近年「業務プロセスの効率化」や「データの一元管理」を目的として多くの企業がSAPのERPパッケージを導入しています。
企業は、SAP製品を活用して、経営課題を解決するために「SAPコンサルタント」を必要とすることがあります。
そこで、本記事でSAPについて知らない人にも分かりやすく、SAPコンサルタントの仕事内容や採用動向、SAPコンサルティングを行う企業の紹介など、SAPにまつわる情報をわかりやすくまとめました。
目次 SAPとは、ドイツのSAP社が開発するERPパッケージ製品です。 SAPの中核プロダクトであるERPは「人・金・モノ」という経営資源を、収益向上のために最適化されたシステムを世界中に提供し「Forbes Global 2000 社の87%」のユーザーに使用されています。 SAP社はビジネス向けソフトウェアの開発を手掛ける大手ソフトウェア企業で、売上高で比べるとマイクロソフト・オラクル・IBMに続いて世界第4位の実力があります。 2019年末の売上高は3兆3000億円で時価総額は約18兆円あるヨーロッパ最大級の会社です。 SAPのソフトウェアの利用は、世界190国にわたり、440,000社のもの顧客抱え、ドイツ企業の中で名実ともに一位をとり、ERP分野では世界中に圧倒的なシェア数を誇っています。 参照:)「SAPの第4四半期決算、売上高が80億ユーロ超–クラウド受注など好調」朝日インタラクティブ株式会社 ZDNET Japan クライアントの経営課題を、IT技術を活用し解決するコンサルタントをITコンサルタントと呼びます。 その中でもSAP社のERPパッケージを活用し、企業が抱える経営課題を解決する人をSAPコンサルタントと言います。 SAPビジネスは、一般的に大規模なプロジェクトになる場合が多く、SAPコンサルタント含めて多くのステークホルダーが役割をもって業務を分担します。 詳しくは後述しますが、SAPコンサルタントの仕事内容はSAPシステムの導入支援やSAPツールの要件定義、構想策定、ユーザー研修支援、稼働後サポート等、カスタマイズ(パラメータ設定)など、案件によって仕事内容は大きく異なります。 導入を対象とするクライアントは中小・中堅から大企業まで幅広く、グローバル展開をしている、もしくはしたいと考えている企業が多いです。 そのためSAPコンサルタントは会社全体の業務知識理解や、グローバルPJTの経験を通して世界の商慣習などのスキルが付くメリットがあります。 なかでも、SAPシステムのカスタマイズに対する知見を有していることが重要です。 本来SAPシステムは一般的な業務処理や管理に必要な機能が元々パッケージ化されているため、そのままSAPシステムを導入することが可能ですが、最大限の効率化を実現するためには各企業独自の業務処理方法に合わせてカスタマイズをする必要性が生じてくるのです。 また、上記だけの情報だとSAPコンサルタントはSEと何ら変わらない職務内容のように捉えられがちです。 しかし、両者には明確な違いがあります。 SAPコンサルタントの役割は、SAPシステムによって業務を効率化し会社全体のビジネス環境をより良くすることですので、SEと比較した際にSAPコンサルタントは、より深く経営課題に関わりつつ経営層の視点で要件定義を行う職種であると説明できます。 SAPコンサルタントの仕事内容はプロジェクトによって異なりますが、以下の3つに分けられます。 また、PMとしてプロジェクト全体管理、ステークホルダー向けのドキュメント作成などの仕事もあります。 以下、詳しく解説します。 SAPコンサルタントのメイン業務になるSAPシステム導入です。戦略、IT系の大型プロジェクト導入の支援を行います。 内容は、要件定義、業務分析、ソリューション提案、新システムの構想策定などの導入に関わる業務を一貫して進めます。 SAPシステムの知識は当然として、クライアントのニーズに合ったシステムにするための最適なコミュニケーション能力が求められます。 SAPシステムは企業に合わせた豊富なテンプレートが用意されています。 しかし、企業によっては独自に必要となる機能がでてくることも珍しくありません。 各モジュールを使用するにあたって、事前に企業に合わせて、マスタの登録やパラメータの設定が必要になります。 