近年、企業の業務やビジネスモデルそのもののIT化が急速に進に伴って「DX」という用語が様々な場所で取り上げられるようになっています。フリーランス向け案件紹介サイトなどでも「DX案件」「DX推進案件」といったDX関連の用語を頻繁に見かけるようになりました。
DX案件の成功事例や具体的なフリーランス向けDX案件情報、さらに今後のDX時代で活躍するためにコンサルタントとして身に着けておくべきスキルについてもご紹介します!
目次
DX案件とは
近年、さまざな業界でDXの必要性が叫ばれるほどにその重要性は高まっています。
DXは、時代の変化に合わせデジタル技術を活用し、企業間の競争を高め、企業のビジネスモデルを変革させることです。つまり、DX案件とは、企業のDX化を実現するためにコンサルタントがDX化の戦略や方針を検討し、支援を行うこと指します。
DX案件の種類
DX案件の目的は、IT技術活用により企業全体をデジタルシフトさせ新たなビジネスモデルを創出させることです。
そのため、コンサルタントが関わる領域としては、必然的に中長期経営戦略に立脚したデジタル戦略立案に携わることとなります。
実際に担う業務としては、クライアントや案件によって異なり、一般的ないわゆる戦略コンサルティングと同様なケースもあれば、ITコンサルタントのような特徴を有するケースもあります。なお、大まかに分けると3つの種類にDX案件は区分することが可能です。
①基幹システムの構築&導入支援
クライアントの既存システムを、刷新・カスタマイズし、企業全体において最も効率的に機能するシステムを組み立ます。
②デジタル戦略立案
DX推進と言いつつも、DX案件の目的が”ITシステムの導入”になってしまっていることも。本質的にDXで成し遂げたい目標を検討せずただ闇雲にITシステムを導入するでは大きな変化を期待することができません。
そのため、最新のデジタルソリューションや経営ついての深い知見とノウハウを有するDXコンサルタントが、企業の中期経営計画をサポートします。
③デジタル組織戦略立案
DXを実現するためには、トップ層は勿論のこと組織全体としてDX推進へ目を向ける必要があります。そのような組織への変革サポートをする要員としてDXコンサルタントがDX案件に参画し、デジタル組織へと移行していくための戦略立案を組み立てます。
DX案件の需要が高まっている背景
続いて、一体なぜ、多くの企業がDX案件へ積極的に投資をしているのでしょうか?その背景には以下のような理由があります。
①消費行動の変化
近年では、製品を購入して所有する「モノ消費」から、サービスや情報の入手のための「コト消費」に顧客の消費行動の割合が傾いてきています。それに加え、モバイルシフトによって消費者の消費行動が「アナログ」から「デジタル」へと変容しました。
それによりユーザーに価値を届けることを目的とした企業はデジタルとリアルを統合したビジネスモデルへと転換していくことが急務となっています。昨今では、多くの企業が、ECサイト、アプリなどメディアを活用した消費者との新たなコミュニケーションのあり方を積極的に築く姿勢を示しています。またCOVID-19流行により消費を取りまくDXはさらに加速しています。
今後も、AIや5Gなどの最新技術が大きく進歩していく可能性があることからも、さらに消費行動の変容はとどまらず、絶えず変化していくでしょう。そのような変化に柔軟に対応するためにも、DXは欠かせないものとなっているのです。
②既存システムの老朽化、ブラックボックス
総務省の「DXレポート」によると、2025年には、21年以上使用されているいわゆるレガシーシステムを採用している企業が6割にものぼると予測されています。
それではレガシーシステムを使用し続けることで、一体どのようなことが起こり得るのでしょうか?
