こんにちは。当メディアを運営するストラテジーテックコンサルティング編集部です。
近年SAP市場が拡大するに伴い、SAPシステムの運用経験を有したエンジニアへのニーズも高まっています。
では、具体的にどのような背景からニーズが高まっているのでしょうか。
また、SAPエンジニアの保守運用に関わる知識、仕事内容、スキルなどを併せて本記事で詳しく解説していきます!
目次 本題へ入る前に、まずはSAPシステムのニーズ(SAP市場の動向)を確認していきましょう。 現在国内企業は、「2025年の壁」と「SAP ERPサポート終了」という2つの課題への対応を迫られており、その結果SAPシステムの導入案件が増加しています。各課題について詳しく後述します。 2025年の壁とは、複雑化・老巧化・ブラックボックス化した既存システムを使用し続けた場合に想定される国際競争への遅れや国内の経済停滞などを表す言葉です。 2018年9月に経済産業省から提唱されたもので、同省は多くの国内企業が「2025年の壁」への対応をしない限り、日本経済は2025年から2030年の間で、12兆円/年の経済的損失を被ると指摘しています。 2027年問題とは、SAP社が提供するSAP ERPの保守サポートの2027年終了通告を指す呼称です。 これは現在SAPを導入している全ての企業が直面しうる問題で、国内だけでもこの該当企業が2000社以上に上ると言われています。 では、一体なぜSAP社はSAP ERPの保守期限を2027年までにすると決定したのでしょうか。 背景として以下が挙げられます。 SAP ERPは統合基幹業務システムソフトウェアとして長い間市場を牽引してきたものの、リアルタイム性が失われてきているという課題も持ち合わせていました。 企業の根幹を支えるERPシステムは、機能の拡張を積み重ねてきましたが、従来機能における利用者がいる場合には、それら機能を維持していく必要があります。 その結果、従来機能と新たな機能が混在しつつ、構造も複雑化・肥大化する中で、リアルタイム性が次第に喪失されているくことは防げない課題となっていました。 ①で説明した背景の中で誕生したのが、インメモリデータベースSAP HANAを基盤とする「SAP S/4 HANA」です。 SAP ERPの課題であったリアルタイム性の実現に強みを持っている製品です。 つまり、SAP社の今回の狙いは「リアルタイム性が失われつつある従来製品から、最新製品への移行」です。 ERPベンダーとしては当然のビジネス戦略と言えます。 「2025年の壁」と「2027年問題」これら2つの課題は、一見相互関係のないように見えますが、根本の狙いは同じで「基幹系システムのモダナイゼーション」です。 (モダナイゼーションとは、広義では、近代化・現代化。 狭義では(IT分野では)、企業内の既存システムで稼働しているソフトウェアやハードウェア等を最新のシステムや設計に刷新することを指します。) これら2つの課題に対応するため、SAP既存ユーザーの多くはSAP S/4HANAへの移行か他他者ERP製品への移行を迫られている状況です。 SAPによると、既に1万3800社以上の同社顧客がS/4HANAを導入しており、他方数千社の顧客がS/4HANAの導入を進めているとのことです。 またDSAGの調査によれば、49%越えの顧客が向こう3年以内でのS/4HANAへの移行を計画していることが分かっています。 これらデータから、現時点ではSAP社のビジネス戦略に沿うように進んでおり、SAP案件(とりわけSAP S/4HANA移行案件)が増加傾向にあることが分かります。 一方で、SAPシステム導入におけるニーズを脅かす要因もあります。 それは「競合製品の台頭」です。 実は、2027年問題を契機にS/4HANAへの移行ではなく他社製品へ切り替える企業も一定数出てきている現状です。 近年では、国内企業をターゲットに低価格なERP製品やSaaSが多数リリース・開発されています。 すぐ大幅なシェア変動はないと思われますが(SAP社は世界・国内共にシェア率1位)、今後のSAP導入案件は減少していく可能性も視野にいれておくと良いかもしれません。 常に市場動向はチェックするようにしましょう。 SAPシステム導入へのニーズが高まる一方で、SAPエンジニアの人材不足が深刻化しています。 SAPジャパンは、今後数年間のうちに数千人規模でSAPエンジニアが不足すると危機感を募らせています。 こうした状況を打開するため、同社は2022年までにフリーランスのITエンジニアを5000人確保する目標を掲げました。 