こんにちは。当メディアを運営するストラテジーテックコンサルティング編集部です。
カスタマー・エクスペリエンス(CX)は今日の企業活動において重要な要素の一つです。
そしてその流れは「Business-of-Experience | Accenture」のレポートで「顧客体験を起点としたビジネス変革(BX)」に進化していくべきと強調されています。
本レポートは、 アクセンチュアインタラクティブが率いるチームが顧客体験についてどのように考えているかを、21カ国の1550以上の幹部との調査した研究に基づいています。
本記事では、BX(ビジネス・オブ・エクスペリエンス)が誕生した背景や特徴について紹介します。
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目次
カスタマー・エクスペリエンス(CX)が重要視される理由
皆様は、何らかの商品やサービスを使用する時にどういった媒体で、どのくらいの情報を収集し、購入決定をするでしょうか?
近年、エクスペリエンスが重要視される理由は「顧客との接点が昔に比べて明らかに増えた」からです。
Acquia日本法人のアクイアジャパンのグローバル調査※1によると、新型コロナウイルスの影響で84%の消費者が2019年と比較して2020年に「より多くのデジタルチャネルを利用した」と回答しています。
また、サブスクリプションビジネスの登場により、消費者の「所有」から「利用」への意識の変化が見られました。
必要な期間、必要なタイミングで使用できるサブスク型サービスは、消費者行動の変化に影響を少なからず与えています。
企業は自社のサービスを長期的に使用してもらうために、より良い顧客体験を生み出す必要性がでてきました。
こうした背景は、企業と顧客の接点をあらゆる媒体で増やしました。
そして、消費者の身の回りにある商品やサービスに対する価値観を変化させ「値段」「機能」などの合理的な価値から、「使いやすさ」「企業の親切さ」「安心・安全」などの「顧客体験」を優先する時代へと変化しつつあります。
CXを優先しなければ、顧客は自社のサービスを解約し、他社のサービスに乗り換えてしまいます。
様々なタッチポイント上の良質な体験は企業の信頼の醸成やブランドの認知のために欠かせません。
今後、企業経営において「顧客体験」に注目することは欠かせないものになると考えられます。
参照:)2020年のCX(顧客体験)への取り組み 世界800社の反省点とは?――Acquia調査
ビジネス・オブ・エクスペリエンス(BX)とは
CXの重要性が取り上げられてから、多くの企業がCXに取り組みました。
そして、その進化はテクノロジーの発展と共にこれからも続いていくでしょう。
しかし、CXの普及はサービスの均質化を招き、差別化が難しくなり、顧客との接点のみを最適化したCXの向上だけでは通用しづらいと言われています。
アクセンチュアインタラクティブの発行する資料によると、アクセンチュアの最新調査※1で、パンデミック以降、企業におけるCX戦略の優先度は33%低下したとされています。
また、同資料では、BX指向の企業における過去1年、3年、5年、7年の前年比収益の平均は、CX指向の同業他社の数値を少なくとも6倍以上高い※2とされています。
以上の様な背景を基に同資料では、BX(ビジネス・オブ・エクスペリエンス)を以下の様に解説しています。
CXからの進化BXは、企業がより顧客志向にシフトし、確実なビジネス成長を再び促進するためのより包括的なアプローチです。CXはCMO(最高マーケティング責任者)またはCOO(最高執行責任者)の権限の領域とされてきましたが、BXは企業運営のあらゆる側面に関連するため、CEO(最高経営責任者)の優先課題となり経営戦略として扱われます。※3
CXの上位概念と言えるBXは事業の運営のあるゆる側面を含んだ広い概念と言えます。
そしてBXは今後、世界中の最先端のリーダーシップのカテゴリーになると示唆されています。
例えば、Amazonやapple、Salesforceなどの企業はすでにBX戦略に何年も前から取り組んでおり、ユーザーファーストのサービスを展開してきました。
こうしたインパクトは企業の利益につながり、先述した前年比収益の様なポジティブな結果を残しました。
※1,2,3出典:)Business-of-Experience | Accenture
