本記事では営業活動のサポートや効率化にAIが活用されている事例7選を紹介した上で、営業にAIを取り入れるメリットを解説します。
AIを活用することで、営業活動にどのような影響があるのか見ていきましょう。
特に営業活動はベテランの経験や人間関係など属人化されやすい部門ですが、AIによって業務の平準化につなげている事例も紹介しますので、最後までご覧ください。

目次
国内企業における営業活動へのAI活用事例7選

まずは国内企業における営業活動へのAI活用7選を紹介します。
● エッジテクノロジー(GeAIne)
● ヒノキヤグループ(ひのくまコンシェルジュ)
● 星野リゾート(Zoho CRM)
● パーソル(セールスのゼロ化)
● NEC(BluStellar)
● ソフトバンク(営業部門向け生成AIツール)
それぞれ順番に見ていきましょう。
日立(Hitachi AI Technology/H(AT/H))
日立では属人化しやすい営業スキルを平準化するために、AIがデータ分析を行うシステムを開発しました。
成約率の高い社員と伸び悩んでいる社員の営業活動の違いを具体的に分析し、成果を上げている社員の活動を営業マニュアルに反映しています。
また、営業活動における各フェーズで実施すべきアクションとその優先順位、成約確率をAIが社員に提示する機能も搭載しました。
他にも、自社の製品・サービスや様々な営業活動における変数を組み合わせて成約率の高い企業と売れそうな製品名、解約確率などをAIが提案してくれることで、新たな営業先の開拓や解約の未然防止につなげています。
このシステムは既に日本の大手企業でも採用されており、営業活動の効率化に役立てられています。
参照:
・「営業活動データ分析ソリューション:日立ワークスタイル変革ソリューション」日立製作所
・「”営業×AI”の力でDX時代のスマートセールスを推進:日立ワークスタイル変革ソリューション」日立製作所
エッジテクノロジー(GeAIne)
エッジテクノロジーが開発したAIツールのGeAIneは、企業の問い合わせフォームに自動で営業メールを送り、営業先とのアポイントメント獲得に役立てられるツールです。
転職サイトを運営する企業に導入されており、サイトへの掲載や転職フェアへの出店について営業を行う際に活用されています。
GeAIneでは、営業を行いたいサービスの資料をAIが読み取り、提案文の自動生成が可能です。
作成するだけでなく、複数パターンの文章を作成し、反応の良かったものをデータを基に判断するA/Bテストも行えます。
また、営業先の選定も、やみくもに文章を送るのではなく、GeAIneが保有する約69万社のデータベースから、自動送信成功の実績がある企業に絞り込んで営業リストの作成が可能です。
問い合わせフォームへの営業は、キーマンの目に留まりやすいとされており、効率的なアプローチができるツールとして注目されています。
参照:
・「GeAlne – 問合せフォーム営業自動化ツール」
・「複数事業部で効率的に活用!安定して毎月2件契約を獲得。」GeAlne
ヒノキヤグループ(ひのくまコンシェルジュ)
注文住宅の建築を行うヒノキヤグループでは、営業部門の社員が顧客とのやり取りに利用しているLINE WORKSに、AIチャットボットを導入しました。
社内のナレッジやマニュアルをAIに学習させ、社員がわからないことをいつでも調べられるような体制作りを構築しています。
特に経験の浅い社員においては専門用語などわからないことも多く、先輩社員の手が空いたタイミングにまとめて質問するなど、その場で疑問を解決できないことも頻繁に起こっていました。
特別なシステムを別途導入すると、社員が気軽に使えないといった別の課題が生じる可能性があるため、日頃顧客とのやり取りに利用しているLINE WORKSにチャットボットを導入することにしたようです。
このAIチャットボットの導入によって、ふとした疑問を移動時間に解決できるようになるなど、社内の知識や情報共有の効率化につながっています。
参照:
・「【導入事例】株式会社ヒノキヤグループ」LINE WORKS株式会社
・「AIチャットボット導入で 受注拡大に向けて営業力を強化」株式会社エクサ
星野リゾート(Zoho CRM)
ホテル事業などを営む星野リゾートのブライダル部門では、これまでExcelで顧客接点情報の管理を行っていましたが、情報共有の遅さや作業工数が課題となっていました。
そこでAIを搭載したクラウド型顧客管理・営業支援システムの「Zoho CRM」を導入。
同社では、式場以外にも全国各地にサロンを有しており、ユーザーはWebや情報誌などからサロンへ足を運び、最終的に式場を見学して成約に至ります。
その中で、各サロンの来訪情報を集約して式場と共有するのに工数の観点から、2週間に1度情報更新をするのが限界でした。
しかし、2週間の間にユーザーの式場探しが進み、別の会場で成約していることもあり、タイムリーなアプローチを行えないことが取りこぼしにつながっていました。
また、エクセルに手入力で作業を行っているため、入力ミスや入力項目の多さも負担につながっていたようです。
Zoho CRMでは、入力項目のカスタマイズが可能で、クラウド上で動作するため、工数の調整やリアルタイムな情報共有が行えます。
また、AIを用いた分析レポート機能を用いて客観的にキャンセル率を下げるためのアプローチを導き出すことができ、来館予約のキャンセル率を50%下げられました。
参照:
・「大手企業の失敗しない労働コスト削減の秘訣とは」Zoho – ビジネス向けクラウドソフトウェアとSaaSアプリケーション
パーソル(セールスのゼロ化)
パーソルではAIの活用によって見込み顧客のリスト作成から、クロージングまでの一連の営業プロセスの中で人が行う必要のある業務を効率化するサービスをリリースしました。
「セールスのゼロ化」サービスでは、一連の営業プロセスの中で人が行う必要のある電話によるアプローチや商談、マネージャーが行う意思決定や承認といった営業部門の本来業務以外の作業を効率化します。
リストの作成においてはMAやSFAといったツールと連携し、AIがスコアリングを行います。
スコアに基づいたアプローチパターンを自動で選定可能です。
このような自動化によって、作業工数を最大85%短縮できると試算されています。
参照:
・「パーソルビジネスプロセスデザイン 【業界初】AIの活用により営業プロセスの “人”の工数ゼロを実現する”セールスのゼロ化”を提供開始」パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社
・「セールスのゼロ化 – セールスマーケティングサービス」パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社
NEC(BluStellar)
NECでは営業活動のDXを推進するために、AIを搭載した「BluStellar」を開発しました。
「BluStellar」では、ベテランや優秀な社員にのみ属人的なノウハウとして蓄積され、他の社員への横展開が難しい営業力を、各社員の行動をデータ化することで具体的な行動ノウハウに落とし込むことができます。
また、マネージャーが判断に迷う場面であっても、データを基にしたAIの分析結果を判断材料にした効率的な意思決定が可能です。
さらに、新入社員が顧客へのアプローチについてAIと壁打ちを行うことで、自分の案を一人でブラッシュアップすることもできます。
参照:
・「営業DX: BluStellar」NEC(Japan)
ソフトバンク(営業部門向け生成AIツール)
ソフトバンクの中で「Azure OpenAI Service」を使って営業部門向けのツールを開発した事例です。
同社では取り扱う商材が増加する中で、提案資料の作成など商談準備に要する時間が増え、商談やアポ取りといった本来業務に使える時間が減っていることが課題でした。
そこで「Azure OpenAI Service」を用いて営業担当者に特化したプロンプトを50個作成し、回答に必要な自社データを読み込ませたAIツールを開発しました。
このツールでは、顧客への提案に必要な業界動向などの情報を調べてもらったり、提案書の作成やブラッシュアップを行ったりできるため、業務の効率化につながり、本来業務に時間を割けるようになったようです。
参照:
・「生成AIを使いこなすことがお客さまへの提案力強化に。数千人が活用する営業活動支援ツール」ソフトバンクニュース
営業活動にAIを活用するメリット

