こんにちは。当メディアを運営するストラテジーテックコンサルティング編集部です。
近年、DX推進へ踏み出す企業が増加するに伴い、ERPパッケージ市場も盛り上がりを見せています。そのような中、ERPに関する知見や経験をコアにキャリアを構築していきたいとお考えになる方も多いようです。そこで、本記事では、ERPコンサルタントへの転職をご検討中の方向けに、ERPコンサルタントの所属企業や平均年収など、キャリアチェンジする前に知っておくべき情報をまとめてご紹介させていただきます。
目次
ERPコンサルタントの役割
ERPコンサルタントの役割は、クライアントが抱える経営課題を見出し、ERPシステムの機能を活かし、解決することです。具体的には、クライアントの現在の業務分析・改善提案から実際のERPシステム導入支援コンサルティング、そして導入後の支援まで一貫してサポートしていくことが多いです。
ERPパッケージの種類
なお、ERPコンサルタントが取り扱うERPパッケージは数多くの種類に区分できます。以下では有名なERPパッケージ製品をピックアップしました。
SAP
ERPパッケージ市場において最大のシェア率を占めるERPパッケージです。なんと世界190カ国以上、28万2000社以上の企業に導入されており、国内企業は2000社以上が導入しています。会計管理、購買、生産、人事などあらゆる業界企業にける業務カバーできるモジュールが容易されており、データは常にリアルタイムで部門を横断しアクセス可能となっています。提供企業はSAP社です。
Oracle EBS
Oracle社が開発したERPパッケージシステムです。元は、財務会計や人事管理などを効率化する財務会計パッケージとしてリリースされました。その後、BI,SCM,CRM,プロジェクトマネジメント,マスタデータ管理など様々な機能が追加されています。現在では、クラウド式ERPパッケージシステム「Oracle ERP Cloud」をリリースし、徐々に従来のOracleEBSから移行する動きが見られています。
Microsoft Dynamics
Microsoft社が提供する、CRMの機能を兼ね備えたERPパッケージです。具体的には、「マーケティング」→「営業」→「カスタマーサービス」→「フィールドサービス」までを一気通貫でカバーできる機能を搭載しており、社内にて円滑にカスタマー情報を共有し、情報を有効化させることを可能とします。多くの人にとってなじみの深いOfficeのような使いやすさと、Microsoft製品と簡単に統合できる柔軟性が大きな特徴です。
ワークスアプリケーションズ
人事,会計などの他、SCM,生産管理,Eコマースなどの企業経営に関わるERPパッケージで、製品名通り、株式会社ワークスアプリケーションズが提供しています。なお、国内ERPパッケージ市場においてはとりわけ大きな存在感を持っています。
その他、国内主要ERPパッケージとしては、勘定奉行(株式会社オービックビジネスコンサルタント),IFS Applications(日本電気株式会社),ProActive E2(SCSK株式会社),GEMPLANET(株式会社日立製薬所)等が挙げられます。
ERPコンサルタントが所属する企業例
ERPコンサルタントが在籍する企業の中でも、とりわけ知名度のある企業をご紹介します。
まず、ERPパッケージシステムの販売・導入コンサルティングをしている企業です。
<ERP製品ベンダー系>
- SAP
- Oracle
- Microsoft
等が挙げられます。いずれにしても就職難易度はかなり高く、希望職種における業務経験が最低5年程度は求められます。(※ただし、第二新卒は例外で、ポテシャル採用されるケースも多いです。)
また、上記のようなERPパッケージベンダーと販売パートナーとして契約をし、ERPコンサルティングサービスを提供している企業が多く存在します。有名どころは、Big4をはじめとするコンサルティングファームや大手SIerのERP部門などででしょう。その他、中堅コンサルティングファームや大手ファームから独立した方が経営する小規模ファームなどでもERPコンサルティングを提供しているケースがあります。
<コンサルティングファーム系>
- デロイトトーマツコンサルティング
- EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング
- マッキンゼー&カンパニー
- PwCコンサルティング
- KPMGコンサルティング
- アクセンチュア株式会社
- アビームコンサルティング株式公開
- クニエ
<SIer系>
- IBM
- NTTデータグローバルソリューションズ