これを「カスタマイズ」と呼びます。 SAPコンサルタントは足りない機能をカスタマイズ・アドオン開発する業務もあります。 数年~数十年単位で使用を検討しているシステムになるため、企業がこだわりの機能を入れるのも当然でしょう。 ただし、こうしたアドオン開発は、アップデートに対応できないことやバグを引き起こす可能性もあるため「本当に必要になるのか?」という視点も重要となります。 なお、アドオン開発するためには、SAP独自の開発言語は「ABAP」の知識が必要となります。 SAPシステムが無事に稼働を迎えたとしてもそれがゴールではありません。 SAPシステムが問題なく稼働する様にサポートする仕事もあります。 稼働直後は、ユーザがシステム操作に不慣れであるため、サポートが必要になります。 また、稼働中に起こる可能性がある事象や不具合が起こった場合のヘルプデスクなどの体制を組むこともあります。 保守に関しては、SAP新規システムの開発、SAPシステム障害の対応などの仕事が挙げられます。 設計時・開発時に作成した情報の整理や、今後の対応事項などをまとめておく事務的な作業ももちろんあります。 既に運用を開始している企業の課題を解決するSAP保守・運用を行う仕事もあると覚えておきましょう。 SAP業界は、「2027年問題」があり人手不足が深刻化していることから、高単価な案件が多い職種の一つです。 気になるSAPコンサルタントの年収は、スキルや経験、雇用形態によって大きく変わるため一概には言えませんが、500万円から1500万円の間になることがほとんどです。 また、需要に対して、SAPを扱える人材が少ない状態が依然として続いている状況ですので、高年収を狙いたい方はオススメな職種です。 SAPコンサルタントの詳しい年収事情は下記の記事にて記載しています。 SAPコンサルタントを目指す方の多くは、配属先がSAPを扱う部署であったり、コンサルファーム時代の経験を評価されてSAPコンサルタントになるパターンが多いです。 一方で未経験の方でもSAPコンサルタントになることは十分可能です。 SAPシステムについての知識が必要になることはもちろんですが、コンサルタントとしてのロジカルシンキングやコミュニケーション能力の方が大切になる職種だからです。 現に大手コンサルタント求人サイトでも未経験の求人は多く存在しています。 SAPコンサルタントへ挑戦を考えている方は下記記事をご覧頂ければと思います。 SAPコンサルタントに求められるスキルや能力は、当たり前ですが「SAPの機能に関する深い知識」が必要です。 ユーザーからの要件のヒアリングから、目的を実現するためのソリューションを提案する立場として参画するからです。 もちろん導入のプロジェクトだけではなく、移行プロジェクトや運用・保守に関するプロジェクトにおいても、SAPに関する深い知識が必要です。 また、以下の様なスキルを持ち合わせているとSAPコンサルタントとして案件に参画しやすいです。 一方で、SAP製品は種類が多すぎるほどあり、SAPコンサルタントは自身のスキルを客観的に評価することが難しい現実があります。 そこで、客観的に自身のスキルを示すための方法の一つとして、「SAP認定コンサルタント資格」を取得することが挙げられます。 SAPコンサルタントの魅力を、弊社に所属されております現SAPコンサルタントの方にお話しを伺ってみましたので紹介致します。 高収入な魅力はもちろんですが、上記の様な「喜び」「新発見」「変化」といった無形資産的な魅力があることが分かりました。 大規模プロジェクトになればなるほど単価も上がりプレッシャーも感じることも多い職種ですが、達成した時の喜び、さまざまな人との関わりを持てるSAPコンサルタントは魅力ある職種の一つと言えるでしょう。 現在、SAP導入コンサルティングを提供する各企業ではSAPのスキルを持つ人材へのニーズが非常に大きくなっています。 その最たる背景として、2027年問題が挙げられます。 2027年問題とは、SAP社がSAP ERPのサポートを2027年に終えるというアナウンスを指す呼称です。 