXを実現するためには、現国内企業における老朽化・ブラックボックス化したシステムからの脱却が必須であると指摘されたことが挙げられます。
以上の様に、デジタイゼーション、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーションには明確な線引きがされているのです。
最後に説明したデジタルトランスフォーメーションにおいては、概念がさまざま存在しているため、分かりづらい理由の一つかもしれません。
参照:
・「DXレポート 2.2」経済産業省
DXとデジタイゼーション&デジタライゼーションの違いまとめ
最後に、それぞれの違いを以下の様にまとめました。あくまでも、一例です。その他の事例として以下もご参考ください。
デジタイゼーション | デジタライゼーション | デジタルトランスフォーメーション |
PCを介してCD音源をモバイル端末で聴くことが可能となる | Tunes Store等の登場により、PCを介さずにモバイル端末で音源を聴くことが可能となる | SpotifyやApple Music等のサブスクリプション型聴き放題サービスが生まれる |
また、DXの成功事例については業界別にコチラの記事でまとめていますので、ぜひご覧ください!
コンタクトアースマッチングなら高単価のDX案件をかんたんに探すことができます。
完全無料なので最新のDX案件情報を見逃したくない人はかんたん10秒の無料登録だけでも早めに済ませておきましょう!
DX案件をお探しの方はこちら

✔全案件が完全リモート/高単価の案件多数 100万円以上の案件が80%以上
✔週1回~フルタイムまで自分で稼働日数を選べます。
✔働きたい時にすぐ働けて、最短2日で仕事に入れます。
✔本サービスの仕事はDX案件に特化