SAPシステムを扱うためには、プログラミング言語だけを理解するだけでなく、SAPトランザクションコードを頭に入れておく必要があります。
そこで今回は、SAPの基礎知識トランザクションコードについてまとめて解説するとともに、本記事の最後にアドオン開発とメニューの設定でよく使用するトランザクションコード一覧も掲載しました。
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目次
SAPトランザクションコードとは?
SAP ERPシステムのトランザクションコードとは、SAPの処理画面やプログラムを呼び出す文字列や、数列で表現された処理コードのことを指します。
わかりやすく言えば「プログラムを起動するときに活用するコード」です。
SAPモジュールの入力画面は数種類用意されており、トランザクションコードを利用することで素早く処理をすることができるメリットがあります。
SAPコンサルタントやSAPエンジニアは、自身が効率よく作業するためにも、よく使用するトランザクションコードは覚えておきましょう。
SAPトランザクションコードの3つの確認方法
SAPシステムには無数のトランザクションコードが存在するため、使用したいトランザクションコードを忘れてしまうことがしばしば起こります。
その際に、改めて確認する方法は主に以下3つ挙げられます。
トランザクションコードをまとめているサイトを参照する
「SAP トランザクションコード」や「SAP トランザクションコード一覧」で検索を欠けると、分かりやすくまとめ上げられたページが多く存在します。
とはいえ、SAP社はWEB上でトランザクションコードについて正式に公表しているわけではありません。
そのため、WEBサイト情報の中には誤っているものがある点は留意しておきましょう。
社内で確認する
SAPの標準機能でない「アドオン機能」に紐づく形で登録されたトランザクションコードに関する情報は、もちろんWEB上でいくら調べても出てきません。
社内でのみ確認ができます。
Tr-cd:SE93 でF4検索ヘルプから
Tr-cd:SE93 でF4検索ヘルプからテキストベースで検索することも可能です。
最も手っ取り早い方法のためお勧めです。
SAPトランザクションコードを活用するメリット
トランザクションコードを使用せずに会計伝票の登録を行う場合は、SAP Easy AccessというSAPの第1画面から手順通り進めていって、目的とするページまで遷移しなければなりません。
また場合によっては、遷移後も各メニューの中に数百件以上の機能が含まれていることがあり、使用したい機能をすぐに見つけることは非常に難しくなっています。
一方で、トランザクションコードを覚えていれば、すぐにアクセスしたい画面を開く事が可能です。
また、同時に操作ミスを少なくすることにもつながります。
PC業務同様に、頭に入れておくだけで作業効率が格段にアップするので、ぜひ覚えておきましょう!
SAPトランザクションコードの利用方法
トランザクションコードの利用は、コマンド項目にトランザクションコードを入力+Enterキーで可能です。
なお「Ctrl+/」を押すと自動的にカーソルがコマンド項目に移動します。
トランザクションコードを頻繁に活用するかたは絶対に覚えておきましょう。
一つ一つの作業時間を削減することで大幅な作業効率アップにつながります。
SAPトランザクションコードの表示方法
SAPメニュー(SAP Easy AccessというSAPの第1画面)において、アプリケーションのテキスト先頭部分にトランザクションコードを表示することが可能です。
また、キーボードのShift+F9を押しても表示することができます。
どちらも、好きなタイミングで確認することができるのでとても便利な機能です。
アドオン開発でよく使うSAPトランザクションコード一覧
トランザクションコードは、「SE93」より自身で新規に登録することが可能です。
この作業は、アドオン機能をSAP導入企業に解放する際に行われることが多いです。
アドオン開発についてはこちらの記事で分かりやすく解説しています。
本トピックでは、アドオン開発でよく使用するトランザクションコード一覧をご紹介致します。
コードには、プログラムを作成時に使用するテーブル関連やエディタ、移送関連、メッセージ関連等があります。
移送関連トランザクションコード
SE01 | 移送オーガナイザ(拡張) |
SE09 | 移送オーガナイザ |
STMS | 移送管理 |
SCC1 | クライアント間移送 |
エディタトランザクションコード
SE24 | クラスビルダ |
SE37 | 汎用モジュールビルダ |
SE38 | ABAPエディタ |
SE80 | オブジェクトナビゲータ |
ディクショナリトランザクションコード
SE11 | ABAPディクショナリ更新 |
