「AI五輪」と呼ばれるパリオリンピック2024の導入事例を紹介!AI導入リスクも解説

本記事では「AI五輪」と呼ばれるパリオリンピックでAIがどのように用いられているか、AIを導入することでどのようなリスクが生じるのかを詳しく解説します。

大きな盛り上がりを見せたパリオリンピックの裏で、AIがどのような役割を果たしていたか事例を知りたい方は本記事を最後まで読んでみてください。

選手のサポートや会場の安全を守るためなど、パリオリンピックでは様々な場面でAIが活用されていました。

他の大規模イベントの事例も参考にしながらAIが今後どのように用いられていくのか、詳しく見ていきましょう。

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パリオリンピックが「AI五輪」と言われる理由

パリオリンピックが「AI五輪」と呼ばれるのは、国際オリンピック委員会(IOC)が、「五輪AIアジェンダ」を発表し、選手支援や持続可能な五輪運営の適正化にAIを活用するとしたためです。 

若者離れが進むオリンピックにおいて、現状からの脱却を目指してAIを取り入れました。 

実際にパリオリンピックでは、次章以降で紹介する様々な場面でAIが導入されています。

参照:「IOCが五輪AIアジェンダを発表 5項目の重点戦略、選手支援や運営効率化など」株式会社産経デジタル 産経ニュース

パリオリンピックでAIが活用された事例

パリオリンピックでAIが活用された事例を7つ紹介します。 

パリオリンピックでは、防犯や選手強化、SNSの見回りなど幅広くAIが活用されています。 

それぞれの事例を詳しく見ていきましょう。 

9万台の監視カメラに映像解析AI搭載

オリンピック会場となったパリでは、テロ対策として9万台の監視カメラに映像解析AIを搭載し、個人のプライバシー保護に配慮しながら武器や放置された不審物などの早期発見に役立てていました。 

不審な放置物や行動などを早期に見つけるために導入されたもので、個人を識別するためのものではありませんが、住民からは賛否両論あったようです。 

参照:
「フランス当局がAIを活用した監視システム導入…テロ対策・プライバシー保護巡り、賛否も」読売新聞社 読売新聞オンライン
「五輪でにぎわうパリの街では、AIが人々を“監視”している」合同会社コンデナスト・ジャパン WIRED

SNSの選手に対する誹謗中傷監視にAIを使用

SNS上で選手への誹謗中傷が書き込まれていないか確認するために、AIが活用されました。 

AIが各SNSの投稿を確認し、選手や役員、関係者をターゲットとした誹謗中傷を検知すると、安全保障チームに通知を送る仕組みです。 

SNSに投稿されるコンテンツの量は膨大で、プラットフォームも複数あるため、人の目で全てを監視するのは難しいです。

AIによってリアルタイムかつ大規模に誹謗中傷コメントを検出可能になりました。 

参照:「パリ五輪で相次ぐ誹謗中傷にIOCがAI導入 初の検知システム”犯罪者の先行資料になり得る”」LINEヤフー株式会社 Yahoo!ニュース

選手強化にAIを使用

日本では、トランポリン競技において跳躍の高さや演技中の身体の動きをAIが測定する機材を導入し、選手へのアドバイスに役立てています。 

AIが選手の骨格や関節の位置、脚の開脚角度などを瞬時に判別することで、選手強化のサポートが可能です。 

また、柔道では海外の試合映像などを用いて約5,000人の選手をデータ化し、相手の傾向や戦略を知ることで試合分析に役立てています。 

参照:「スポーツ界に広がるAIの波 判定補助、トレーニング支援から運営まで」株式会社産経デジタル 産経ニュース

選手発掘にAIを活用 

オーストラリアでは選手の発掘にもAIを活用しています。 

10代の水泳選手について誕生日などから身体の成長を計測し、肉体のピーク時におけるタイムをAIが予測することで将来の金の卵となる選手発掘を行っています。 

AIの予測によって実際に、オーストラリア代表選手に選ばれた若手選手もいました。 

参照:「シリーズ パリ五輪最前線① メダルを懸けた“AI革命” 激変するスポーツとその未来」日本放送協会 NHK

選手村のベッドをAIで最適化 

エアウィーヴはアスリートの快眠を支えるために、AIを使用して最適なマットレスの診断を行いました。 

選手の全身を前と横から撮影し、身長・体重を入力するとAIが体つきを計算し、おすすめのマットレスの硬さを提示します。 

マットレスは、肩・腰・足の三つの部分に分かれており、それぞれ「やわらかい」から「非常に硬い」まで4段階あります。 

イスラエル柔道女子代表選手に対して、64通りある組み合わせの中から選手に最適なものを提案したところ、自分で選ぶよりも適したものを提案してくれた、と喜ばれたようです。

参照: 「選手村での快眠を支えたい 座礁に盗難、困難続きのパリへの道」株式会社朝日新聞社 朝日新聞デジタル

競技結果をAIでまとめるサービス 

Googleはパリオリンピックの公式検索AIパートナーに指定され、テレビを観ない若年層向けにオリジナルのハイライト動画を生成する機能を開発しました。 

その日の競技結果を個人の好みに合わせてAIでまとめ、スポーツ解説者のナレーション音声を付した動画を生成します。 

生放送を観ず、短時間の動画で効率的に情報収集することに慣れている若年層の取り込みを目的とした施策です。 

参照:「米グーグル、パリ五輪放送にAI導入 競技解説に活用」Thomson Reuters Corporation ロイター

ユーザーの視聴体験向上にAIを活用 

中国のアリババは、オリンピックを通して得られるユーザー体験を大きく向上させるクラウドサービス「OBSクラウド3.0」を開発しました。 

様々な角度から競技の様子を撮影し、マルチ・カメラ・リプレイシステムによってユーザーが指定したシーンをスローモーションで再生することができます。 

スロー動画を生成する際の画像処理などにAIが用いられており、没入感の高い視聴体験提供に役立てられています。 

参照:
「アリババクラウドとOBS、パリ2024向けAI活用のOBSクラウド3.0を発表」株式会社 PR TIMES PR TIMES
「アリババクラウド、AIマルチカメラ・リプレイ導入でオリンピック視聴体験を向上」株式会社 PR TIMES PR TIMES

