本記事ではAIエージェントの概要と、企業における活用事例を紹介した上で、AIエージェントを活用するメリットを解説します。
ChatGPTをはじめとする生成AIよりも複雑な指示を実行できるのがAIエージェントです。
実際にビジネスの現場でどのように活用されているのか、順番に見ていきましょう。

目次
AIエージェントとは

AIエージェントとは、目的を達成するために自律的に情報収集や手段の選択を行い、進めていくシステムです。
ユーザーが具体的な指示を与え、作業を効率化するための手段であった従来のAI技術から、よりビジネスに役立つツールとして進化しました。
ビジネスの現場では、生成AIよりも人間に近い形で処理が行えるようになったため、同僚や上司などのキャラクターを与え、ユーザーが親しみやすい形で導入されていることもあります。
参照:
・「AIエージェントとは? 生成AIとの違いや特徴を分かりやすく解説」ソフトバンク
・「AIエージェントとは?特徴や生成AIとの違い、種類や活用シーンを紹介」AIsmiley
AIエージェントのビジネスにおける活用事例6選

次にAIエージェントをビジネスに活用している事例6選を紹介します。
KDDIでは、営業活動を効率化するためにAIエージェントが導入されています。 競合他社の動向が考慮されているか、海外の最新トレンドが加味されているかといったロジック以外の幅広い観点からもレビューが可能です。 他にも新しい企業や業界へ提案を行う際に、必要な情報をすばやく収集し、提案準備の効率化をサポートします。 これによって営業部門全体の提案の質向上と、実際に上司がレビューを行わなくても多角的な指摘ができるため、業務の効率化につながっています。 参照: 日産自動車では、工場の紙ベースの作業やFAXでの注文管理業務の効率化を目指してAI-OCRの「DX Suite」を導入しました。 2025年3月からは「DX Suite」にAIエージェントが搭載され、さらに性能がアップしました。 また、電子データを読み取る際、対象ファイルをアップロードしなくてもAIエージェントが自動で読み取るファイルを見つけてくれるようになったため、ファイルを選択する時間も削減できます。 参照: 問い合わせ対応やFAQページ作成サービスなどを提供しているZendeskでは、AIエージェントを導入したことで、従来のチャットボットよりも人間に近い対応が可能になりました。 AIエージェントが必要に応じて情報収集を行うため、サービスの導入にあたって、提供先企業の事業内容をAIに学習させるといったトレーニングは不要です。 参照: トヨタ自動車はMicrosoftとAIエージェント「O-Beya」を開発しました。 そこで技術分野ごとに専門知識を結集したAIエージェントを開発し、それらを結合するAIエージェントとして、「O-Beya」を導入。 例えば、「O-Beya」に「より速く走る車を作るにはどうしたらよいか」と質問すると、エンジン分野のAIエージェントはエンジン出力の観点から回答を行い、規制分野のAIエージェントは排出ガス規制の観点から回答を提案します。 回答のベースになっているのは、過去の設計報告書や最新の法規制情報、ベテランエンジニアたちの手書き文書、ユーザーとAIとの対話履歴などです。 参照: サイバーエージェントでは、広告事業に携わる各社員に独自開発したAIエージェントの「シーエーアシスタント」を導入しました。 運用型広告とは、配信場所や画像・文字・動画などを適宜変更しながら配信効果を高めていく広告です。 「シーエーアシスタント」は、細かな配信設定や配信効果に関するレポート作成、効果に応じた運用改善を実施するための広告分析やグラフ作成、一次回答生成といった業務を行います。 そのため、データ解析とインサイトの抽出に迅速に取り掛かれるようになり、クリエイティブな仕事や戦略的な判断に多くの時間を割くことが可能です。 参照: 明治安田生命では、営業職員向けにAIエージェントの「デジタル秘書MYパレット」を導入しました。 また、顧客訪問後に話した内容などを簡単に記録できるようになっているため、業務負荷の軽減も可能です。 MYパレットの導入によって顧客との関係性強化やきめ細やかなサービス提供などが期待されており、今後は営業職員だけでなく、全職員に向けたデジタル秘書の導入を目指しています。 参照: ここからはAIエージェントをビジネスで活用するメリットを解説します。 それぞれ詳しく解説します。 AIエージェントの導入によって、わからないことをその場で質問でき、AIがすぐに回答してくれることから、業務が停滞しにくくなります。 人手不足やコスト削減、働き方改革などが推進される中でAIがこれらの課題解決の糸口になることが期待されています。 参照: これまで蓄積されていたものの、有効活用されていなかった社内の膨大なデータや知見をAIエージェントは瞬時に分析可能です。 これによって、従来はあまりアクセスされていなかったデータが有効活用され、ノウハウの継承や情報共有がスムーズに行えるようになります。 参照: AIエージェントがこれまでの購買履歴や地域情報などのデータを分析することで、ユーザーごとに最適化された対応や商品提案が可能です。 また、業務が効率化されることで、社員が顧客対応に充てられる時間が増え、顧客体験をより良くするための活動が行われやすくなります。 参照: 今回はAIエージェントの概要とビジネスに導入している企業の事例6選を紹介した上で、AIエージェントを活用するメリットを解説しました。 AIエージェントは指示を理解して自律的に処理を行うため、生成AIよりも複雑なタスクをこなすことが可能です。
