最近、DXという言葉を耳にすることが増えました。
DXとは「Digital transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略称です。
業務のデジタル化は、生産性の向上を促し、企業の利益を確保や、人々の暮らしの豊かさを実現することに繋がります。
DXを導入することで、今までの仕事のあり方が大きく変わる可能性があります。
ここでは、実際にDX化を進めた海外企業にスポットを当て、DXの有効性を示したいと思います。
この記事を読めば、DXが実際の仕事にどれだけ有益かを理解することができるでしょう。
ぜひ最後までご覧いただければと思います。
目次
DX導入に関する導入するための5つのポイント
DXを進めるにあたり、ITツールを導入しただけでは、DXを成し遂げたとは言えません。
ここでは、DXを進めるに際し必要となる5つのステップをご紹介します。
デジタル化
第一段階は、デジタルツールを導入することです。
業務フローの一部をデジタル化できないか検討します。
その会社にあったITツールやシステムは何か考察します。
様々なベンダーと調整を行い、その会社にとって一番マッチするITツールやシステムを導入します。
ITツールやDX化できるシステムには、多くの場合、トライアル期間が設けられていることがあります。
そのトライアル期間を利用して、実際に使ってみると良いでしょう。
効率化
第二段階としては、実際にITツールを導入し、業務の効率化を進めるプロセスになります。
この効率化の段階では、従来の業務フローを可視化し、無駄を省くことを目的とします。
実際にRPAなどのITツールを実用し、潜在的な課題を見出します。
最初は小規模な業務フローに適用させ、それが上手くいった場合、さらにDX化の範囲を広げていくのが堅実なDX化の方法だと思われます。
共通化
実際にITツールを使ってみて、業務効率化が上手くいった場合は、「共通化」というプロセスに入ります。
このプロセスでは、先行してDX化が進んだ部門のノウハウを他部門にも提供し、DX推進をさらに広げていきます。
ただ、他部門では作業の内容や業務フローが違うので、すべてのDX化ノウハウを適用できる訳ではないので注意が必要です。
しかし、部門同士のDX化ノウハウの流用が円滑に進めば、これまで以上に情報の共有化が促進され、その会社のDX化を推し進める原動力となることでしょう。
組織化
部門間でDX化が進み、DX化のためのノウハウが溜まってきた際は、全社的な取り組みとして、DX化を推し進める段階に入ります。
具体的には、DX化推進部門を組織として作成し、運用体制や業務の効率化を均一に進めることで、会社全体としての生産性を上げることになります。
社内のあらゆるデータを一括管理、共有化することで、一層の業務効率化を進めることができます。
最適化
最後の段階として、組織を最適化することがあげられます。
この段階で、様々なプロセスを通して、ようやく新しいビジネスやサービスを提供できるようになります。
それに伴い、 ビジネスモデルや社内体制の最適化を行うことになります。
例えば、従来のビジネスモデルを見直し、会社が提供している商品やサービスを市場の潜在的なニーズに沿ったものに転換したり、未知の市場に踏み込み新たなビジネスを開始したりと、企業活動の幅を広げることにも繋がります。
会社のあるべき姿を明確にし、企業活動を柔軟かつスピーディに対応するところまでDX化を推進することができれば、その会社の収益性を向上させることができるでしょう。
DX導入の海外事例
上記の通り、5つのステップを踏めば、DXを企業に取り込みやすくなります。
ここでは、海外で実際にDXを取り込み、ある程度の実績を残すことができた事例をご紹介します。
海外製造業におけるDX導入事例その1:CEMEX
CEMEXは世界シェア5位の大手セメントメーカです。
CEMEXではオリジナルのDXプラットフォーム、「CEMEX Go」の運用を行いました。
このプラットフォームの運用により、生コンの発注、出荷・配送の追跡、支払い、取引履歴を一元的に管理することができるようになりました。
また、発注や取引履歴、発送状況の確認に何時間もかかっていたものが、数分で完了できるようになりました。
定期的にCEMEXから生コンを購入する顧客も、CEMEX Goを利用することができますが、デジタル化されたことによって、購入操作の煩雑さが軽減され、購入リピート率は96%とほとんどの顧客が再び利用するようになりました。
海外製造業におけるDX導入事例その2:BASF
BASFは世界最大手の総合化学メーカです。