アナウンス通り2027年にサポートが終了予定であるため、現在SAP ERPを導入している企業は期日までにSAP S/4HANAに移行するか、他社ERP製品へ乗り換える必要があります。 この問題に対応するために、多くの企業はSAP S/4HANAへの移行を選択しており、その結果移行プロジェクトにおける案件数が伸びてきています。 このような動向によりSAP案件取り扱い企業は、SAP導入コンサルタントの採用に注力しているのです。 とはいえ、現在では日本企業向けに国産ERPが多く開発されており、SAPにとって競合製品が増えてきています。 すぐに大幅なシェア変動は起こりにくいと考えられますが、将来的には状況が変化する可能性も視野に知れておくほうが良いでしょう。 SAPコンサルタントは、SAPを導入する企業側のIT部門に在籍するという選択肢もありますが、SAPとパートナー関係にあるITベンダーやコンサルティングファームに就職する方が一般的となっています。 以下では後者に該当する主要会社を特徴と共にご紹介します。 アビームコンサルティングは、アジアを起点とした海外ネットワークを通じて様々な国や地域に応じたグローバル・サービスを提供しているコンサルティングファームです。 日本企業特有の文化・習慣を把握したコンサルティングが人気で、多くの日本企業の経営改革や海外進出をサポートした実績が豊富にあります。 とりわけアジア圏におけるグローバル戦略において数多くの実績を挙げています。 また同社におけるSAPに関わるコンサルティング事業は、最も大きいビジネス領域の一つです。 「2020 SAP Pinnacle Award」では「SAP S/4HANA Movement Partner of the Year」を受賞し、世界で最も優れたグロバールパートナーとして認められた実績を誇っており、日本国内では最多である5,399件のSAP認定コンサルタント資格を取得しています。 参照:)アビームコンサルティング株式会社 アクセンチュアは世界中の大手企業や公的機関をクライアントとし、総合的なコンサルティングを提供している世界最大級のコンサルティングファームです。 同社は様々なビジネス戦略やシステム構築プロジェクトに関わってきた歴史から、戦略・IT領域において強みを持っています。 SAP領域に関しては、SAP社と40年以上の長期にわたって戦略的パートナーシップを結んでおり、「SAP AWARD OF EXCELLENCE 2019」においては「プロジェクトアワード」と「ザ・ベスト・サービス・パートナー・アワード」を受賞する等、力を入れていることが伺えます。 参照:)アクセンチュア株式会社 PwCコンサルティングは、経営戦略の立案から実行まで総合的なコンサルティングサービスを提供する国内最大規模の企業です。 PwCJapanグループでは、監査、コンサルティング、デイ―ルアドバイザリー、税務などのグループ内各法人に属する専門家たちと密に連携し、ワンストップで幅広いサービスを提供しています。 参照:)PwCコンサルティング合同会社 PwCコンサルティング同様、いわゆるBig4の一角であるデロイトトーマツコンサルティングは、SAP社のグローバルパートナーとして30年間にわたりSAP導入コンサルティングを提供しています。 20ヵ国で170件以上に及ぶ旧SAP ERP,SAP S/4HANA, SAP SuccessFactors等の導入実績を持っており、戦略策定から導入、運用・保守までEnd-to-Endで支援できる環境が整っています。 計2つのSAPグローバル・パートナー契約を結んでいる富士通はSAPユーザー歴50年で培った経験を活かしクライアント視点でのコンサルティングを行っています。 また、JAPAN SAP USERS’ GROUPのプラチナサポーターとしてSAP社との連携も深めています。 その他、DXを支援するコンサルティング会社「Ridgelinez」を設立したりとSAP導入などを含むDX推進にも注力しています。 参照:)富士通株式会社 将来SAPコンサルタントに転身を検討している方には、フリーランスという働き方もおすすめです。 以下にて理由を解説しました。 また、今後フリーランスのSAPコンサルタントとして独立を検討している方は、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。 