SE14 | ディクショナリテーブルユーティリティ |
SE16 | データブラウザ |
SE16N | 一般テーブル照会 |
SM30 | ビュー更新 |
その他アドオン開発によく使うトランザクションコード
SE91 | メッセージ更新 |
SE93 | トランザクションコード更新 |
SM04 | ユーザー覧 |
SE12 | ロックの照会と削除 |
SM37 | ジョブ管理 |
SAT | ABAPトレース |
ST22 | ABAPダンプ分析 |
メニューの設定に使うトランザクションコード一覧
ユーザが使用しやすい様にトランザクションコードをメニュー化する場合に使う代表的なトランザクションコード一覧を紹介します。
マスターメンテナンス、会計処理、ロジ関係処理に分けました。辞書代わりにご使用ください。
マスターメンテナンス
得意先マスター
XD01,FD01 | 登録 |
XD02,FD02 | 変更 |
XD03,FD03 | 照会 |
仕入れ先マスター
XK01,FK01 | 登録 |
XK02,FK02 | 変更 |
XK03,FK03 | 照会 |
品目マスター
MM01 | 登録 |
MM02 | 変更 |
MM03 | 照会 |
会計処理
会計伝票入力
FB50,FB50L | 振替伝票 |
FB70 | 債権伝票 |
FB60 | 債務伝票 |
FB02 | 伝票変更 |
FB03 | 伝票照会 |
消込・支払い処理
F-28 | 入金消込 |
F-53 | 支払い消込 |
F110 | 自動支払い |
残高照会
FS10N,FAGLB03 | 勘定残高 |
FD10N | 債権残高 |
FK10N | 債務残高 |
ロジ関係処理
購買・在庫処理
ME51N | 購買依頼 |
ME41 | 購買見積もり依頼 |
ME21N | 発注 |
MEGO GR | 入庫 |
MIRO | 請求書照合 |
MIGO | 在庫転送 |
販売処理
VA21 | 見積もり |
VA01 | 受注 |
VL01N | 出荷 |
VF01 | 請求 |
伝票入力に使用するトランザクションコード一覧
FIモジュールの伝票入力に使用するトランザクションコード例を紹介します。
こちらも辞書代わりにご利用ください。
伝票入力
FV50 | 未転記伝票入力(Enjoy) |
F-65 | 未転記伝票入力 |
FBV2 | 未転記伝票変更 |
FBV0 | 未転記伝票転記 |
FB50 | 会計伝票登録(Enjoy) |
FB01 | 会計伝票登録 |
その他トランザクションコード一覧
上記で紹介した以外のその他トランザクションコードをまとめました。
繰り返しますが、SAP社はWEB上でトランザクションコードについて正式に公表しているわけではありません。
参考までにしていただけると幸いです。
KTPF | テンプレート配分 |
KSVB | 計画付替実行 |
KSV5 | 実績付替実行 |
KSUB | 計画配賦実行 |
KSU5 | 実績配賦実行 |
KSU1 | 実績配賦周期 |
KSU1 | 実績配賦周期登録、変更 |
KSPI | 価格計算 |
KSES | 定義:配分構造 |
KSB5 | 実際原価伝票照会 |
KSBT | 活動タイプ価格レポート |
KPSI | 計画照合 |
KPF6 | 月単位での計画値入力 |
KP97 | 計画から計画へコピー |
KPEU | Excel計画用のフレキシブルUpload |
KP46 | 統計キー数値計画変更 |
KP26 | 活動・消費量価格変更、照会 |
KONK | 更新:指図の番号範囲 |
KOM2 | 定義:モデル指図 |
KO88 | 実績決済:指図 |
KO12 | 合計値計画の変更 |
KKS6 | 差異計算 |
KKRC | 原価対象集計 |
KKE1 | 基本計画対象 |
KKBC_PKO | 製品原価コレクタのレポート |
KKBC_ORD | 指図別製品原価のレポート |
KKBC_KUN | 受注別製品原価レポート |
KKAX | 仕掛品の計算 |
KKAS | 仕掛品 |
KKAJ | 結果分析(一括) |
KKA3 | 結果分析 |
KKE1 | 基本計画対象 |
ST01 | システムトレース |
ST02 | バッファ使用状況 |
ST11 | エラーログファイル |
STAD | 統計レコード選択 |
SU01 | ユーザ管理 |
SU02 | 権限プロファイル |
SU3 | ユーザプロファイル更新 |
SAPトランザクションコードは必ず覚えておこう
いかがでしたでしょうか。
SAPトランザクションコードとは、より効率よくSAPシステムを運用するために大切なシステムの一つということが分かりました。
ぜひ、パフォーマンス向上のためにもぜひ使いこなせるようにしておきましょう!
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