同レポートによると、2020年のWindows7のサポート終了や2027年のSAP社によるERPのサポート終了なども相まって、際最大で年間12兆円もの経済損失が生じる可能性があるとし、その背景として以下のようなリスクが懸念されています。
- 古いシステムを扱える人材が限定的にあるシステムがブラックボックス化する
- カスタマイズなどの改修を重ねた結果、構造が過度に複雑化され新たなシステムに移行ができなくなる
- 老朽化・複雑化しIT予算のうち9割程度が運用に費やされてしまう
- 急速に変化する市場に応じてビジネスモデルを柔軟に変えられない
- 市場変化に応じたビズネス展開ができず、デジタル競争における敗者となる
これら問題が待ち受けているため、レガシーシステムの刷新は企業存続のために避けて通れない道となっているのです。
③労働人口不足
皆さんも周知のとおり日本は超高齢社会へと突入しており、今後の労働人口における減少は免れることのできない問題ですが、DX推進、例えば下記事例等によって企業の人手不足を緩和することが可能です。
- AIやロボットを活用し、製造から在庫管理、配送まで管理できるシステムの作成
- チャットやコールセンターを統合したコンタクトセンターの構築
以上の理由から、AI、IoT、RPAにチャットボット導入など、DX推進が企業にとって大変重要となっています。
④グローバル企業との競争
グローバル企業との競争に勝つために多くの業界で日本企業のDX化進んでいます。私たちが生きているこの時代はIT革命の真っただ中にあり、世界中がインターネットによって瞬時に繋がる時代になりました。国内市場に外資系企業が参入しやすくなり、日本企業は、否応なしにグローバルな舞台に立たされることとなりました。
それで言えば、今は昔、日本製の白物家電は世界NO.1でしたが、韓国のサムスンが現在世界シェアNO.1となっています。今まで以上に、より良い品質で安く製品をつくらなければならない昨今において、データを元に顧客分析を行い、企業全体で業務効率化をはかる必要性が出てきたのです。
企業のDX推進事例
では、企業は実際にどのようにDXを推進したのでしょうか。実際に確認していきましょう。
株式会社資生堂
資生堂は、マーケティング施策が上手なことで有名な会社ですが、同社が取り入れたDXの一例としてOptuneの導入がとりわけ周知されています。資生堂のOptuneとは、IoTを活用したスキンケアサービスです。肌状態にまつわるデータを独自のアルゴリズムが解析・分析し、パーソナライズしたスキンケアをユーザーに届けるというサービスになっています。なお、資生堂のこのDX施策は、スキンケア用品のサブスクリプション型という新しいモデルの確率へとつながりました。
※現在はサービス終了
株式会社カネボウ
カネボウでは、DMPを導入することで、ブランドを横断したマーケティング施策を実現しました。これにより、今までキャッチアップすることのできなかったニーズの洗い出しやオウンドメディアに訪れたユーザーの増減数、各ユーザーの興味変容などを可視化したデータを広告施策の効果検証における指標として活用することが可能となりました。
株式会社メルカリ
今では多くの人が利用しているフリーマーケットサービスの「メルカリ」は、そのビジネス形態そのものが、外部環境の返還に対応して展開したDX事例と言えます。同サービス搭乗前は、ネットオークションとなるとパソコンで行われることが一般的であり、かつ、商品の売買を実名で行うことは稀でした。しかし、メルカリはIT技術を活用することで従来までの常識を覆し、スマホのみで簡単にネットオークションを楽しむことができ、かつ安全性にも配慮したシステム(匿名で配送可能なサービスなども実施)を構築しました。最近では、AO技術を活用した即時買い取りサービス「CASH」などの新たなサービスも展開しています。
続いてご紹介する2つの企業は、経産省と東証が発表した「DX銘柄2020」の中でも「DXグランプリ」に選定された2社です。
株式会社小松製作所(DX銘柄企業2020)
スタートアップを含むパートナー企業と開発した新IoTデバイスやアプリケーション群「SMARTCONSTRUCTION」を導入し、大革新的なデジタルトランスフォーメーションを展開しています。またAIやIoT活用により製品各号機の情報を生涯にわたりフォローする号機管理プロジェクトがエンゲージメントの向上やアフターマーケット(中古製品市場)等の新ビジネスモデル構築へと繋がっています。
トラスコ中山株式会社(DX銘柄企業2020)
