近年、DXと称されるデジタルシフト変革が求められている中、DX推進の担い手としてニーズが高まっているITコンサルタント。
そのような世の中のニーズに応じてITコンサルタントを目指している方、またITコンサルタントとして更なるキャリアアップを図りたいとお考えの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ITコンサルタントにおすすめの資格12選を難易度と併せてご紹介します。
目次
ITコンサルタントとは
ITコンサルタントとは、IT技術を駆使して企業の問題解決を支援するコンサルタントのことです。
企業の経営戦略に沿ってIT戦略を検討し、システム開発の提案や最適化を通じて、企業の経営を補佐する上流工程を担当するITコンサルタントやPM/PMOとしてPJTを推進するITコンサルタントもいます。
ITコンサルタントはSEやプログラマーとチームを組みプロジェクトを進行させていきます。
そのためSEよりも、主体性やロジカルシンキング、コミュニケーション能力などが求められます。
具体的に言うと、クライアントが抱える経営課題に対して、どういったシステムを導入することで課題を解決させられるか、クライアントの要望をヒアリングし、ニーズに適したシステムを提案します。
ITコンサルタントなるには資格が必須なのか?
ITコンサルタントになるために取得しなければならない特定の資格なるものはありません。
ITコンサルタントを目指すうえで最も重要な項目は、これまでの経験と論理的思考力やコミュニケーション能力等のいわゆるコンサルタントに求められる素養が身に付いているかです。
ITコンサルタントとして働く場合は、その多くが総合・戦略コンサルティングファームやITベンダーに所属しています。
他方、近年ではフリーランスのITコンサルタントとして活躍している人材も多くいます。
ITコンサルタントへ転職するためのオススメの方法
高収入や独立して自由な働き方をしやすいことからITコンサルタントに転職を検討される方は少なくないでしょう。
本トピックでITコンサルタントに転職するためのオススメの方法をご紹介します。
なお、ITコンサルタントの年収やキャリアパスについては以下の記事で詳しく紹介しています。参考にしてみてください。
資格を取得する
ITコンサルタントはITシステムを駆使して企業の経営課題を解決する役割です。
自身が活躍したい領域に合う資格取得に向けて勉強をする方法です。
詳しい資格については後述致しますが、代表的である「ITストラテジスト」は企業の経営戦略に合わせてITシステムを使用した知識を体系的に学ぶことができます。
資格を取得しておくと、ITコンサルタントに転職を検討した際に企業やクライアントに安心感を与えることができます。
ITコンサルタントを育成するスクールに通う
ITコンサルタントは情報技術の知識や論理的思考力、プロジェクトマネジメントのスキルが必要になります。
スクールに通うことで書籍の知識だけでなく、実践を想定した体系的な勉強をすることができます。独学で勉強をすることに限界を感じている方にオススメです。
また、ITコンサルに転職後、フリーランスとして活動を検討している方はITコンサル向けの案件紹介が受けられるコンタクトアースがオススメです。
ITコンサルタント未経験者向け4つの資格と難易度
基本情報技術者
独立行政法人のIPAが認定する国家資格である「基本情報技術者」は、IT分野全般に関する基礎(あくまでもIT業界で働く上で最低限有しておきたい)レベルの技能や知識を有する人材であることを証明する資格です。
試験問題は、コンピュータにおける基礎倫理やプログラミングに関する内容からセキュリティについてなど、幅広い分野から出題されます。
ITコンサルタントとして本格的に働く場合には、同資格だけでなく応用情報技術者の取得をすることが望ましいでしょう。
問題形式 | 【科目A】多岐選択式‐四肢択一‐60問(回答数60問) 【科目B】多岐選択式20問(回答数20問) |
試験時間 | 【科目A】90分 【科目B】100分 |
基準点 | 【科目A/B】科目評価点:600点/1,000点満点 |
受験料 | 7,500円(税込) |
受験環境 | 全国の試験会場にて |
お申込みはIPAのHPから
ITコーディネータ