- JSOL
等が挙げられます。なお、ERPパッケージ市場の中で最も高いシェア率を占めるSAP製品を提供するSAP社のパートナー企業数は、17000社を超えています(2021/02/01時点)
ERPコンサルタントへ転職する魅力
続いて、ERPコンサルタントとしてキャリアを築いていくうえでの魅力をお伝えします。
クライアントが大手
ERPパッケージは業界問わず世界中の大手企業が導入しています(近年では、クラウド式ERPパッケージシステムが登場したことから、中堅・中小企業においても普及してきていますが、まだまだま大手企業のほうがクライアント割合として多い次第です)。そのため、大手企業を相手に大口の案件を大きな責任感を持って経験したいと考えている方には、とってもやりがいを感じやすい職務でしょう。
上流コンサルタントとなれる
ERPコンサルタントは、ERP導入コンサルティングにおいて上流フェーズから携わることができます。IT領域でキャリアを構築していくうえでは、上流フェーズに携われる人材のほど単価が高く、またキャリアの選択肢も豊富であるといっても良いでしょう。そのため、ERPエンジニア等がキャリアアップの一貫としてERPコンサルタントへキャリアチェンジする例も少なくありません。
高年収
ERPコンサルタントの平均年収は、他のITコンサルタント比較しても引けを取りません。勿論、各個人のスキルレベルに拠って変動してきますが、年収1000万を超えてくるERPコンサルタントも少なくありません。ERPコンサルタントの平均年収については次トピックにて詳しくご紹介します。
ERPコンサルタントの年収
ERPコンサルタントの平均年収は、所属企業や各個人の有するスキルや経験によって大きく変動します。ここでは、大手コンサルティングファームや大手ERPパッケージベンダーにERPコンサルタントとして所属する場合の目安年収をご紹介します。(そのため、日系ITベンダー企業や中堅・中小企業にERPコンサルタントとして所属する場合は、ご紹介する目安より低くなる可能性があります。)
年代 | 年収 |
26~30 | 約500万~800万円 |
31~35 | 約800万~1100万円 |
36~40 | 約1100万円~ |
さらに、パートナークラスなどのマネジメントポジションとなった際には、年収2,000万~3000万円程度の水準に乗ってくる方も少なくありません。
また、外資系の企業に所属している場合には、日本特有の年功序列のような評価制度となっていないため、高年収を狙いやすい環境と言えます。もちろん、実績をコンスタントに出さなければならないというプレッシャーはありますが、自らの頑張りが年収に反映されやすい環境とも言えるでしょう。
ERPコンサルタントの主要キャリアパス
ERPコンサルタントの主要キャリアパスには、大きく以下5つがあります。
コンサルティングファーム
ERPコンサルタントが最も転職しやすいのはITコンサルティングファームです。というのも、現職と内容が重なるようなITコンサルティング(業務パッケージシステム導入など)を提供しているからです。そのため、今までERPコンサルタントとして培ってきたスキルや経験を活かしやすい転職先となっています。また、その他の総合系コンサルティングファームなどに転職するケースも多いです。
WEB系事業会社
ITとも密接な関係を持つWEB業界へ転職するERPコンサルタントも多いです。中途採用時点でのポジションは、コンサルティング営業となるケースが殆どです。また、ERPエンジニア→ERPコンサルタントというキャリアを積んだ方であれば、WEBエンジニアとして入社することも十分可能です。
今勢いに乗るWEB系事業会社の魅力はなんといっても、柔軟性と自由度でしょう。そのような点に魅力を感じる方は、キャリアパスの候補に入れても良いかもしれません。
インフラソリューション系企業
一口に「ERPコンサルタント」と言えど、経験する仕事は様々です。中でも、サーバーやミドルウェアに関する知見を培った人で、かつインフラ領域に興味を持った方が選ぶキャリアパスと言えるでしょう。ITインフラソリューション系企業の中でも。最近では、サーバーのクラウドサービス化サービスを提供している企業が勢いを見せています。有名どころで挙げると、AmazonのAWS等です。
社内SE
ERPコンサルタントは職務柄、クライアントの社内SEとコミュニケーションを取る機会が多くあります。また、直接的に指示を出す場面も多いことでしょう。そのため、何となく社内SEの仕事を把握するはずです。
