2018年9月に経済産業省が発表した「DXレポート」により、DX(デジタルトランスフォーメーション)がビジネスシーンで広く認知されるようになりました。
しかし、DXへの認知・理解は深まったものの、クラウドサービスの活用や導入など初歩的な取り組みにとどまり、デジタルカンパニーへの変革プロセスには至っていない企業が多いのが現状です。
そこで本記事では、国内外のDX成功事例を厳選してご紹介します。
DX推進の重要性を感じているが、何から始めればよいかわからない、自社の取り組みが正しいかどうか自信がないという方は、ぜひ参考にしてください。
目次
DXの市場規模
そもそも国内のDX市場規模はどのぐらいなのでしょうか?
現在の状況について解説します。
国内の市場規模は?
国内の市場規模について、富士キメラ総研「2022デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編」によれば、2020年度のDX市場は、約1兆4千億円とされています。
市場別でみれば、交通/運輸の2,780億円がトップで、次に金融(1,887億円)、製造(1,620億円)となっており、かなりの市場になっていることが分かります。
世界から見れば遅れている日本のDX
しかしながら世界市場から比べれば日本は大きく出遅れています。
スイス国際経営開発研究所(IMD)の「世界デジタル競争力ランキング2021」によれば、日本は世界64か国中28位となっており、「DX後進国」と揶揄されるほどです。
今後も拡大傾向にあるDX市場
しかしながら日本市場は世界に遅れながらもこれから大きく拡大するといわれています。
先に説明した富士キメラ総研の調査結果によれば、2030年までに日本のDX市場は5兆円を突破、現在の3.8倍の規模まで拡大するといわれています。
これはDXが今後企業競争力を高める武器になるというプラスの面と、2025年の壁という大きな課題が背景にあります。
現在国内ではクラウド技術を活用し、異業種への新規参入が活発に行われています。
特にD2Cブランドの隆盛はアパレルやコスメティック分野で顕著であり、既存の業界構造を変える勢いで市場は拡大を続けていると言えます。
企業のサステナブル経営を目的としたDX導入も活発に行われており「競争力強化×サステナブル経営」の両立を推進できるようになりました。
今後、経営戦略やマーケティング施策にサスティナビリティを積極的に取り入れるなど、企業として多くの企業努力が必要となるでしょう。
順風満帆ではありませんが、企業の競争力とDXの親和性は高く、今後企業へのDX導入はますます活発になるでしょう。
2018年初に公開されたDXレポートで出た「2025年の崖」が徐々に浸透しつつあり、これがDX市場未参入企業の後押しをすることになるでしょう。
現状国内の多くの中小企業がDX未着手、ないしは途上の状況にあるといわれており、これら企業が積極参入することが予想されます。
DX導入が拡大している理由
前述でも少し述べましたが、何故DXは今後拡大傾向になるのでしょうか?その理由は大きく2つあります。
人材不足への対策
DX技術は人材不足を解消することができます。
理由は簡単でロボットやデジタル技術が人間よりも効率的に機能するため、以前ほど多くの人員を必要としないためです。
先進国では少子高齢化が進み、途上国では経済成長が進んでおり、人材不足や人件費高騰などの問題に直面しています。
DXはこういった問題を解決し、ローコストでハイパフォーマンスな環境を提供してくれます。
業務効率化
DX導入によりさまざまな作業を人の手に頼らずに行うことができるようになり、従来の方法よりもはるかに効率的になります。
特に、手作業などの定型作業を自動化できる技術は高く評価されており、その正確性だけでなくスピーディな作業にも注目が集まっています。
参考
https://kobot.jp/kobot_lab/dx/dx-market/
DX時代に今企業がすべきことは?
それではDX時代に企業がすべきことはどのようなことなのでしょうか?