経済産業省推進資格の「ITコーディネータ」は、ITを経営に活用することを目的に経営者目線でアドバイスを行うことでIT経営の実現を支援する人材であることを証明する資格です。
同資格を取得するには”ITコーディネータ試験”又は”専門スキル特別認定試験”のどちらかを受験し、合格する必要があります。
ITコーディネータ協会が発行している「IT経営推進プロセスガイドライン」の内容が理解できれば合格できる可能性が極めて高いです。
ただし、応用問題では、ガイドラインに掲載されている内容以外が出題される可能性があるため、経営戦略や最新IT技術活用事例、プロジェクトマネジメント等についても学んでおく必要があります。
日ごろからITを活用した最新技術や活用事例に関する情報を収集する癖をつけておくと良いでしょう。
ITコーディネータ試験 | 専門スキル特別認定試験 | |
問題形式 | 多肢選択式100問(必須60問、選択40問) | 多肢選択式60問(必須60問) |
試験時間 | 120分 | 80分 |
受験料 | 19,800円(税込) | 9,900円(税込) |
受験環境 | 全国のCBT-Solutioin社・CBT試験会場 |
CompTIA Project+
問題形式 | 単一/複数選択95問 |
試験時間 | 90分 |
受験料 | 46,284円(税抜) |
合格ライン | 710スコア以上(100~900のスコア形式) |
受験環境 | 全国のピアソンNUE試験会場orオンライン試験 |
ITILファンデーション
問題形式 | 4肢択一式、CBT方式40問 |
試験時間 | 1時間 |
受験料 | 43,890円(税抜) |
受験環境 | 全国のピアソンNUE試験会場、プロメトリックス試験会場orオンライン試験 |
ITコンサルティング経験者向け5つの資格と難易度
続いて、ITコンサルティング経験経験者向けのお勧め資格をピックアップしました。
応用情報技術者
IPAが認定する「応用情報技術者」は、IT分野全般における応用レベルでの技術やノウハウを有していることを証明する資格です。
試験の範囲は基本情報技術者と同様ですが、それ以上に高度な知見が求められます。
問題形式 | 【午前】多岐選択式80問(回答数80問) 【午後】記述式11問(回答数5問) |
試験時間 | 【午前】9:30~12:00(150分) 【午後】13:00~15:30(150分) |
受験料 | 7,500円(税込) |
受験環境 | 全国の試験会場にて |
お申込みはIPAのHPから
中小企業診断士
国家資格である「中小企業診断士」。
同資格保有者は、中小企業が抱える経営課題に関して助言を行うプロフェッショナルとみなされます。
問題形式 | 【1次】筆記試験 【2次】筆記試験・口述試験(筆記試験にて相当の成績を修めた方が対象) |
試験時間 | 【1次】全4科目:60分×2 90分×2(9:50~17:10) 【2次】筆記試験:80分×4 |
受験料 | 一次試験:14,500円(税込) 二次試験:17,800円(税込) |
受験環境 | 全国の試験会場にて |
中小企業診断士の難易度一次試験と二次試験があり、どちらも合格率は20%程度。ただし、試験範囲全7科目に一度に合格しなくてもよい’”科目合格制度”が採用されているため、回数を分けて受験し資格を取得することも可能です。
お申込みは一般社団法人中小企業診断協会HPから
ITストラテジスト
「ITストラテジスト」は、IPAが実施する情報処理技術者試験の中でも最難関に位置付けられる資格です。
同資格保有者は、企業の経営戦略に基づいて、IT技術を活用し事業改革のための基本戦略を推進可能な人材であるとみなされます。
合格には手を込んだ対策が必要となってきますが、その分転職時などに他資格と比較して大きなインパクトを与えることや高年収が期待できます。
問題形式 | 【午前】(多肢選択式) Ⅰ : 30問 Ⅱ : 25問 【午後】 Ⅰ : 4問中2問回答(記述式) Ⅱ : 3問中1問回答(論述式) |
試験時間 | 【午前】 Ⅰ : 9:30~10:20(50分) Ⅱ : 10:50~11:30(40分) 【午後】 Ⅰ : 12:30~14:00(90分) Ⅱ : 14:30~16:30(120分) |
受験料 | 7,500円(税込) |
受験環境 | 全国の試験会場にて |
お申込みはIPAのHPから
プロジェクトマネージャ(P2M)
