DXという言葉を近ごろ耳にする機会が増え、その重要性を感じている人もいるのではないでしょうか
YoutubeやInstagramといったSNSやインターネット広告の台頭により、以前と比べて人々に与えるマスコミ業界の影響は小さくなっています。
そのためマスコミ業界は、変わりゆく市場環境で生き残るべく、DX化が求められています。
本記事では、マスコミ業界の抱える課題とDXの成功事例を解説していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
マスコミ業界が抱える課題
現在、マスコミ業界が抱えている課題を下記3つに分けてお伝えします。
1.視聴者・購読者の減少
2.インターネット広告市場の拡大による収益減
3.業務の効率化・IT化
詳しく解説していきます。
視聴者・購読者の減少
Youtube、Twitter、InstagramなどSNSの発展などにより、テレビや新聞業界では利用者の減少が課題となっています。
とくに「若者のテレビ離れ」というように、若年層のテレビ接触率が年々減少しています。
スマートフォンやパソコンで気軽にニュースを閲覧できることも一因となり、視聴者や購読者が減少しているため、テレビや新聞各社の収益は上がらず生き残りが厳しくなるわけです。
参考:
https://www.nhk.or.jp/bunken/research/yoron/pdf/20210521_1.pdf
インターネット広告市場の拡大のよる収益減
マスメディアの主な収入源はCMなどによる広告収入です。
しかし、株式会社電通の調査によると、2021年におけるインターネット広告費が、マスコミ4媒体(テレビ・新聞・ラジオ・雑誌)の広告費を上回っており、マスメディアの市場規模は縮小しているといえます。
とはいえテレビCMには、幅広いユーザーにリーチができるなどインターネット広告にはないメリットもあります。
インターネット広告と組み合わせて相乗効果を狙う、ツールを使って効果検証を行うといったテレビCMの新たな取り組みが必要となるでしょう。
参考:
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2022/0224-010496.html
業務の効率化・IT化
マスコミ業界は質の高い情報をいかに他社より早く報道できるかが重要なため、多くの時間と人員が必要となります。
しかし、マスコミ業界ではアナログな作業も多く、下記のように非常に激務です。
・プライベートとの境がない
・深夜残業や長時間勤務は当たり前
・急な事件やニュースの発生で、休日出勤も起こりうる
いかに効率化と質の高い報道を両立させるかが、今後のマスコミ業界における課題と言えます。
マスコミ(メディア)業界でのDXの実態
さまざまな業界で課題となっているDX化ですが、とくにマスコミ業界はアナログな部分が多く、DX化は遅れています。
株式会社CARTA COMMUNICATIONSがメディア業界を対象に実施した調査によると、DXに取り組んでいる企業は全体の55%となり、今後取り組む予定の企業を含めると81%にのぼります。
一方で、専門人材や組織編成に課題があることも判明しています。
DXに取り組む企業のうち47%はDX推進の部署はないと回答し、DX推進人材も同じく47%がいないと回答。
また、社員全体のITリテラシー不足も顕著であり、専門人材の確保以上にマスコミ各社で課題となっています。
参考:
https://www.cci.co.jp/news/2021_07_13/1-148/
マスコミ業界のDX成功事例
DX化が他業界と比べて遅れているマスコミ業界ですが、中にはDX化の好事例もあります。
ここからは、DXの成功事例を4つ解説していきます。
信濃毎日新聞社「AIによる自動記事要約」
信濃毎日新聞社は富士通研究所と共同で、AIによる自動要約でのネット記事配信を行いました。
ネット記事の配信プロセスで最も時間のかかる記事要約において、従来は重要なポイントを人の目でチェックしており、時間がかかっていました。
また、従来の自動要約では、記事の最初から数文を抜粋する「LEAD法」が一般的で、文中や末尾に重要な情報がある場合、正確に抽出できない課題がありました。
そこで、富士通研究所が開発した自動言語処理技術とAIを導入し、要約の精度が向上。
1記事あたり3〜5分かかっていた記事の要約作業が不要となり、従来と比べて約50%の時間短縮となったことで、迅速な情報提供が可能となりました。
参考:
https://www.fujitsu.com/downloads/blog/jp/journal/2018-03-28-01.pdf
https://japan.zdnet.com/article/35113165/
産経新聞社「割付自動システム」
産経新聞社は電通グループのデータアーティスト株式会社と共同で、紙面の広告配置をAIによって自動割付するシステムを開発しました。
掲載日や掲載面といった条件や、同じ業種や製品が被って掲載されないよう、これまでの新聞広告では属人的に配置をしてきました。
近年、サンプルやセミナー等の広告を見たユーザーから購買につながるような、ユーザーの反応が企業に直接伝わる広告を掲載する広告主が増えており、要望が多様化しています。
それらをAIで瞬時に判断し、自動で割付を行うことで膨大な時間と人手を削減できるようになります。
今後、AI割付システムにさまざまな外部情報を取り入れることで、時期に適した広告など、読者のニーズに合わせより充実した内容の広告出稿が可能となります。
新聞広告のみならず、他業界におけるDX化への展開なども期待されています。
参考:
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2206/28/news073.html
https://aismiley.co.jp/ai_news/sankeishinbun-aiwaritsuke/
フジテレビ「5G遠隔番組制作」
フジテレビはソニーのグループ企業3社、株式会社NTTドコモと共同で5G(第5世代移動通信システム)とクラウド中継システムを活用した遠隔番組制作「CNG(クラウド・ニュース・ギャザリング)」の実証実験に成功しました。
実証実験では、中継地点で撮影した映像と音声をドコモの5G通信を利用し、クラウド中継システムに送信します。
その後、フジテレビ本社よりインターネットを介してクラウド中継システムを制御し、中継地点の映像と音声を切り替えることで番組を制作させました。
従来の中継番組において、カメラの切り替えや本社とのやり取りを行なっていた中継車の役割をクラウド上で担える可能性があり、テレビ業界のDX化に寄与できることが明らかになりました。
参考:
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00725/00046/
高知さんさんテレビ「AIアナウンサー」
高知さんさんテレビは株式会社Specteeが運営するAIアナウンサー「荒木ゆい」を導入。
以前より音声読み上げ機能は存在していましたが、約10万件のニュース音声を機械学習させることで、より人間に近い自然な発音がAIアナウンサーで可能となりました。
従来の番組制作では、アナウンサーをはじめ多くのスタッフで音入れ作業をしており、スタッフの確保とスタジオのスケジュール調整が課題でした。
そこでAIアナウンサーを導入することで音入れ作業の効率が上がり、働き方改革につながったのです。
AIアナウンサーでは人間の拘束を必要としないため、災害時の緊急放送やWebサイトの読み上げなどに活用ができ、これまで以上にユーザーへ必要な情報を届けることができるようになります。
参考:
https://standard-dx.com/post_blog/massmedia-ai
https://www.sony.jp/professional/ai-announcer/case-study/sunsuntv.html
まとめ
ここまで、マスコミ業界が抱える課題とDXの成功事例を4つお伝えしました。
マスコミ業界はSNSやインターネット広告の台頭で市場規模が縮小している上に、アナログな作業の多いレガシーな業界。
DXに取り組む企業も多い中、専門人材や社員のITリテラシーの不足が課題となっています。
とはいえ「AIによる自動記事要約」や「5G遠隔番組制作」などの好事例があるように、着実にDX化が進み、働き方改革と質の高い報道の両立ができつつあります。
私たちの生活に欠かせない情報を届けてくれるマスコミ各社におけるDXの動向に、今後も注目していきましょう。
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