● 日産自動車(DX Suite)
● Zendesk(AIエージェントサービス)
● トヨタ自動車(O-Beya)
● サイバーエージェント(シーエーアシスタント)
● 明治安田生命(MYパレット)KDDI(A-BOSS)
「A-BOSS(本部長AI)」と呼ばれるAIエージェントは、本部長の業務をAI化することを目的に、上司の代わりに提案書のレビューを行います。
まるで本当の上司からレビューを受けた後のように、多角的な提案へアップデートできる指示を出します。
なお、レビューや情報収集を行う際は、ハルシネーション対策を兼ねて提供する情報の全てに出典を明記することが可能です。
・「AIエージェントとは?生成AIからの進化点や導入事例、注意点など解説」KDDI 法人・ビジネス向け サイト日産自動車(DX Suite)
紙媒体の読み取りやレガシーシステムの画面から数値をExcelに移す作業などに役立てられています。
従来は帳票ごとに読み取り項目や範囲指定をユーザー側で行う必要がありましたが、AIエージェントが最適な読み取り設定を行ってくれるため、設定作業の手間や時間が削減できるようになりました。
AIエージェントによる機能を追加設定なしで利用できるため、多くのユーザーの作業効率化につながっています。
・「単なる“紙の電子化ツール”ではない ーー 日産自動車が発見したAI-OCR の真価と社内ユーザ数が約10倍へ増加したカギとは?」AI inside 株式会社
・「AI inside、”DX Suite”にAIエージェントを標準搭載し全ユーザへ提供を開始― データ入力業務の常識を覆す次世代の体験へ」AI inside 株式会社Zendesk(AIエージェントサービス)
ユーザーとの対応では、生成AIを利用して問い合わせ内容を理解し、提供先企業のヘルプセンターの内容を読み込み、あらかじめ設計された会話フローに基づいて自律的に会話を行います。
・「AIエージェント—高度な自律性を備えたCX向けAIボット」Zendesk
・「AIエージェントについて」Zendeskヘルプ
・「AIエージェント(Advanced)の初めての使い方」Zendeskヘルプトヨタ自動車(O-Beya)
トヨタではハイブリッド車や電気自動車、自動運転車の登場により目まぐるしいスピードでの変革や多くの新技術開発が求められています。
しかし、ベテランエンジニアが定年退職を大量に迎えており、ノウハウの承継が急務となっていました。
「O-Beya」がこれらのAIエージェントの回答を1つに統合することで、バランスの取れた回答が生成されます。
このようなあらゆる情報が取り入れられており、「O-Beya」はトヨタの知識が結集したシステムです。
・「トヨタ自動車、エンジニアの知見を AI エージェントで継承へ ー 競争力強化に向け革新的な取り組みを開始」Microsoftサイバーエージェント(シーエーアシスタント)
インターネット広告の主流である運用型広告の効果を最大化するための分析や業務を担ってくれます。
社員は作成されたグラフを見て直感的に結果の概要を把握したり、AIとの対話の中から情報を引き出したりすることができます。
・「生成AIが広告運用を再構築。2.4万時間削減目指す”シーエーアシスタント”とは」CyberAgent Way 公式オウンドメディア
・「広告事業に従事する社員一人ひとりに専属AIアシスタントを提供 生成AI活用でオペレーション業務の効率化を図る社内アプリケーション”シーエーアシスタント”を自社開発」株式会社サイバーエージェント明治安田生命(MYパレット)
MYパレットは、顧客の属性や趣味嗜好、地域のイベント情報などをAIが分析し、営業職員に対してコミュニケーションのアドバイスを行います。
・「アクセンチュア、生成AIなどの先端技術を活用し、明治安田の全社横断的なDXに伴走」PR TIMES
・「アクセンチュア社との包括的パートナーシップ契約の締結について 」明治安田 AIエージェントをビジネスで活用するメリット
● 膨大な社内データの活用
● 顧客体験の向上 業務効率化
また、膨大なデータ分析やレポート作成などを代替してくれるため、作業時間の短縮も可能です。
・「AIエージェントは本当に万能か?導入前に知るべきメリットやリスクと課題」Aidiotプラス
・「AIエージェントとは?生成AIとの違いや特徴、活用例をご紹介」リコー ソリューション・商品サイト膨大な社内データの活用
それだけでなく、ユーザーから受けた質問に対して分析したデータを基に回答すると同時に参照した情報のソースを示すこともできます。
・「AIエージェントは本当に万能か?導入前に知るべきメリットやリスクと課題」Aidiotプラス顧客体験向上
顧客へのきめ細やかな対応やAIの分析を踏まえた商品提案など、顧客対応の質の向上が期待されています。
・「AIエージェントとは?生成AIとの違いや特徴、活用例をご紹介」リコー ソリューション・商品サイトまとめ
そのため、各企業においても積極的に導入が進められています。
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