本記事では情報処理サービス業界の概要やIT業界との違い、主な職種や将来性などを解説します。
最後まで読めば、情報処理サービス業界の働き方や年収相場など等を詳しく知ることができ、今後のキャリアプランを考えるうえで役立てられます。
情報処理サービス業界はIT業界を構成する5つの業界のうちの1つです。
本記事では、IT業界で働く方以外にはあまり細分化して意識されない情報処理サービス業界について詳しく解説します。
SIerなどでシステム開発に関わりたいと考えている方は最後まで読んでみてください。
Webサービス開発に興味のある方や、プログラミングの実績がある方は無料エキスパート登録から案件にアサインしてみてください。
目次
情報処理サービス業界とは
情報処理サービス業界は、システムを用いて顧客の課題を解決する業界です。
システムの受託開発や運用管理、コンサルティングなどを請け負うSIerなどが属しています。
DX推進やテレワーク増加によって、銀行や官公庁などさまざまな業界でシステム開発が求められており、安定したニーズを保っています。
情報処理サービス業界の特徴は、建築業界などのような多重下請け構造を持つ点です。
発注者から依頼を受けた一次請け企業がシステムの提案や基本設計を行い、二次請け企業が詳細設計、三次請け企業が開発やテスト、保守といった業務を行います。
上流工程の企業ほど報酬が高くなるため、転職の際は開発のどの部分を担っている企業か注意が必要です。
また、SIerは次の3つに分類されます。それぞれ順番に見ていきましょう。
● メーカー系
● ユーザー系
引用元
・「情報処理サービス(SI)業界にはどんな仕事がある?職種や業界の将来性、大手企業の売上ランキングも紹介します。」株式会社Geekly Geekly Media
・「SIer(エスアイヤー)とは?基礎知識から仕事内容まで詳しく紹介」発注ナビ株式会社 発注ナビ
独立系
独立系SIerは、親会社やグループ会社を持たず独立して活動するSIerです。
親会社などから制約を受けることなく、顧客のニーズに合わせて独自のハードウェアやソフトウェアを開発できます。
主な独立系SIerは、大塚商会や富士ソフトなどです。独自の技術や強みを持ち、案件の受託に繋げています。
また、メーカー系やユーザー系のように特定の業界や親会社に顧客が偏在しておらず、さまざまな業界の開発案件に携われるため、スキルアップもしやすいです。
引用元
・「情報処理サービス(SI)業界にはどんな仕事がある?職種や業界の将来性、大手企業の売上ランキングも紹介します。」株式会社Geekly Geekly Media
・「独立系SIerとは?メリット・デメリット5つと企業を選ぶポイントも紹介」株式会社インフラトップ WEBCAMP MEDIA
メーカー系
メーカー系SIerは、コンピューターなどの製造メーカーのシステム開発部門が独立して生まれたSIerです。
メーカーを親会社に持ち、親会社から受託される案件を中心に開発を行います。
また、他社から依頼を受ける際は親会社の製品とシステム開発を一括して受注するなど、顧客の抱える課題にトータルで対応が可能です。
主なメーカー系SIerは、日立製作所や富士通、NECなどです。
大手企業を親会社に持つ企業が多いため、福利厚生などが整った安定した環境で働きたい方に適しています。
引用元
・「メーカー系SIerとは?特徴やメリット・デメリットを解説!」レバテック株式会社 レバティックキャリア
ユーザー系
ユーザー系SIerとは、商社や金融機関などの大手企業を親会社に持つSIerです。
主に親会社のシステム開発や運用・保守を請け負うため、特定の業界における開発に強みを持っています。
主なユーザー系SIerは、野村総合研究所や伊藤忠テクノソリューションズなどです。
大手企業から開発案件を直接請け負うため、基本設計などのシステム開発における上流工程を担うことが多く、キャリアアップに必要な経験が積めます。
反対に、プログラミングなどのシステム開発を直接行う機会は少ないため、転職や独立を目指す場合は自己研さんが必要です。
引用元
・「ユーザー系SIer企業とは?メーカー系・独立系との違いやユーザー系の仕事内容などを紹介」
パーソルキャリア株式会社 HIPRO Tech
・「ユーザー系SIerとはどんな企業?気になる業務内容から転職に役立つ情報まで徹底解説」パーソルキャリア株式会社 doda
情報処理サービス業界とIT業界に違いはある?