コンタクトアースマッチング公式サイト

大規模イベントにおけるAI活用事例

次に大規模イベントにAIが活用された事例を紹介します。 

パリオリンピック以外にも様々なイベントでAIが用いられており、イベント運営に役立てられています。

 大阪国際女子マラソン
 ウィンブルドン
 大相撲

それぞれ詳しく解説しますので、各イベントでどのようにしてAIが活用されているか知りたい方は参考にしてみてください。 

大阪国際女子マラソン 

大阪国際女子マラソンでは、優勝候補とされる選手の走行動作をAIで解析し、その結果を中継と合わせてリアルタイムで放送しました。 

解析を行った走行動作はピッチ(歩数)、ストライド(歩幅)、速度の3要素です。 

中継では現在の順位とともに解析結果を表示し、視聴者が戦況分析を行うことで競技への関心を高めることに役立てられました。

この解析技術はサッカーなど他の陸上競技や、それ以外の分野でも応用が期待されています。 

参照:
「大阪国際女子マラソンで前田穂南選手の走行動作をAIで解析、関西テレビで放映」関西大学総合情報学部・大学院総合情報学研究科
「映像から陸上選手の動きを“ほぼリアルタイム分析” AI活用、大阪国際女子マラソンで実績 関大」株式会社産経デジタル 産経ニュース

ウィンブルドン 

2023年にロンドンで行われたウィンブルドン選手権において、生成AIを使ったナレーション付きハイライト動画の作成が行われました。 

選手のガッツポーズや観客の完成の大きさで、盛り上がりを見せたシーンをAIが試合映像から分析し、ハイライト動画を生成します。 

そこに自動でナレーション音声と字幕をつけて2時間半ほどの試合映像を、3分程度のハイライト動画に編集します。 

このハイライト動画は公式サイトなどで配信され、反響を呼びました。 

一方で、ナレーションにはあらかじめ記憶させた選手の戦績などは含まれていましたが、「フォアハンド」などテニス用語を含む試合中の動作解説については、人間が補足しています。 

今後はさらに高度な解説ができるよう、精度を高めていくことが期待されています。 

参照:「テニスのウィンブルドン選手権にAI解説者登場 その実力は」日本放送協会 NHK国際ニュースナビ

大相撲

大相撲では相撲ファンの関心を高めるため、横綱29人をCGで再現し、歴代横綱同士の夢の取組をAIによって実現させました。 

過去の戦績や取組の映像から、身長・体重差における勝率や立ち合い速度、短期戦・長期戦それぞれの勝率、決まり手や負け方などを細かくAIが分析しました。 

組み合わせをユーザーが選択すると、AIが取組の様子を生成し、勝率計算に基づいた取組映像が視聴できます。 

参照:「大鵬vs白鵬どっちが強い!?幻の取組をAIで実現」日本放送協会 NHK

AIをスポーツイベントに導入するリスク

ここからは、AIをスポーツイベントに導入するリスクについて解説します。 

AIは人間だけではできないユーザー体験の向上や、会場や選手の安全を守ることに役立てられる一方で、リスクもあります。

 情報漏えいリスク
 誤審の可能性
 それぞれ順番に見ていきましょう。 

情報漏えいリスク 

サイバー攻撃や入力した情報をAI学習に用いられることによる情報漏えいのリスクがあります。 

AIの使用方法にもよりますが、入力した情報がAI学習に使われ、他のユーザーに対する回答に意図せず含まれてしまう可能性があります。 

サイバー攻撃についてはセキュリティの強化によって対応し、AI学習については、入力した情報が学習に使われないAIを使用したり、専用のAI開発を行ったりするなどの対処が必要です。 

参照:
「【生成AI×スポーツ】生成AIがスポーツ業界を変革する!具体的な導入事例まで徹底解説」株式会社WEEL WEEL
「スポーツでのAIの活用事例とは?AIがもたらす変化やメリット、デメリットや問題点をわかりやすく解説」一般社団法人生成AI活用普及協会 Generative AI Media

誤審の可能性 

肉眼での判定が難しい競技などでAIを判定補助に活用することが期待されていますが、完璧な精度で運用できるかは不透明な部分があります。 

また、システムエラーなどによる誤審の可能性もあります。 

AIのアルゴリズムは複雑で判断根拠がブラックボックス化しやすいため、誤審であることが判明しにくいことが課題です。 

当分はAIの判定はあくまで補助的なものに位置付け、人間が引き続き判断することになるでしょう。 

参照:
「【生成AI×スポーツ】生成AIがスポーツ業界を変革する!具体的な導入事例まで徹底解説」株式会社WEEL WEEL
「スポーツでのAIの活用事例とは?AIがもたらす変化やメリット、デメリットや問題点をわかりやすく解説」一般社団法人生成AI活用普及協会 Generative AI Media

まとめ

今回は2024年に開催されたパリオリンピックにおいて、AIが活用された事例を中心に紹介しました。 

AIは速いスピードで進化しており、短時間で多くのデータを分析・処理できるようになりました。 

一方で情報漏えいリスクや精度が完璧でないことなど課題も残っており、今後も改良が必要な部分もあります。 

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