日本プロジェクトマネジメント協会が認定する「プロジェクトマネージャ」は、プロジェクトの責任者に必要とされる知見やスキルを証明する資格です。
同資格保有者は、プロジェクトにおけるスケジュールやパフォーマンス、コストなどを管理するスキルを有しており、プロジェクトマネージャとして業務を適切に遂行できるレベルであるとみなされます。
またP2Mは、下位から「プロジェクトマネジメント・コーディネーター資格試験(PMC)」「プロジェクトマネジメント・スペシャリスト(PM)」「PMSプログラム試験(PMS)」「プログラムマネジャー・レジスタード(PMR)」の4種類の試験に分かれています。
問題形式 | 【午前】(多肢選択式・四肢択一) Ⅰ : 30問 Ⅱ : 25問 【午後】 Ⅰ : 3問中2問回答(記述式) Ⅱ : 2問中1問回答(論述式) |
試験時間 | 【午前】 Ⅰ : 9:30~10:20(50分) Ⅱ : 10:50~11:30(40分) 【午後】 Ⅰ : 12:30~14:00(90分) Ⅱ : 14:30~16:30(120分) |
受験料 | 7,500円(税込) |
受験環境 | 全国の試験会場にて |
プロジェクトマネージャの難易度
PMC:70%程度
PMS:50%程度
MSプログラム:64%程度
PMR:76%程度
お申込みはIPAのHPから
PMP
「PMP」とは「Project Management Professional」の略語で、米国のPMI(Project Management Institute)が認定している資格です。
前述したプロジェクトマネージャ資格同様にPM人材であることを証明することが可能で、かつ海外でも通用する非常に有用性の高い資格です。
そのため、外資系企業をはじめ海外との連携がある企業への転職を希望している方にはぜひ取得していただきたい資格の1つです。
問題形式 | 多肢選択式200問 |
試験時間 | 4時間(15分のコンピュータチュートリアル含む) |
受験料 | 【PMI会員】405ドル(再受験:275ドル)(更新:60ドル) 【一般】555ドル(再受検:375ドル)(更新:150ドル) |
受験環境 | 全国のCBT試験会場 |
PMPの難易度合格率は60%程度。合格までには100時間程度の学習時間が必要とされてはいるものの、個人によって大きくバラつきが出てている印象です。そもそも、受験資格として以下項目を満たすことが必須となっています。
①プロジェクトのマネジメント経験年数
②試験の申込日から遡った過去8年以内のマネジメント経験
③35時間の公式プロジェクトマネジメント研修の受講
実務経験があれば、それほど取得のハードルは高くないでしょう。
お申込みはPMI公式HPから
ITコンサルタントにオススメのベンダー系資格3つ
先述したような資格の他に、ITベンダーの主要資格を保有していると「IT領域全般知識に加え、深い製品知識を有していること」を証明できます。
ただし、取得難易度は基本的に高くなっています。
※各ベンダー資格は細かにグレード分けされている(いわゆるグレードアップ型資格)ので、このトピックでは難易度についての言及はしません。
Oracle Master
「Oracle Master」は、日本オラクル社が公式に運営するOracle Databaseシリーズに関するスキルや知見を認定する資格です。
OLACLE社によると、ORACLE製品は国内におけるリレーショナルデータベース管理ソフトウェア市場において49.9%のシェアを誇っており、なんと22年連続で首位を維持しています。
ITコンサルタントにとって、高いニーズのデータベースを扱う技術があることを証明できることは、キャリアを築くうえで大きなアドバンテージとなるのではないでしょうか。
なお、2009年7月1日時点で国内では資格取得者数が20万人を突破しています。
Oracle Masterは「Bronze(ブロンズ)」「Silver(シルバー)」「Gold(ゴールド)」「Platinum(プラチナ)」の4つのグレードが存在しているステップアップ型の資格です。そのため、下位から順に取得していかなければなりません。
Bronze | Silver | Gold | Platinum | |
問題形式 | CBT方式(マウス選択問題)40問 | CBT方式(マウス選択問題)90問 | CBT方式(マウス選択問題)80問 | 実技試験or移行試験 |