IT業界は、事業内容の観点からインターネット・Web業界、情報処理サービス業界、通信インフラ業界、ソフトウェア業界、ハードウェア業界の5つに区分されます。
情報処理サービス業界はIT業界の一部として内包されています。
そのため、情報処理サービス業界とIT業界の違いは、IT業界は業界全体を示し、情報処理サービス業界はその中の1つの分野を指す点です。
引用元
・「SI業界とはどんな業界?魅力やSEとの違い・市場動向を徹底解説」株式会社C-mind カリクル
・「【IT業界研究】|情報処理サービス(SI)業界」株式会社システムリンク ITなび就活Magazine
情報処理サービス業界の仕事内容・職種
情報処理サービス業界では、さまざまな種類のエンジニアやマネージャーが従事しています。
本章では、情報処理サービス業界の主な職種の仕事内容と年収について解説します。
引用元
・「情報処理サービス業の仕事とは?業界の将来性や職種の種類を解説」レバティック株式会社 レバティックルーキー
・「情報処理業界とは?現状や職種、今後の流れについて解説」株式会社マイナビ マイナビエージェント
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーは、開発プロジェクト全体の予算やスケジュール管理を行う職種です。
チームメンバーの選定や業務の割り振りといった調整を行いながら、プロジェクトを円滑に進めます。
顧客や上司に対しても定期的な進捗報告や予算・納期の交渉といったコミュニケーションを行い、プロジェクトの責任者として重要な役割を担います。
プロジェクトマネージャーの平均年収は約569万円とされており、国税庁の「令和4年民間給与実態調査」において日本の平均年収は458万円であることから年収相場は高いです。
高年収のプロジェクトマネージャーになるために必要なスキルや資格については、こちらの記事で詳しく解説しています。
引用元
・「SIerのPM(プロジェクトマネージャー)の「仕事内容」と「役割」」株式会社アクシスコンサルティング AXIS CONSULTING
・「IT・インターネット・通信 プロジェクトマネージャー・プロジェクトリーダー」株式会社マイナビ マイナビエージェント
・「令和4年分 民間給与実態統計調査」国税庁
システムエンジニア
システムエンジニアは、システム開発の上流工程を担う職種です。
顧客へヒアリングをして抱えている課題やニーズをくみ取り、課題解決のためのシステムの基本設計を行います。
仕様が決まったら、実際に開発を行うプログラマーと調整しながら機能実装とテストを繰り返します。
プログラマーほど直接プログラミングを行う機会はありませんが、指示を出す際にプログラミングの知識があると、円滑なやり取りが可能です。
また、システムエンジニアの平均年収は約443万円です。
ただし、保有スキルや携わる案件によって年収は上下するため、国家資格の取得や幅広い案件に携わった実務経験など実績を積むことがキャリアアップにつながります。
引用元
・「IT・インターネット・通信 プロジェクトマネージャー・プロジェクトリーダー」株式会社マイナビ マイナビエージェント
・「【保存版】 IT業界の職種・業務内容を徹底解説! (システムエンジニア,プログラマー,ITコンサルタント,プロデューサー,営業)」
株式会社ハウテレビジョン 外資就活ドットコム
プログラマー
プログラマーは開発工程の中で、下流にあたるプログラミングや機能実装、テストなどを行う職種です。
基本的にはシステムエンジニアが作成した設計書を基にプログラミングを行います。
コードの作成だけでなく、実装した機能のテストやバグ・エラーを見つけて取り除くといった作業も担当します。
プログラミングを実際に行うため、扱える言語が多いほど幅広い案件に携わるチャンスも増える職種です。
プログラマーの平均年収は、約344万円とプロジェクトマネージャーやシステムエンジニアと比較すると高くありません。