次に営業活動にAIを活用するメリットを2つ解説します。
● データに基づく意思決定が可能になる
それぞれ詳しく解説します。
顧客対応に集中できる
AIを使用することによって事務作業や資料作成といった業務負荷の軽減につなげられ、営業担当者が本来行うべき顧客対応に集中できるようになります。
これによって、新たな顧客へのアプローチや既存顧客への新規提案など、より付加価値の高い業務に取り組むことが可能です。
参照:
・「営業におけるAIの活用方法7選|メリットや成功事例、注意点を紹介」Salesforceブログ – セールスフォース・ジャパン
データに基づく意思決定が可能になる
マネージャーが難しい判断を迫られた際に、AIが分析を行ったデータを基に判断が可能になるため、基準が明確になります。また、判断の根拠も用意できるため、社内での説明も行いやすくなるでしょう。
AIによるデータ分析は瞬時に行われるため、判断に時間を要することなくすばやく意思決定が行えるようになります。
参照:
・「営業におけるAIの活用方法7選|メリットや成功事例、注意点を紹介」Salesforceブログ – セールスフォース・ジャパン
まとめ
今回は営業活動にAIを活用している国内企業の事例7選と、AIを営業活動に取り入れるメリットを解説しました。
AIの活用は様々な企業で行われており、既に一定の成果を出している企業もあります。
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