今まではコンサルティングファームのERPコンサルタントとしてあらゆる企業へスポット的に支援をしてきたが、1つの会社に絞って自社の経営効率を効率化するための仕組みづくりに徹したいという方には社内SEがお勧めです。
PMO/PMOコンサルタント
コンサルティングファームでは、プロジェクトマネジメントサービス(プロジェクトの進行自体を外請け負う)を提供しています。もちろんERPパッケージ導入コンサルティングの場合も含まれます。そのため、ERPコンサルタントとしてプロジェクトマネジメントポジションを担当した経験から、プロジェクト管理能力を養う機会も豊富にあります。
そのような経験が豊富にあるERPコンサルタントの場合、社内PMOに属したり、フリーランスのPMOコンサルタントとしてのキャリアパスがあります。
今後のERPコンサルタントの需要
今後、ERPコンサルタントとしてのキャリアを検討中の方が、最も気になるのが「ERP市場の動向」でしょうか。
2018年時点でのERP市場売上は、1004億円(前年同期比+9.1%)で、2023年までは年成長率9.5%で安定的に拡大していくと予想されています。これは国内ERP市場だけでなく、世界市場においても同様の見込みです。
このようなERP市場の成長を牽引しているのが、「クラウド式ERPパッケージ」です。クライアントのERPパッケージ導入の初期費用を大幅にカットできるクラウド式ERPパッケージがリリースされたことにより、中堅・中小企業でのERPパッケージ導入数が大幅に拡大しています。つまり、クラウド式ERPパッケージが導入される以前は、ERP導入は巨額な初期費用がかかることから大手企業向けな側面がありましたが、今や規模に関わらず多くの企業におけるインフラとして導入されているのです。
今後も、DX推進などの流れも相まってERP市場の盛り上がりは続いていくことでしょう。とりわけ既存ERPパッケージをクラウド式に移行するプロジェクトについては、需要がひっ迫していくことと思われます。このようなERP市場動向に伴いERPコンサルタントの需要も拡大していくことが見込めます。また、IT人材不足の顕著化も問題となっており、ERPコンサルタントは重宝される存在となっています。
ERPコンサルタントへの転職に有利な資格
最後にERPコンサルタントへの転職に有利な資格をお伝えします。ERPコンサルタントとしてご活躍中の方は、次のような大手ERPパッケージベンダーが提供する資格を取得していることが多いです(新卒や中途入社後の研修で取得させる企業も多いようです)。
勿論ERPコンサルタントとして活動する上で、必須ではありませんが、「保有者は、当該領域における知見やスキルを一定以上有している」と万人から判断されますので、取得しているに越したことはありません。
SAP認定コンサルタント
SAP社が提供する資格です。取得においてかなり高額な費用がかかること、そして資格は製品とバージョンに依拠しているため、新たな製品及びバージョンが登場するごとに新たな資格を取らなければならないというデメリットがあります。しかし、取得難易度も低くないことから、独立時や転職時に確実に有効性を発揮します。
SAP認定コンサルタントの種類や勉強方法についてはこちらの記事をご参考ください。
より詳しく知りたい方はこちらSAP認定コンサルタント資格とは?難易度・費用・勉強方法について解説します
ORACLE MASTER
日本オラクル社が提供・公認する「Oracle Database」シリーズの認定資格です。資格の有効制限はなく、製品がバージョンアップされた際にも必要になる追記試験などはありません。
これまでは、国内でのみ認定されていましたが、2003年以降から海外の資格との連携が可能となったため、世界共通の資格となっています。
MBMSプログラム
マイクロソフト社が提供・公認する資格です。ソリューションによって資格が区分されており、トレーニングも提供されています(有料)。
ERPコンサルタントは将来性が明るい
いかがでしたでしょうか。
今回は、ERPコンサルタントの年収やキャリアパスなどをご紹介しました。ERPコンサルタントへの転職を検討中の方にとって有益な情報となれば幸いです。
また、ストラテジーテックコンサルティングには、SAPをはじめERP業界における豊富な知見を有している大手ファーム出身コンサルタントが在籍しています。そのため、読者様の経歴を把握したうえで、キャリアアップを最大限ご支援させていただくことができます。「少しお話を聞いてみたい、相談してみたい」といった軽い気持ちでも問題ありません。お気軽にお問い合わせください。
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