工具や機具を多数扱う専門商社トラスコ中山は、1月に時点で新機関システム「パラダイス3」を導入し、「自律化できる仕事は、システムで全て自動化!」をコンセプトに営業業務、コミュニケーション、物流機能、管理業務において革新的かつ大規模な自動化を推し進めています。とりわけコミュニケーション領域においては、「MROストッカー」を導入することで販売店との間で、膨大なアイテムの先読み調達を実現してます。
その他、DX推進事例については「【DX成功事例集】業界別DXを実現させた国内企業13選をご紹介します」で業界別にまとめましたので、ご興味のある方はご覧ください。
DX案件を担うDXコンサルタント
需要がひっ迫するDX案件ですが、ここからは、そのDX案件推進のにない手となるフリーランスDXコンサルタントの目線からDX案件の具体的な内容を確認していきたいと思います。
その前に、「そもそもDXコンサルタントとは?」と疑問に持たれた方も多いでしょう。DXコンサルタントとは、その名の通り、ITや経営に関わる深い知見を活用し、DXコンサルティングを実施するコンサルタントのことを指します。
✔DXコンサルタント=「ITシステム×経営知識」に関する深い知見を持っており、クライアント企業の組織改革をサポートするコンサルタント
✔主に経営・戦略・IT系コンサルタントが該当する(pmoコンサルタント,PMコンサルタント,ERPコンサルタント,SCMコンサルタント
DX案件で活躍するために身に着けておくべき要素とは
フリーランスDXコンサルタントがDX案件に参画する目的は大きく分けて2種類あり、それぞれ必要とされる要素も異なってきます。
①戦略コンサルタントとしてクライアントの経営戦略を立案する場合
本記事で何度もお伝えしたように、DXを実現させるためには、クライアントの業務効率化の範疇だけでなくより広い視野でとらえていく必要があります。
デジタル化はあくまで、ある目的を遂行するための一手段でしかありません。本来の目的を重視しつつ、デジタル化を効率的に推進させていくための活動を長期的に支援してきます。
DX案件に、①のような役割を持って参画する際に最低限身に着けておくべき要素やスキルは以下の通りです。
- コンサルティングファーム出身者
- DXに関する知識
- 経営、デジタル関連プロジェクトでの実務経験 等
②ITコンサルタントとしてクライアントのデジタルシフトを支援する場合
既存のITシステムを刷新し、業務効率改善を目的に新たなITシステム導入を行います。①のポジションに比べ、よりITシステムに関する専門知識を有したDXコンサルタントが求められます。技術者よりの立場から経営のサポートに携わるイメージです。
なお、DX案件に②のような役割を持って参画する際に最低限身に着けておくべき要素やスキルや要素は以下の通りです。
- ITシステムに関する深い知見
- ITプロジェクトにおけるフロントエンドの実務経験(PM経験があれば尚よし)
DX案件の将来性
IPAの「IT人材白書2019」によると、IT企業によるIT人材における不足感は、2016年時点で75.5%であったのが、2018年時点では92%にも及んだことが示されています。
そして今後のDX人材への需要についてですが、これまで以上にIT人材が不足し、DX推進のにない手不足が顕著に表れていく可能性が極めて高いです。経済産業省委託事業の調査では、最も最悪な場合には79万人、中間のシナリオでは45万人のIT人材が不足すると予測されました。
2019年度時点での民間企業への就職を希望する新卒が43万人であったことをふまえると、DX人材不足の深刻さがお分かりいただけるのではないでしょうか。つまり、2030年度には、(すでにはじまっていますが)DX人材の争奪戦となることが明白です。
そして、各企業がDX人材を自社で賄えなくなった場合に、打開策として力を入れるのが「フリーランス人材の採用」です。近年、DXをはじめITシステムに携わるフリーランス人材の単価相場は(もちろん経験やスキルに左右されますが)高単価な傾向にあります。
この流れは一層強まっていくことが予想されますので、フリーランスとしての独立を検討中の方は、ぜひこの機会をタイミングに行動に移してみるのもよいかもしれません。
DX案件のまとめ
本記事では、DX案件や案件の需要の高まりなどについてご紹介しました。
今後ますますITが社会に浸透していくにつれて新たなビジネスモデルが台頭していくに伴い、日本国内においても、世界を市場に据えたDXが盛んに推し進められていくことが伺えます。
DX実現にフリーランスDXコンサルタントとして関わることは、企業の新たな挑戦を後押しするという意味でとてもやりがいを感じれることでしょう。
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