またそもそも、SAPに関する情報がIT業界の他分野のように情報が開示されていないため、SAP運用経験があるエンジニアが枯渇気味にあるとも考えられます。 SAPに関する情報を得る・身に着けるためには、基本的にはSAPアカデミーで高額費用を負担してトレーニングを受講するか、SAPジャパンやパートナー企業にてSAPシステムに関するプロジェクトを経験するしかありません。 そのため必然的にSAPシステムに関する知見やスキルを有するエンジニアは希少価値が高くなっています。 SAPエンジニアとしてお勤めの方で現在保守運用を担当されているエンジニアの方には「運用に関する業務」にどんな種類があるのか気になるポイントではないでしょうか。 ここでは多くのSAP案件を取りそろえる弊社の目線から保守運用に関する仕事内容の一部をご紹介致します。 などが挙げられます。 基本的にはSAPシステムを安定感動させるための業務が主ですが、組織によっては顧客が使用しているSAPソリューションを進化させるための提案を行ったり業務の幅はとても広い印象です。 SAPシステムを運用・保守するためには、SAPに関する専門的な知識が必要になります。 具体的には「稼働後に変更される可能性がある業務のカスタマイズやトランザクションコードの設定」になります。 特にユーザが使用するトランザクションコードの理解が必要です。 まず、使用するトランザクションコードを全て洗い出して割り当てます。 その後は対象とする業務を階層ごとに分けて、権限設定などの細かな調整を行います。 また、SAPエンジニアがより必要とされるには、ユーザ目線のカスタマイズ、ABAPプログラミングスキル、特定分野の業務理解などが、運用に求められるスキルを有していることが望ましいです。 トランザクションコードに関する基礎知識について以下の記事にて紹介しています。 気になる方はぜひご覧ください。
自身の市場価値を更に高めるためには、知見の幅を広げることも大切です。 以下でSAPについて学べる本をご紹介します。 SAPエンジニア向けの本と言えばコレです。 エンジニア向けにトランザクションコードやテーブルなどといった役立つ情報の他、SAP導入時の注意点など上流を担うコンサルタントの方向けにも情報が集約されています。 またこの本の著書は、数多くの現場に携わってきた人物らに書かれているので、単なる解説本ではなく、リアルな現場の悩みにも触れている点が魅力です。 SAP製品がバーションアップがされる都度、できるだけ最新情報は取り入れておきたいです。 この本では、SAP HANAの基礎部分から実践フェーズまで徹底的に解説されています。 今後、2027年問題への対応としてHANAデータベースを導入していく企業も増えてくるので、この本を通じて情報を収集しHANAへの解像度を上げておくようにしましょう。 いかがでしたでしょうか。 本記事では、SAP運用経験があるエンジニアが求められる理由について徹底解説しました。 年収アップを目指したいエンジニアの方にお勧めのSAP領域。転身するのであれば、今がお勧めです。 弊社が運営するコンタクトアースマッチングなら高単価のSAP案件をかんたんに探すことができます。 ✔高単価・フルリモート案件多数
SCMの開発やツールの導入、DX推進といった領域に関心のあるエンジニアの方は、無料エキスパート登録から案件にアサインしてみてください。SAPシステム導入へのニーズが高まっている背景
2025年の壁
2027年問題(SAP ERPサポート終了)
①肥大化するシステムと喪失されていくリアルタイム性
②リアルタイム性を突き詰めたSAP S/4HANAのリリース
SAPシステムの導入ニーズを脅かす要因も
SAP運用経験があるエンジニアが求められている理由とは
SAP保守運用の仕事内容
● バグや不具合の障害対応
● 顧客要望に合わせたパラメータ設定
● 顧客への改善提案
● 再発防止策の策定~提案
● アドオン機能エンハンス対応SAPシステムを運用するために必要なスキル
SAP運用について学べる本
本①:図解入門 よくわかる最新SAPの導入と運用
本②:SAP HANA入門 Powered by IBM Power Systems
SAP運用経験をもつエンジニアが必要とされる理由まとめ
完全無料なので最新のSAP案件情報を見逃したくない人はかんたん10秒の無料登録だけでも早めに済ませておきましょう!
DXに関わるコンサルタントやエンジニアの方へ無料登録はこちら
150万円以上の案件が80%以上
✔上場企業や優良企業から直接スカウトが届く
簡単なプロフィールを登録し、あとはスカウトを待つだけ
✔これからの時代に必要な技術が身に付く
案件内容は戦略・DXに特化、仕事を通してスキルアップ