しかし、IT業界未経験者を採用する企業も多く、これからIT業界を目指す方が取り組みやすい職種でもあります。
プログラマーの仕事内容については、こちらの記事で詳しく解説しています。
引用元
・「プログラマー」株式会社マイナビ マイナビITエージェント
・「【保存版】 IT業界の職種・業務内容を徹底解説! (システムエンジニア,プログラマー,ITコンサルタント,プロデューサー,営業)」
情報処理サービス業界の市場規模・将来性
最後に情報処理サービス業界の市場規模が安定して推移していることや、将来性が高いことについて具体的に解説します。
これから情報処理サービス業界を目指そうと考えている方は、長期的に働ける業界であるか見定めるためにも、参考にしてみてください。
市場規模は安定した推移を見せる
総務省の「2021年情報通信業基本調査」から、情報処理サービス業界の市場規模は安定して推移していることがわかります。
同調査では、2020年の情報サービス業界の市場規模は18兆7928億円(前年比1.1%減)とほぼ横ばいです。
そのうちSIerの主力事業である「受託開発ソフトウェア業」が8兆7,673億円と約47%を占めています。
また、市場規模は過去5年間安定して推移しているため、情報処理サービス業界のニーズは常に一定程度存在するといえるでしょう。
引用元
・「情報通信業基本調査結果 2021年情報通信業基本調査(2020年度実績)」総務省情報流通行政局 経済産業省大臣官房調査統計グループp.49
「2025年の崖」やDX推進によるニーズの高まり
情報処理サービス業界の必要性は高まっており、将来性は十分にある業界といえます。
経済産業省の「DXレポート」で取り上げられた「2025年の崖」問題では、既存システムの刷新を行わなければ2025年以降最大12兆円の損失が日本全体に生じるとされています。
これを受けて企業のDXに向けた取り組みは進んでおり、独立行政法人情報処理推進機構の「DX白書2023」ではDX推進を行う企業の割合は69.3%となりました。
一方でDX推進ニーズに対して人材供給が追いついておらず、83.5%の企業がDX人材が不足していると回答しています。
このことからDX推進の核となるシステム開発を行う情報処理サービス業界のニーズは、今後さらに高まることが見込まれます。
DXについて詳しく知りたい方はこちらの記事で解説しています。
引用元
・「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~(サマリー)」経済産業省 デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会
・「DX白書2023 進み始めた「デジタル」、進まない「トランスフォーメーション」」IPA独立行政法人情報処理推進機構 P9,P21
まとめ
今回は情報処理サービス業界とIT業界の違いや将来性、SIerの種類を解説しました。
情報処理サービス業界は、システム開発を行いたい方や顧客課題の解決に取り組みたい方に適している業界です。
SIerの種類によって携わる案件も異なるため、あなたに合ったプロジェクトに関われるようキャリアを積みましょう。
また、システム開発に携わるのであればフリーランスも有用な選択肢です。
時間や場所に縛られずフルリモートで働ける案件にアサインすれば、仕事もプライベートも充実させられます。
Contact EARTH matchingでは高単価かつフルリモートの案件がたくさん登録されています。
● すばやく高単価案件を獲得したい
● まだ仕事を受けることは考えていないけど、どんな案件があるのか知りたい
● 働く場所にとらわれずリモートでできる案件を探したい
このような方はぜひ無料登録を行ってみてください。
フルリモート案件をお探しの方へ
✔高単価案件多数
150万円以上の案件が80%以上、200万円以上も!
✔フルリモート案件多数
リモートで完結するDX・戦略案件が見つかる
✔上場企業や優良企業から直接スカウトが届く
簡単なプロフィールを登録し、あとはスカウトを待つだけ