BASFではデジタルを活用した顧客の製品向上を目指し、自動車メーカ向けに外装色デザイン支援プラットフォーム「AUROOM」を立ち上げました。
AUROOMでは自動車の価値を決める外装色を、製品開発で重要となるイメージ写真と同様の色を作成できるデジタルプラットフォームです。
AUROOMを利用すれば、顧客塗装ラインにおいて特定の色を確実に再現することができます。
また、デジタルデータ共有することができるため、塗装の品質管理や業務最適化にも繋がりました。
BASFでは、これまでの常識であった塗料を売ることで利益を上げるビジネスモデルから、自動車の価値を向上させるための塗料を売る、というビジネスモデルに切り替えて企業活動を行うことで、DXを上手く取り入れ、会社の成長に役立てることができました。
海外製造業におけるDX導入事例その3:CATERPILLER
CATETPILLERは建設機械最大手のメーカです。
CATETPILLERでは、遠隔操作テクノロジー「Cat Commandステーション」を展開することを2022年に発表しました。
このシステムを利用することで、最大400m離れた場所から建機の遠隔操縦が可能となり、操縦者が高所などの危険ところに赴かなくても、建機を利用した工事を進めることができるようになります。
現場の建機と、実際の遠隔操縦席はインターネットまたは専用回線でインターフェースをつなぐことができ、一つの遠隔操作設備で、複数の建機を操作することもできるため、一人でいくつもの建機を動かすことも可能です。
これにより、現場での生産性の向上を図ることができると期待されています。
日本でDXが浸透しない理由
海外では日本よりもDXを取り入れる活動が活発です。
日本と海外の違いは一体何なのでしょうか。
ここでは、日本でDXが推進されにくい理由をあげていきます。
経営戦略の曖昧さ
まず日本でDX化が進まない理由にあげられるのが、経営戦略の曖昧さがあげられます。
実際にDX化を進めようとしても、何をすれば良いかわからず、DX化が中途半端なところで終わってしまうという事もあるでしょう。
日頃からデジタルというキーワードを意識し、経営を最適化していくことが重要だという認識が広まることで、日本企業のデジタル化が進むのではないかと思われます。
IT人材の不足
日本でDX化が進みにくい理由の一つに、IT人材が足りていないこともあげられます。
日本は、もともとIT人材が少ない国で、少子高齢化にも影響され、IT人材が足りていない状態です。
IT人材が足りない状況では、人的リソースを既存のシステムを維持、更新することに集中させるため、なかなか新たなデジタル化を推進することができません。
IT人材の確保については、国をあげて実施することが重要でしょう。
システムの老朽化
最後にシステムの老朽化があげられます。
既存システムが古すぎて、新しいデジタルツールとの連携が取れず、既存とのシステム連携に多くのリソースを割く必要があるということです。
DXを進めるために、改めてシステムを構築することも場合によっては必要でしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ここまで、海外でのDX成功事例や、DXを進めるにあたりポイントになる事などについて触れてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
・DX導入にあたってのポイントは、デジタル化、効率化、共通化、組織化、最適化の5つである。
・海外ではDXが日本よりも進んでおり、効率化を進めた結果、数時間かかっていた作業時間が数分で完了する例もある。
・日本でDXが浸透しない理由は、経営戦略の曖昧さや、そもそもIT人材が足りていないことなどがあげられる。
海外において、DXは製造業のあり方を劇的に変え、当たり前の考え方や、物事の在り方が劇的に変化する“パラダイスシフト”が発生しています。
日本においても、海外の事例を参考にしつつ、より積極的にDXを取り入れることが重要だと考えられます。
参考サイト
【第2回】製造業のDXの海外先進事例 – QUNIE
キャタピラージャパンが次世代油圧ショベルなどを遠隔操作するCat Commandステーションを2022年発売 | TechCrunch Japan
DX導入のために知っておくべきこと|ポイントや導入事例、DXを実現させるための5つのステップ | RPA – Robo-Pat(ロボパット) (fce-pat.co.jp)
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