フリーランス市場に限った話ではないですが、SAP領域に関わるSAPコンサルタントの慢性的な人員不足が以前より問題視されています。 現状として、SAPのパートナー企業の中には、人的リソース不足のため案件を請け負えないという状況に陥っている企業も多いです。 とりわけSAP ERPのサービス提供終了(2027年予定)が決定し、SAP S/4HANAへの移行案件が増加してからは人手不足が顕著です。 そのため、人的リソースの確保先としてフリーランスのSAPコンサルタントは大変重宝されています。 すぐにSAPの人気及びシェア率に変動が起きる可能性は低いため、今後も継続的に案件獲得が見込めると踏んで問題ないでしょう。 実際に弊社が保有するSAP案件も日に日に増えている現状です。 登録していない方は、まず無料登録だけでも済ませて案件をチェックしてみてください。 フリーランスのコンサルタント向け案件の中でも、SAP案件はとりわけ高単価と言えます。 未経験の場合は90万/月~120万/月、1年以上のSAP導入コンサルティング経験がある場合は130万/月~200万/月、ベテランクラス(PM経験あり・上流から下流までに関する一貫した知見・ニーズの高いモジュールに関する知見)の場合には200万~300万/月程度の報酬を獲得することが可能です。 そのため、会社に在籍している時と比較して大幅な年収アップが見込めます。 年収を高めたいとお考えの方は、フリーランスへの転身も視野に入れておくと良いでしょう。 結論からいうと「プロジェクト次第」というのが正直な感想です。 SAPコンサルタントに限らず、炎上するプロジェクト=激務になる場合が多いのですが、SAPプロジェクトで炎上するのは、根本的な方針転換が途中で起きてしまうケースです。 当初想定していた内容とズレてしまい、結果、コスト増大と期間が伸び赤字プロジェクトになってしまうのです。 SAPコンサルタントに限らず、コンサルタントという職種自体が、「資料作成」や「ミーティング」等で勤務時間が増えることはありますので、そこは頭に入れておくと良いでしょう。 SAPコンサルタントとはSAPを活用し企業の経営課題を解決する職種です。 プロジェクトリーダーとしての管理案件や運営・保守に特化したものまで、多様な仕事内容があることが分かりました。 将来性も高いSAP領域で仕事をしたい方は是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。 弊社が運営するコンタクトアースマッチングなら高単価のSAP案件をかんたんに探すことができます。 完全無料なので最新のSAP案件情報を見逃したくない人はかんたん10秒の無料登録! ✔高単価・フルリモート案件多数
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SAPとは?
SAPコンサルタントとは?
SAPコンサルタントの仕事内容3つ
● SAPのカスタマイズ
● SAPの運用保守SAPシステムの導入
SAPのカスタマイズ
SAPの運用保守
SAPコンサルタントの年収
SAPコンサルタントのなり方
SAPコンサルタントに必要なスキルや能力
● 実際にパラメータ設定ができる
● 各モジュールの深い知識現役が語るSAPコンサルタントの魅力とは?
● 多様な企業に常駐して新しい業界が知れる
● 人間関係やシステムの使い方に変化があるSAPコンサルタントの採用動向
SAPコンサルティングを実施している有名企業5選
アビームコンサルティング株式会社
アクセンチュア株式会社
PwCコンサルティング合同会社
デロイトトーマツコンサルティング合同会社
富士通株式会社
SAPコンサルタントはフリーランスとしても働きやすいのでおすすめ
SAP導入コンサルタントが不足している(超売り手市場)
SAP導入コンサルタント向けSAPコンサル案件は単価相場が高額
SAPコンサルタントは激務?忙しい?休日はとれる?
SAPコンサルタントについてまとめ
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