ビジネス・オブ・エクスペリエンス(BX)が登場した3つの課題
アクセンチュアインタラクティブの最高戦略責任者であり、同資料の共著者であるバイジュ・シャーは、BX(ビジネス・オブ・エクスペリエンス)を現在の最重要課題と述べました。
そして、その背景には3つの課題「顧客ニーズ」「似通ったCXの飽和」「パーパス指向への飛躍」があるとしています。
顧客ニーズ
1つ目の課題に、新型コロナウイルスが加速させた、変化しづける顧客のニーズに多くの企業が対応しきれていない現状があるとされています。
同社の調査ではCEOの41%が「消費者行動の変化に迅速に対応できていないことが、COVID-19によってもたらされた危機に対処する上で重大な障壁となっている」と回答しました。
また、現在の消費者は自身の生活を変化させるような魅力的なエクスペリエンスに期待し、ニーズを叶える企業・ブランドを選びます。
業界、業種を問わず、エクスペリエンスが劣っていると判断したら消費者が離れていく様子は、顧客のニーズが真の流動性を持っていることを示しています。
似通ったCXの飽和
2つ目の課題はCXの飽和によるサービスの均質化です。
店舗の雰囲気や香り、音楽、丁寧な接客、シンプルでスマートな支払いシステム。これらのCXの取り組みが成功すれば、売り上げ増加や顧客エンゲージメント上昇が期待できます。
今後もCXの重要性が下がることは無いでしょう。
しかしその一方で、シンプルで分かりやすいCXは消費者にとって当たり前の世界になりつつあるとされています。
なぜなら、顧客とのあらゆる接点は25年間にわたってCXデザイナーが改善を重ねたことにより、基本となるモデルが確立されつつあるからです。
ECサイトの決済システムは誰でもわかるように簡単に設計されていますし、UX向上の取り組みは誰もが知る事実となりました。
CXが当たり前になればなるほど、それだけでは、差別化をすることはできないのです。
パーパス(存在意義)指向への飛躍
インターネットの普及や技術の標準化により市場は成熟し、商品やサービスのコモディティ化を起こしています。
そうした流れは質の高い商品やサービスだけではなく、企業のパーパス(存在意義)を社会に明確に提示することが求められています。
Accenture Strategyの調査によると、Z世代とY世代の半数と40歳以上の約40%が「企業の社会問題に関する発言や行動が理由で別のサービスに乗り換えた」と回答しました。
つまり、ブランドのビジョンを明確化し、人々の生活をより豊かにするための価値。「パーパス」と「価値」2つにコミットメントしなければならないことを示しています。
参照:)GENERATION P(URPOSE) Accenture Strategy
ビジネス・オブ・エクスペリエンス(BX)事例
続いて、BXを実現している国内企業の事例を確認していきましょう。
ふくおかフィナンシャルグループ「みんなの銀行」
ふくおかフィナンシャルグループの子会社である「みんなの銀行」は、アクセンチュアと共にパーパスの定義を見直し、2021年5月28日「みんなの銀行」をリリースしました。
本サービスの特徴は、口座開設からATM入出金、振り込みなどを全てスマホで完結させる国内初「デジタルバンク」の先駆けとなります。
Y世代、Z世代のデジタルネイティブ世代を対象としたゼロベースの銀行を作る狙いです。
SNS上で顧客の声に耳を傾け、「フリクションレス」「ハイパーパーソナライズ」など「とにかく使いやすいサービス」を軸に事業を発展させていくとしています。
まさに企業のパーパスから再定義したBXのチャレンジ例と言えるでしょう。
参考:)「デジタルバンク」はネット銀行と何が違うのか。「みんなの銀行」の狙い
今、企業が取り組むべき顧客体験を軸とするビジネス変革(BX)
ビジネス・オブ・エクスペリエンス(BX)のまとめ
ビジネス・オブ・エクスペリエンス(BX)の出現はCXという概念が誕生した時から続く自然の流れだったのかもしれません。
BXは世界中に浸透しつつある状況と言ってよいでしょう。
しかし今後数年のうちに、エクスペリエンスを起点とした事業経営が顧客満足度の向上をもたらし、素晴らしいビジネスの原動力となると言えるのではないでしょうか。
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