海外建設業界のDX事例3選|建設業界のDX事例をわかりやすく紹介

建設業界とDXというと結びつきが薄いように思われるかもしれません。
しかし、鹿島建設専務の福田氏が指摘するように、将来の担い手不足から建設業界にはDXが必要だとされています。

この問題は日本国内にとどまらず、海外でも同様のデータが出ています。
米国労働省労働統計局によると、2019年の時点で建設業界には30万の求人があり、2026年までにその数は74万にものぼると指摘されました。

さらに原料費の高騰も課題として挙げられます。
日本銀行「国内企業物価指数」によると、2021年12月リリース時において、原料である、木材、鉄鋼も前年同月と比較し、それぞれ
61%、25%も価格が上昇しています。
また留意すべきは、同データはロシアによるウクライナ侵攻前の数値であり、直近で見た場合上昇率は大幅に増加している点です。

業界の特徴として、労働集約型であることが挙げられます。
同業界は内閣府の「国民経済計算」で示されているように、飲食業界と並び労働集約型であり、人手不足が生産性に与える影響は他業界と比べても大きいと言えます。
人手不足の議論は各業界共通している部分がありますが、建設業界においてはより深刻で、上記の福田氏の指摘は緊急性を要するものであるといえます。
 

McKinseyの試算によると、2035年までに世界では86.7兆円分のグローバルなインフラが必要とされ、そのうち1/3が市場価格に見合わないとされています。
つまり、需要があるのに供給できない状態でビジネスチャンスを逃すことを意味します。その要因としては、上記に挙げた人材不足、原料の高騰が考えられます。
 

以上により、建設業界におけるDXを通してのコスト削減が急務です。
今回
本記事では、日本国内ではあまり取り上げられていない海外の建設業界におけるDXの事例3選をお伝えします。

参考
https://www.bls.gov/brs/
https://www.esri.cao.go.jp/jp/esri/archive/snaq/snaq163/snaq163_01.pdf
https://www.kajima.co.jp/news/digest/sep_2021/feature/index.html
https://www.mckinsey.com/~/media/mckinsey/industries/capital%20projects%20and%20infrastructure/our%20insights/the%20next%20normal%20in%20construction/executive-summary_the-next-normal-in-construction.pdf 

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DigiPLACE 

DigiPLACEオーストリア、フランス、ハンガリー、イタリア、ポルトガル、スペインの6か国が参加した国家横断型のプロジェクトです。
DigiPLACE自体は企業でないのですが、いずれの参加国においても建設業界におけるデジタル化とイノベーションが遅れており、それが生産性と成長を抑制していると指摘されていました。

DigiPLACEを通して、以下の点が課題として挙げられました。
・業界全体として、産業廃棄物が多く、原料のリサイクル率が低い
・既存の建設作業自体の燃料消費量が高く、エネルギー効率的ではない

以上の課題に対し、以下の施策を行いました。
Onesait Platformという異なるデバイスやシステムからの情報を統合し共有できるビックデータを有するIoTのオープンプラットフォームの構築

その結果、以下が実現しました。
IoTの導入により、現場のリアルタイムのモニターが可能になり、ロジスティクス上の問題の早期発見が実現
リアルタイムでの燃料の消費量が可視化されることにより、精度の高いシミュレーションによってエネルギー消費量の正確な産出が可能になった

上記の施策を推進することで2025年までに、デザイン時において21%、建設時において17%のコスト削減に資すると推定されています。

参考
https://www.indracompany.com/en/blogneo/digital-transformation-coming-construction-industry 

CCS 

CCSは南アフリカを中心に4万人以上のユーザーを抱え、世界80か国以上でビジネスを展開している対建設業界に特化したソフトウェアを提供しているグローバル企業です。
同社は建設業界のDXを促進する側の立場ですが、ビジネス拡大に伴い、世界中様々な地域にいる顧客のデータ管理について費用対効果の高い方法を模索していました。

その実現において以下の点が課題として挙げられました。
CCSのソフトウェアはAzureで運用され、データはSQLデータサーバーに格納されているが、一時的に新しいデータベースを作る、あるいはデータ保存量のキャパシティーを増やす場合追加でコストがかかる
・アジャイル環境の実装

以上の課題に対し、以下の施策を行いました。
MySQLやPostgreSQLと互換性のあるAmazon Auroraを既存のSQLサーバーのリプレイスとして用いた
CloudFrontの構築により、低レイテンシーかつ高速な転送速度でWebコンテンツを安全に配信可能に

その結果、以下が実現しました。
AzureからAWSの移行によりランニングコストやスケールコストが大幅に減少
・アジャイル環境構築により、コードの実装や統合がクイックに行うことに成功

IDCによるレポートによると、AWSに移行することで年間37%のコスト削減に成功した事例も報告されています。

参考
https://pages.awscloud.com/rs/112-TZM-766/images/GEN_windows-on-aws-it-infrastructure-idc-mini-report_Sep-2019.pdf
https://ioco.tech/wp-content/uploads/2021/07/iOCO-Case-Study-CCS-final.pdf 

コンタクトアースマッチング公式サイト

STRABAG  

STRABAGはオーストリアを代表する建設企業です。
オーストリアだけでなく、ヨーロッパ全体、カナダ、チリ、中国、インドにも進出し、約1.8兆円の売上があるグローバル企業です。
ドラスティックに変化するグローバルトレンドに対応するため、
2021年11月にアクションプランを整定し、その中でDXを課題に挙げていました。

DXを促進する背景として、STRABAGは現状以下の課題に直面していました。
・EU Green Dealで2030年までにエネルギー効率を32.5%改善する必要がある
・低コストを推し進める中で作業ミス率が高い

以上の課題に対し、以下の施策を行いました。
BIM 5D®の運用、完成図だけでなく、完成する過程、完成図に基づいた材料をダイナミックに可視化

その結果、以下が実現しました。
・納期の遅れや材料の超過を最小化することに成功
・生産額が対前年比7%減している中で注文額が5%増加、利益が5%

参考
https://www.strabag.com/databases/internet/_public/files.nsf/SearchView/B47BD0506BEC88EEC1258799003DDAC6/$File/STRABAG%20SE%20Investor%20Presentation%20November%202021.pdf 

まとめ 

今回3つの事例を紹介しましたが、総じて以下の点が課題として挙げられます。 

①ICTにおけるコスト削減
建設の現場では発注がうまくいかなかったり、納期が遅れたりしていることが課題に挙げられました。
DigiPLACEではまさにこの課題に直面していて、現場にICTを導入し、リアルタイムでモニターすることで作業の効率化に資していました。
他方、「」の例では、
BIM 5D®を導入し、完成までのプロセスをダイナミックに可視化し、過剰発注をなくし、注文量の最適化をしていました

②システム移行によるコスト削減
CSSの例は、上記2つとは異なるものの、企業にとっては重要な課題であるといえます。
このように現状を鑑みて、システム移行を行った結果コスト削減に成功した例は多く、現場サイドではなくコーポレート側でもコスト削減の余地があることを示しています。
 

については、福田氏や「国内企業物価指数」、「国民経済計算」での指摘よりもさらにミクロな視点での問題を提起しています。
実際の現場においてまだまだ改善できる余地があることを示し、DXによるコスト削減のポテンシャルを表しているように思えます。
 

②については、データ活用ができた上での課題を示しています。
①と関連し、ICTの活用により、格納するデータ量が今まで以上に増えてくると、システムのランニングコストも課題になってきます。
DXの実現を低コストで抑え、DXにより更なるコスト削減を実現するためには、こうした観点からのコスト削減も求められてくると思います。

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