ここでは大きく3つのポイントについて解説しましょう。
DXに精通した人材育成や外部招聘
初期段階の取り組みとしてツール導入を進めながら、DX人材の確保・育成が重要となります。
DXソリューションを検討するリソースがあっても、自社改革を牽引できるDX人材がいなければ計画は進まないでしょう。
DX人材が確保できるかを確認し、困難な場合はDX人材育成を検討しましょう。
DXに向けたツール導入
まずDX社内基盤を整えるため、デジタル化推進を進めましょう。
最先端技術(AIやIoT)を活用した業務ツールを導入、各部署・部署のデジタル化を支えており、既存業務の効率化をはかり、浮いた人的リソースをDX施策に投入できるようにします。
また、最先端技術を活用したビジネスツールの導入により、リモートワークなど多様な働き方が可能になります。
これらの導入で既存業務を効率化、DX対応のリソース確保を目指しましょう。
DX化に向けた上層部への理解活動と教育
ビジネスツールの導入やリソース確保も重要ですが、最も重要なのは「経営陣のDXリテラシー向上」と「社内全体のDX認知度向上」です。
DXは、そもそも達成が難しい目標を設定し、地道な活動が必要です。
各社のDX導入事例を調べると、自社のDX実現に向けて「道半ば」にあるケースが多く、最終形となっていない企業がほとんどです。
このような険しい道のりを進むには、経営陣のDXリテラシーを高めるだけでなく、DXに全社員の目を向ける必要があります。
セキュリティ対策
最後はセキュリティ対策です。
DXはこれまで以上にデジタルの力を利用します。
それは社内だけでなくクラウド利用なども増加しますので、その分セキュリティ対策にも力を入れる必要があります。
特にWebアプリ導入が多くなるため、WAF導入は必須となるでしょう。
DX(WAF)導入事例
DX展開に向け必須要件となるWAFを話しましたが、導入事例について3つほどご紹介します。
SBIホールディングス
SBIホールディングス株式会社(以下、SBIHD)は、デジタル金融分野にも進出しており、インターネット金融、いわゆるフィンテック分野のリーディングカンパニーであることは周知の事実です。
FinTech分野ではDX(デジタルトランスフォーメーション)が日々進行しており、AIやブロックチェーン、ビッグデータ、IoTなどの先端技術を活用するためには、パブリッククラウドの活用は避けては通れません。
今回、SBIHD がパブリック Web サーバーをホストすることを選択した Amazon Web Services (以下、AWS) は、2021 年時点で最も人気のあるパブリック クラウドであり、多くの考慮事項をクリアする必要がありました。
その中の一つにセキュリティ対策がありました。
AWSには標準的な DDoS 対策がありますが、AWS WAFも採用しWeb向け通信を制御できるようにしました。
また、IPSの仕組みとしてWAF仮想アプライアンスを搭載し、クラウドに到達するトラフィックを極限までクリーンにすることに成功しています。
これらによりスケーラビリティ確保との両立が難しいセキュリティ面においても、金融機関としてSBIHDに求められる厳しい基準をクリアすることができました。
三好不動産
三好不動産では、自社と不動産管理物件のオーナー間のコミュニケーションをIT化すべく2020年10月に「オーナーWeb」サービスを開設しました。
これまでは対面、電話、FAX等で実施していた連絡をオーナーWebに一本化することで効率化をはかったのです。
しかしながらオーナーWeb上は入居者や家賃情報など多くの個人情報を扱っておりセキュリティ対策が大きな課題となりました。
特にWeb化することでオーナー様からの不安なども上がってきていたのも事実です。
そこで、セキュリティ対策の一環としてWAF導入を実施、インターネット側からのDoS攻撃などの対策を実施しました。
業界標準に合わせた対策なども実施出来、セキュリティ強化につなげるのと同時に、オーナー様など関係者の安心にもつなげられました。
興安計装株式会社
大口企業向けのWebサービスの開発・運用を請け負った同社でしたが、本格的なオープン前に大きな問題に直面しました。
それはセキュリティ対策です。
本Webサイトでは顧客の個人情報を扱うこともあり、セキュリティ対策は必須でした。
また、サービスインまでの期間が短く、早期対応が必要でした。
そこでクラウド型WAFによる導入を検討しました。
クラウド型を選択することで初期段階は必要最小限での導入を可能とし、クラウドサービス会社側での運用サポートも受けられたことで、短期間で強固なセキュリティ対策を実現しました。
まとめ
いかがだったでしょうか?
国内DX市場は海外から遅れているものの、今後大きく拡大していく市場です。
その効果は業務効率化や2025年の壁対策など大きな効果や企業が抱える課題対策にもなる為、多くの企業で導入が進むことでしょう。
ただDX化を進めるために必要な事項としてセキュリティ対策があります。
Web化が進む中、WAF導入は必須といえるでしょう。
皆様もDX対策の一環としてWAF導入を検討されてはいかがでしょうか?
https://corp.infomart.co.jp/seikyu/column/detail.html?itemid=992&dispmid=417
https://monstar-lab.com/dx/about/dx-cases/
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