試験時間 | 90分 | 150分 | 120分 | 2日(移行試験の場合は1日) |
受験料 | 【会場試験】29,400円(税抜) | |||
受験環境 | 全国の試験会場orオンライン試験 |
以前は国内のみで有効な資格でしたが、2003年以降国外で実施されているCestification Program(OCP)との連携が可能となりました。※Silver以上のみ該当
お申込みはOracle社の登録ページから
LPIC
カナダに本部を置くNPO法人Linux「LPI」の日本支部が提供・認定する「LPIC」は、Linuxを扱えるスキルや知見を有していることを裏付けるステップアップ型資格です。
LPI公式の調査では、資格取得者の満足度が89%となっており、様々な局面でメリットを感じている方が多いようです。
LPIC-1 | LPIC-2 | LPIC-3 | |
問題形式 | CBT方式(マウス選択問題、キーボード入力問題)各試験約60問 | ||
試験時間 | 2試験×各60分 | 2試験×各90分 | 3試験×各90分 |
受験料 | 15,000円 | 15,000円 | 30,000円 |
受験環境 | 全国の試験会場 |
お申し込みはLPI日本支部の登録ぺージから
CCNA
「CCNA」は、世界最大級のネットワーク関連機器メーカーであるシスコシステムズ社が認定・提供する資格です。
同資格保有者は、ネットワークエンジニアの技術を有ていると見なされます。
CCNAは以下5つのグレードに分かれており(下位から①)
②アソシエイト
③プロフェッショナル
④エキスパート
⑤アーキテクト
さらに各グレードはそれぞれの業界や業種に応じた以下9つの分野に細分化されています。
②Routing & Switching(ルーティング&スイッチング)
③Cloud(クラウド)
④Collaboration(コラボレーション)
⑤Data Center(データセンタ)
⑥Industrial(インダストリア)
⑦Security(セキュリティ)
⑧Service Provider(サービスプロバイダー)
⑨Wireless(ワイヤレス)
9つの領域の中でも、とりわけ「Routing&Switching」が国内外ともに最も人気があるため、今回はRouting&Switchingについて詳細を下記表にまとめました。
問題形式 | CBT方式(コンピュータ入力)※出題数はグレードによる |
試験時間 | 1科目×各90分 |
受験料 | 336,000円(税抜) |
受験環境 | 全国のピアソンVUE試験会場 |
お申込みはCisco社の登録ページから
ITコンサルタントに1番オススメな資格はITストラテジスト
ITコンサルティングに関わる資格の中で最もオススメな資格が「ITストラテジスト」です。
情報技術を駆使して経営の改革を行う方法やITを利用したサービス・製品の経営マネジメントについて体系的に学ぶことができるためITコンサルタントに適した資格と言えます。
また、DX推進に伴い「ITの高度専門性×経営知識」をもった人材が必要になりました。
そうした背景から、2つのスキルを持ち合わせたITストラテジスト人材のニーズが高まっています。
補足になりますが、ITストラテジスト取得者の平均年収※は670万円とされています。
情報技術者試験の中でも平均年収が高い傾向にあります。
IT技術を駆使したコンサル業務を行い、企業の経営に関わるため高年収に関係していると考えて良いでしょう。
報酬UPに期待できる可能性も秘めた資格の一つとなっています。
先述致しましたが、ITストラテジストの合格率は14%程度とIT系国家資格で最難関となります。
しかし取得ができればITコンサルタントとして、自身の市場価値をより高められますし、独立を検討している方にとっては、顧客獲得にも有利に働くでしょう。
これを機に取得を検討してみてはいかがでしょうか。
参考:)ITストラテジストの年収
ITコンサルタント資格のまとめ
今回はITコンサルタントの方向けに取得すべき資格についてご紹介しました。
現在ITコンサルタントの方は勿論のこと、未経験の方にもキャリアを築くうえで資格の取得は有効です。
自身の将来像に近づくためにも、資格取得に取り組んでみましょう!
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